【会計士合格体験記】外資系企業で働きながら、スキマ時間を活用して3度目で掴んだ合格


A.S(30歳・外資系IT企業)

【受験情報】
受験履歴:2021年12月短答× 2022年5月短答× 2022年12月短答〇
2023年論文× 2024年論文× 2025年論文〇
受験スタイル:TAC通信
▶サムネイルは利用した教材。

外資系IT企業で働きながら会計士を目指した理由

私が公認会計士を目指した理由は二つあります。

①外資系IT企業に勤めており、IT以外の専門性を身につけて社内で差別化したかったことです。ITスキルと英語力は強みでしたが、それだけでは経営判断や財務戦略の議論に深く関与できないと感じていました。そこで「英語×IT×会計」という三軸を掛け合わせ、グローバル企業で唯一無二の価値を発揮できる人材になりたいと考えました。

②2020年に新卒入社し、簿記検定の勉強をしていましたが、コロナ禍で試験が中止になったことをきっかけに、さらに上位資格に挑戦したかったことです。簿記検定にとどまらず、より広範な会計・監査・企業法を体系的に学び、キャリアの可能性を広げたいという思いが強まりました。「どうせやるなら最難関を突破する」という挑戦心も後押ししました。

具体的な学習方法

私の学習テーマは「効率化」「記憶定着」「スキマ時間活用」でした。仕事をしながらの挑戦だったため、限られた時間を最大限に活かす工夫を徹底しました。

想起学習

暗記は「見て覚える」より「思い出す」回数を増やすことが重要です。私はTACのスマホアプリをフル活用し、テキストの重要論点を想起しました。アプリの問題を解く際は、必ず頭の中で答えを再現してから確認するようにしました。

さらに、模試後は間違えた論点を必ずミスノートにまとめることを習慣化しました。単なる解答解説の写しではなく、「なぜ間違えたのか」を主語にして記録します(例:「計算過程で前提条件を落とした」)。この“原因分析型”のミスノートを模試や答練前に必ず見返し、ノートを閉じた状態で想起することで、記憶を引き出す負荷をかけ、定着を強化しました。

スマホ学習(スキマ時間活用)

通勤時間や昼休みは、TACのスマホアプリでテキストや問題集を回すことに集中しました。また、講義音声をスマホに入れて移動中に耳で復習する“音声学習”も効果的でした。スキマ時間を「暗記と復習のゴールデンタイム」に変えることが、長期戦での安定感につながりました。

反復学習

記憶は一度覚えただけでは定着しません。私は「忘れかけた頃に復習する」仕組みを徹底しました。1日後→3日後→1週間後→1か月後という間隔で同じ論点を再学習させることで、記憶が長期間維持できました。
この“間隔反復”は、特に理論科目の暗記に効果絶大でした。単なる詰め込みではなく、時間を味方につける学習法を取り入れたことで、直前期に「忘れているかも」という不安が激減しました。

複数回受験と合格の決め手

私は3度目の受験で合格しました。初回はインプット過多で、答案作成に必要な「問いの分解」や「採点者目線の提示」が足りませんでした。3年目は以下を徹底しました。

  • 答練はスケジュール通りに必ず提出し、予備校の添削と質問ルームを併用。
  • 弱点ノートは“間違えた理由”を主語に記述し、原因別に対策を紐づけ。
  • 模試の偏差値50までの差分を分析(設問別得点・時間配分)。

直前期の過ごし方

直前期は「新しいことに手を出さない」「弱点を潰す」「本番をシミュレーションする」の3原則を徹底しました。

  • 新しい問題は封印:直前期に焦って新しい問題に手を出すと、理解が浅くなるだけ。私はテキスト・答練・模試の復習に絞り込みました。
  • 弱点潰しの集中砲火:ミスノートを毎日見返し、間違えた論点を“翌日答案で再現”するルールを継続。特に財務会計の理論は、声に出して説明できるレベルまで仕上げました。
  • 本番シミュレーション:模試は服装・食事・時間割まで本試験と同じ条件で実施。昼食の内容や休憩時間の過ごし方まで再現し、試験当日のストレスを減らしました。
  • 睡眠の確保:直前期ほど睡眠を削らないことを徹底。「寝ることも戦略」と割り切り、試験前夜は条文趣旨の音読10分だけで終了しました。

私のマイルール

  1. 毎日最低60分
    →「勉強ゼロの日を作らない」ことを厳守。短時間でも机に向かうことで、学習習慣が途切れず、モチベーションの維持につながります。
  2. 答案は結論ファースト
    →採点者は限られた時間で答案を評価します。結論を冒頭に置くことで、論理の道筋が明確になり、加点ポイントを取りこぼしません。
  3. 弱点は“TODO”
    →間違えた箇所を「恥」ではなく「改善の材料」と捉える。ミスノートに原因と対策を記録し、翌日必ず再現することで、弱点が強みに変わります。
  4. 模試は本番のリハ
    →服装・食事・時間割まで本試験と同じ条件で模試を実施。試験当日のストレスを減らし、集中力を最大化します。
  5. 他人比較より“昨日比較”
    →SNSや予備校で他人の進捗を見て焦るより、自分の成長率を指標化。「昨日より1問多く解けた」ことを積み重ねる方が、長期戦で心が折れません。

おわりに

会計士試験は、知識量だけではなく思考の筋肉を鍛える挑戦でした。合格はゴールではなく、学び続ける姿勢を担保するスタートラインだと思っています。もし、今学習が思うように進まない方がいても、弱点を克服し、アウトプットの量を上げることで、合格への距離は必ず縮まります。スキマ時間を味方につけ、想起と反復を組み合わせることで、働きながらでも合格は十分可能です。この体験記が、どなたかの“次の一歩”を後押しできれば幸いです。


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