【編集部】
税理士試験まであと約2週間。本試験対策に余念がない日々なのではないでしょうか。
他流試合ができる唯一の問題集として毎年好評の『税理士試験 直前予想問題集』を、今年も瑞穂会(千葉商科大学)の現役受験生が解いたとのことで、早速お話を伺いました!
1回転目・2回転目の点数や、これから本試験までの対策などについてお聞きしているので、ぜひ参考にしてラストスパートをかけましょう!
<瑞穂会・現役受験生が解いてみた!>
聞き手:
渡邉 圭先生
(千葉商科大学准教授。基盤教育機構・「瑞穂会」所属)
お話を聞いた受験生:
・中谷希尋さん
千葉商科大学大学院2年生。日商簿記1級合格後、昨年、簿記論を受験し合格。今年、財務諸表論を受験予定。
・加藤幸斗さん
千葉商科大学4年生。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定。
普段解いたことのない問題への対応力がUP!
渡邉先生 例年、瑞穂会のカリキュラムでは、過去問演習の前に、『税理士試験 直前予想問題集』を解くようにしています。
今年も受験生が解いたので、その感想や手応えなどからこれから本試験までの対策を考えてみましょう。
では、まずは加藤さん、この『税理士試験 簿記論 直前予想問題集』を2回解いた「採点結果」を教えてください。
加藤さん 2回転した結果は以下のとおりです。
ネットスクール | 瑞穂会 | LEC | 学者×実務家 | |
1回転目 | 71点 | 74点 | 75点 | 73点 |
2回転目 | 81点 | 77点 | 79点 | 80点 |
渡邉先生 1回転目から高得点ですね。
普段の学習では、資格の大原やTACの市販されてる問題集が中心なので、それらの出題には少し問題慣れしているところもあると思います。
今回問題を解いて良かったところはどういった点ですか。
加藤さん 『直前予想問題集』には、普段解いたことがないような問題もありました。そういった問題への対策ができて良かったです。
渡邉先生 まさに、本書の表紙に書かれているような「他流試合」は普段の学習だけではなかなかできませんよね。
実際に直前予想問題集に掲載されている模試4回分の問題を解いて、一番解きやすかった回と、少し解きにくかったなという回はありますか。
加藤さん 解きやすかったのは瑞穂会の問題です。やはり渡邉先生と毎週学習の確認や雑談をするときに出題可能性のある問題について考えていたので、シミュレーションがうまくできました。
逆に、学者と実務家の問題は、見慣れないものがあったので難しかったです。
渡邉先生 学者×実務家の問題では特に第何問が難しく感じましたか。
加藤さん 第三問の総合問題です。
あまり見たことのない難しい論点があり、そうすると解く時間が必要になるので、時間が足りませんでした。
渡邉先生 なるほど。ちなみに、第三問の点数はどれくらい取れましたか。
加藤さん 第三問は1回転目も2回転目も37点くらいで、あまり変わりませんでした。
渡邉先生 合格ラインには達していると思うので、難しかったけど、取れるところを取るように調整して解けていたのでしょう。
「時間配分」と「できるところを取る」という意識
渡邉先生 1回転目と2回転目では解き方にも違いがあったと思います。加藤さんが、「時間配分」を意識し始めたのはどの時期からですか。
加藤さん 模試が始まった頃からです。一通り問題を見て、第三問が難しかったらそこに時間をかけるような時間配分を意識するようになりました。
渡邉先生 ちなみに、中谷くんは昨年、簿記論に合格していますが、直前期はどのような仕上がり具合でしたか。
中谷さん 僕の場合、ゴールデンウィーク頃の模試の点数は50点前後で、本試験までに70点に届くかどうか…という感じでした。
渡邉先生 簿記論の問題は、指導の経験上、難しい問題は合否に影響しないこともあります。それを踏まえて「できるところをしっかり取ろう」という勉強の仕方が求められます。簿記論に合格するためには必須の学習方法といえますね。
中谷くんは、その点を意識して直前期も勉強できたから、自己採点で合格ラインをクリアできたのではないでしょうか。
中谷さん はい。日頃から、基礎はしっかり押さえることを心がけて勉強しました。特に日商簿記1級の学習時から続けている「ケアレスミスノート」は毎日見返すようにしていました。
渡邉先生 そうですよね。
この『直前予想問題集』も、さまざまな難易度の問題があるので、例えば初学者にとっては基礎的な問題が、再受験の人にとっては難しい問題がちょうどよいでしょう。
そして、その中でも「点を取らなければならないところ」をきちんと取って、もし取れなかったらしっかり対策するという使い方をすると、本試験対策には十分だと個人的には思います。
今の話を聞いて、現役の簿記論受験生である加藤くんはどう思いましたか。
加藤さん やはり、模試を通しても、「基礎が取れなかったら厳しいだろうな」というのが身に染みて感じているので、残り約1ヵ月も基礎固めをしっかりしようと思います。
本試験までの課題
渡邉先生 最後に今、課題に思っていることはありますか。
加藤さん 「本番にすごく弱い」というのもあって、最近は少し電卓ミスも増えてきているので、とにかく焦らないようにしないといけないなと思っています。
渡邉先生 加藤さんには本試験までこの調子で進んでもらえればいいと思いますが、これからはそういったモチベーションの管理も大事になってくる時期なので、課題をクリアしながら合格を目指していきましょう!
それでは、次回は「財務諸表論」についてお話を伺います。
(財務諸表論編(明日掲載予定)へつづく)
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