【税理士試験・合格体験記】闘い方を工夫して、社会人で短期間合格

勉強することもできる会社のカフェテリア

平川悠介さん(30代、会社員)

合格科目・受験歴:
 2013年 簿記論〇、消費税法〇
 2014年 財務諸表論〇、事業税法〇
 2015年―2018年 海外赴任中のため受験せず
 2019年 法人税法〇
出身高校:慶應義塾高等学校
出身大学:慶應義塾大学
学習時間:平日4時間・休日6時間
学習場所:会社、自習室、カフェ、電車の中
出身地:東京
学習スタイル:専門学校(TAC)
目標:独立開業は今のところ考えておらず、英語に強い組織内税理士として活躍する幅を広げていきたいと考えています。

不安定な時代を生き抜く専門性を身につける

勤務先の事業会社が業績悪化となって、安定した将来が見通せなくなった2011年。税理士試験の受験を考え始めたのは、東日本大震災の後のことでした。

事業会社とはいえ監査法人出身者の公認会計士も多い職場で、社会人になってから経理職に就いた自分にとって、知識・経験に差を感じるだけではなく、マネジメントからの信頼の置かれ方でも、彼らと差を感じる場面がありました。

「いまの自分の実力では今後の不安定な時代を『生き延びる』ことができない」と痛感し、「専門性を身につけよう」と決意。税務は、事業会社の経理としてキャリアで必須の要素ですし、他の人ともスキルを差別化しやすいと考えたのです。

受験との闘い方を考えれば、社会人でも短期合格はできる

(1)ベースの知識があると◎

受験を考え始めたときは事業会社の経理職に就いており、本社決算・税務・開示業務(連結および単独、USGAAP採用)に従事していました。また、税理士試験の勉強以前には日商簿記1級を取得していたので、会計に関する一定のベースを構築した上で学習がスタート。

2013年・2014年の受験後、2015年3月から3年半の間アメリカでの駐在勤務も経験したためブランクが空きましたが、帰任後の2019年(令和元年度)の試験にて官報合格をすることができました(3回の受験で5科目取得)。

(2)上司に前もって受験を伝え、試験直前に休暇を取りやすい環境づくり

税理士試験を受験することを、初年度から職場の上司には伝えていました。

というのも、試験日直前の2日間程度は休みをとり、ホテルで缶詰になって追い込むようにしていたのですが、試験日程によっては決算繁忙期と重なることもありえます。そのため、事前に伝えておくことで休暇を取りやすい状況にしておきたいと考えたからです。

幸い上司が理解のある方だったため、希望通りに休みをとって試験に集中する時間を作ることができたので、とても感謝しています。

(3)「初年度は簿記・財表」というセオリーに縛られない

自身だけでなく家族にも負担が大きい試験ですので、当初から最短3年での合格を目指しました。

【受験1回目~2回目】
初年度は日商簿記の学習経験を活かすべく当然に簿記論を選択。定石ならば2科目目として財務諸表論を選択するところ、税法科目を毎年受験していきたい(理論暗記の負荷を平準化させたい)という思いもあり、実務で相当程度経験があった消費税法を選択しました。

試験後は、両科目ともボーダーより少し上という自己採点結果だったため、消費税法について年内演習クラスを週1回受けつつ、財務諸表論の学習を年内完結クラスで開始。

仮に簿記論が落ちていたとしても財務諸表論を通して、会計(計算)に関する学習を最低限続けられるという狙いでした。

【受験2回目~3回目】
年末の合格発表で両科目とも合格していたため、すぐに年明けから事業税の学習を開始(財務諸表論は継続)。2年目に受験した財務諸表論と事業税は、自己採点でかなり合格に近い感触が得られたため、それらの科目は年内演習クラスは選択せず、9月から新たに法人税法の学習を開始。

しかし、3カ月ほど学習したところで海外赴任の内示が出たため、その時点で一旦学習をストップしました。

【受験3回目】
アメリカ駐在から帰任後は、最後の1科目となった法人税法の年内完結クラスを帰国日の2日後にTACの窓口に行って申し込みをし、翌年(2019年)の試験にて無事に官報合格することができました。

2018年9月1日に帰国したのですが、9月はちょうど各専門学校の新学期が始まるタイミングで、最初の講義から受けることができたのは幸運でした。

愛用のヘッドフォン 。
集中とリラックス両方のために
音楽とヘッドフォン(ノイズキャンセリング)には投資を惜しまない。

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