わたしの独立開業日誌 #行政書士・くま


美容業界からのキャリアチェンジ

皆さま、はじめまして。
東京都内で行政書士をしております、「くま」と申します。
「くま」というのは、もちろんニックネームです。
本名のイニシャルがKMであることと、テディベアが好きなことに由来しています。

行政書士として開業する前は、美容業界に勤務し、そのほとんどは施術者として、お客様へ美容やリラクゼーションの施術を行ってきました。
癒しや非日常体験、ウェルネスを提供することを追求してきたという経歴を持ちます。

ここでは、私の独立開業について書かせていただきます。
行政書士として1年半程活動していますが、実質の稼働時間がまだまだ少なく、実務経験に基づく情報は少ないかもしれません。
それにも関わらず、このような機会をいただきましたことをこの場をお借りして感謝申し上げます。
行政書士試験に興味のある方や、独立開業に興味のある方にとって少しでもご参考になれば幸いです。

プロフィール画像

リーマンショックとコロナ禍、2回も会社都合退職の羽目に

長年勤めた美容業界ですが、本部ではなく、現場での仕事をしていました。
そして、不況の折には真っ先に影響を受ける立場でした。

2008年のリーマンショックの時には、世界最大手の外資系化粧品メーカーの正社員として、美容やリラクゼーションを提供するSPA施設で勤務していました。
しかし、不況のため、会社都合での退職を余儀なくされました。

2020年のコロナ禍の時には、美容皮膚科で正社員として勤務していました。
しかし、コロナ禍のあおりを受けてクリニックが閉鎖となり、またもや会社都合で退職をする羽目になりました。

美容や化粧品に関わる手続きや法令に興味を持ち、行政書士を目指す

景気の影響により、2度も退職を経験しました。
このことは、将来を考える大きなきっかけとなりました。

会社都合で退職するまでに、「次に何をするか」を考える時間がありました。
その中で、「国家資格を取得してみたい」と思ったこと、また、美容業界で正社員として働いていて、美容や化粧品に関わる手続きや法令に興味があったことから、行政書士を目指してみることにしました。

そして、退職した翌年、行政書士試験に合格しました。

社会人になると、勉強時間を捻出することがなかなか難しいですが、会社都合で退職して時間があったこと、コロナ禍で外出機会も減っていたことなどから、勉強するには好都合でした。

予備校の講義を受講しながら、約10か月で1,600時間勉強し、初学者ながら210点を獲得することができました。
これまでとはまったく違う分野で、合格率10%程度の国家資格を取得できたことは、大きな自信になりました。

コロナ禍の影響が残る中で、まずは兼業で開業

合格はしたものの、資格を生かして仕事するのかどうかは、正直に言って悩みました。

「経験のある美容系職種で再就職するか」「行政書士事務所に就職して働くか」「他の士業事務所に就職して、関連する仕事をするか」など、複数の選択肢を検討しました。
ただ、自身の経歴や年齢からすると、異業種への転職は不利だろうと予想できました。

「独立開業するか否か」については、さらに悩みました。
一口に行政書士といっても、その業務は幅広いです。
ただ、ある程度やってみたい分野が決まっていたのと、いずれは独立開業したいという気持ちがあったので、容易いことではないのですが「自分のできる範囲で始めてみよう」と考えました。
そこで、個人事業主として別の仕事をしながら、まずは兼業で開業することにしました。

独立開業にあたって準備したこと

行政書士の開業については資格が必要なため、参入障壁はあります。
一方、開業のコストは、他の業種に比べると抑えることができる方かと思います。
開業当初には、以下を準備しました。

・東京都行政書士会の登録費用(約30万円)と月会費
・業務専用の携帯電話本体の購入
・携帯電話回線契約
・固定電話番号とFAX番号契約
(03plusを契約、固定電話機がなくても携帯電話のアプリで受電/架電が可能。FAXはインターネットFAX)
・HP(レンタルサーバー契約・独自ドメイン取得)
・フリーメール以外のメールアドレス
・研修参加費用、セミナー聴講費用、交際費
・書籍代
・名刺代

開業準備期間から開業した年の12月末までに、かかった費用は上記トータルで100万円程でした。
自宅開業ではなかったので、上記のほかにレンタルオフィスの賃料等もかかりました。

事務所の営業戦略や方針をどう考えたか

開業地域が東京23区内で、多くの行政書士事務所があるため、取り扱い業務を絞ることにしました。

オンラインを活用し、仕事をしやすい補助金業務から開始しました。
自身のバックグラウンドを活用し、「美容業界に特化した補助金申請」という方針を取りました。
入り口は美容業界に関する補助金業務でしたが、現在は業種を問わずに対応しています。
BtoBが多いため、法人様の補助金申請のお話から、許認可に繋げることができています。

はじめにぶつかった壁

開業後、はじめにぶつかった壁は、「時間の使い方」です。

開業したばかりは行政書士としての仕事は少なく、営業活動に力を入れていました。
しかし、受任すると、不慣れな実務にかなりの時間を要しました。

実務に時間がかかると、今度は営業活動や交流活動などに時間を割くことが難しくなるという状態でした。
運転資金は潤沢には用意していなかったので、他の仕事で収入を得る必要がありました。
そのため、時間をどのように使うかについては非常に悩みました。

おわりに

未経験からの即独立でした。
「人脈も顧客もない」「経験もない」「すぐにできることもない」という、ないない尽くしの状況です。

あることと言えば、長年のサービス業で培った「よい雰囲気」だけでした。
お客様とのコミュニケーションにおいては、その強みを活かし、感じ良く対応することを心掛けました。

行政書士の業務では、お客様に動いていただいたり、書類を用意いただくことも多々あり、申請の流れを理解していただく必要があります。
相手にとってわかりやすい言葉を選んだり、相手にとってわかりやすい説明の順番を考えたり、相手の頭を整理する伝え方をするように工夫しています。

すると、ご依頼を完了後に、「対応が良かったのでまたお願いしたい」「他の仕事を紹介したい」と仰っていただいたり、声を掛けていただくことにつながりました。

もちろん、「感じの良さ」は、あくまでオプションであって、専門サービスを提供する側の本質ではないと認識しています。
申請内容の精度の高さ、スピード、効率化等、仕事の本質を向上する努力も継続していきたいと思っています。

<プロフィール>
くま

行政書士。
新卒時より、化粧品・エステ・ラグジュアリーホテルSPA業界にて勤務。
その後、美容皮膚科に入職し、美容業界で通算約15年の勤務経験を持つ。
2020年12月末コロナ禍の影響により会社都合退職。
2021年度行政書士試験合格。
2023年5月東京都内にて行政書士事務所を開業。
かねてより、美容業界に関連する手続き等に興味を持っていたことから、現在は美容関係の事業者の補助金業務に力を入れている。
X(旧Twitter):https://x.com/2021_bell


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