滝沢凜(福岡大学助教)
【編集部より】
公認会計士試験の受験サポートに力を入れる大学が増えています。福岡大学会計専門職プログラムでも会計士受験業界を盛り上げるべくさまざまな企画を実施されています。今年3月には、現役受験生にもファンが多いタレント・河野玄斗さんを講師に招き、講演会(福岡大学会計専門職プログラム主催)が行われたとのこと。
憧れの人の話を聞いた参加者たちは、この講演会を機にどのような気づきを得たのでしょうか。そこで、現役受験生や合格者の方々にそれぞれの立場で感じたことを、滝沢凜先生に聞いていただきました!
<お話を聞いた福岡大学の学生(学年はインタビュー当時)>
vol.1:勉強を始めたばかりの大学1年生
vol.2:簿記1級や短答式合格者である大学3年生(5月10日掲載予定)
vol.3:公認会計士試験合格者である大学3・4年生(5月14日掲載予定)
福岡大学会計専門職プログラムは、公認会計士試験をはじめ司法試験や医師国家試験にも合格されたタレント・河野玄斗さんを講師にお迎えし、2024年3月14日(木)に講演会を実施しました。
<講演会講師・河野玄斗さんのプロフィール>
㈱Stardy CEO 河野塾ISM 塾長
1996年生まれ。東京大学理科3類に現役合格。在学中に司法試験に一発合格し、その後、医師国家試験や公認会計士試験にも合格。テレビ番組「頭脳王」連覇。YouTubeの登録者数は100万人以上。2022年12月にオンライン予備校「河野塾ISM」を開校。
約400人の大学生・高校生らが参加した河野玄斗さんの特別講演は、福岡大学生にどのような影響を与えたのでしょうか?
今回は、2023年9月に公認会計士試験講座を受講し始めたばかりの1年生(2024年3月時点)にインタビューを行いました。
講演内容で印象に残ったこと
滝沢 講演内容で印象に残ったことを具体的に教えていただけますか?
瀬戸 私は、特に印象に残ったことが3つあります。
1つ目は、終始仰っていた「覚悟が大事」ということ。受験をする上で持つべき覚悟は、「短答式に受かる」など、その時々によって違うと思いますが、ちゃんと覚悟とか目的意識とかというところを意識してこれから先勉強していこうと思いました。
2つ目は、3つの中でも一番自分に刺さったものでもありますが、「1週間後も解けるかどうかを意識した演習をすべし」ということです。
私自身、今まで結構「解説を見て解法をそのまま覚える」というような勉強をしてきましたが、河野玄斗さんは「次解くときにどのポイントを押さえればいいのかを言語化できるようにして、1週間後に解けるようにするべき」と仰っていました。
私はそういうやり方を今までやってこなかったので、早速試していて、以前の「解法を覚える」みたいな漠然としたやり方よりも、定着度が高まったなと感じています。 これはすごいなと思いました。
3つ目としては、全体的にお話を聞いていて思ったのですが、河野玄斗さんは特別な勉強法をしているわけではなくて、一般的に推奨されている勉強を地道にやっていたということです。
「当たり前のことをできるかどうか」が公認会計士の勉強において大切なのかなと思いました。自分もこれから勉強して行くうえで、ちょっと面倒だなと思うことも面倒くさがらずに、地道にその目的に向かって進んでいけるように取り組みたいと思います。
滝沢 ありがとうございます。わりと「王道の学習法」でも、「河野玄斗さんが言うと、心に刺さる」みたいなことはありましたか?
瀬戸 はい、本当に刺さりました。なんか説得力があって、グサッときて。
飯沼 私も、講演会で一緒に印象に残ったことは「覚悟」の話ですね。その中でも河野玄斗さんが言った「多少無理しろ」という言葉が一番印象に残っています。
今までは「一日ごとに自分の中でこのくらい勉強する」といったノルマを築いていて、そのノルマを達成したら、その日は勉強のことは何も考えないようにしていました。
でも河野玄斗さんの「多少無理しろ」という言葉を聞いて、これからは「もう一歩踏み込んだ勉強をしていこう」と思いました。
古賀 私も2人と一緒で、やっぱり「覚悟」の話がすごく印象に残っています。
これまで勉強していても、「自分が今、何のために勉強しているのだろう」とか思うことがあって、「こんなもんでいいかな」という具合に済ませてしまう時とかもありました。
しかし、今回お話を聞いて、「具体的な目標とか、覚悟を忘れずに取り組んでいきたいな」とすごく思いました。
滝沢 そもそも河野玄斗さんは、100万人くらい登録者のいるYouTubeで「公認会計士試験に合格する」と宣言していましたからね。 「覚悟」のレベルはおそらく並外れたものだったのだと思います。
そういう意味でも、直接お話を聞けたのは貴重な経験でしたね。
講演会後のモチベーション
滝沢 講演会のあった3月は春休み中で予備校の講義がたくさん入ってきて、しんどい時期かと思います。講演会の前と後とで、授業に向かうモチベーションに変化はありましたか?
瀬戸 私はモチベーションが段違いに変わりました。
滝沢 学習量でいうと、何時間ぐらい増えましたか?
瀬戸 前は一日の勉強時間として6~7時間みたいな感じでずっとやっていて、少ないことはわかっていたのですが、無理せず継続する方を優先したくて、増加に踏み切ることができずにいました。
講演会の後は、きっちり10時間以上できる日も増え、集中力も上がっているので、1日のこなせる量も変わり、勉強の質も上がったと実感しています。
今後の意気込み
滝沢 みなさんのこれからの意気込みを教えてください。
瀬戸 まず6月に日商簿記1級の試験があるので、それに合格するところから始めていきたいなと思っています。最終的には、今年の12月短答式に合格することが、今の1つの大きい目標なので、そのためにですね。
こうして講演会を聞いたことがきっかけで、学習量もだいぶ増えている実感があるので、このまま最後まで突き進んでいけるようにしたいと思います。
そして、来年、また福岡大学に河野玄斗さんが来られたときに「短答式合格しました!」と報告がしたいので、それも糧に頑張ります!
飯沼 自分は12月の短答式試験合格が目標なのですが、その前に5月短答式試験も受けるので、 それに合格するつもりで勉強していきたいなと思います。
そして、河野玄斗さんにサインをもらったのですが、「優心」という名前まで書いてくださったので、次に会う時には、 合格証書と一緒に「あの時の優心です!」という報告がしたいです。
そのために、これからも勉強を頑張ります!
滝沢 ちなみに、何にサインをしてもらったんですか?
飯沼 河野先生の本と電卓のケースです!
古賀 私も5月短答式を受けようと思っているので、そこに合格するぐらいの勢いで勉強して、6月の日商簿記1級にも勉強が間に合うように努力していきたいなと思います!
滝沢 みなさんしっかりと講演内容を吸収して、モチベーションを上げていることがわかりました。これだけ学生に刺さる講演、大学教員の自分としても改めて学ぶことが多いですね。
ありがとうございました!
(第2回:受験生(上級者)インタビューにつづく)
特別講演『公認会計士試験に挑む福岡大学生たちへ―河野玄斗の見た景色―』
・主催:福岡大学商学部 会計専門職プログラム(公式X @Fukudai_KAIKEI)
・企画協力:河野玄斗(公式X @gengen_36)、株式会社Stardy(公式ホームページ https://stardy.co.jp/)
・講演会のダイジェスト動画はこちら(YouTube「【公式】福岡大学会計専門職プログラム | 公認会計士」へリンク)
<執筆者紹介>
滝沢 凜(たきざわ・りん)
福岡大学商学部経営学科助教・公認会計士
2018年、早稲田大学4年次に公認会計士試験合格(5月短答式・8月論文式)。2019年以降、大学院に在籍しながら、有限責任監査法人トーマツ・パブリックセクター・ヘルスケア事業部において監査業務に従事(2022年9月まで)。2023年4月、福岡大学着任。同年8月、世界マスターズ水泳選手権2023九州大会出場。同年12月、公認会計士事務所タキザワプロ開業。