【税理士合格体験記】直前の全国模試はC判定 トライ&エラーを繰り返しながら「簿・財」に逆転合格!


脱GMKZ
(税理士法人勤務、30代)

合格科目:簿記論・財務諸表論(ともに令和3年)
学習スタイル:資格の大原(通信)

税理士を志したきっかけ

私はもともと、製造業を営む企業の営業事務に従事しておりました。

中小企業であったため、一般事務も含めて様々な業務を兼任していましたが、どれも専門性に欠けるものばかりで、やりがいを感じられずに過ごしておりました。

同時に、社内では一定の需要があるものの、社外で自分にどれだけの価値があるのか自問したり、中小企業故いつ倒産するかわからない状況下で、将来についても考えたりするようになりました。

そのような経緯から、少しでも手に職をつけたい気持ちに駆られ、就職前に取得していた簿記2級が活かせると思い、経理部への異動を願い出ました。

しかし、経理部の人員は十分に足りている。私の希望は儚く砕け散りました。

その後、簿記について調べると、簿記1級の上位資格として「税理士」の存在を知りました。

そこから「税理士」という職業を調べていくにつれ、税理士になりたい思いが高まり、税理士事務所への転職と税理士試験への挑戦を決意しました。

まずは「続けること」を目標に

働きながらの勉強は今となってはごく普通のことで、生活の一部と化してますが、当初はまったく勉強できませんでした。

今の職場は幸いにも資格取得を応援してくれるので、繁忙期以外は基本的に定時退社が可能です。

その環境を活かし、勉強の習慣化のために仕事終わりには必ず図書館に行くようにしました。家だと誘惑が多く、勉強に集中できないからです。

毎日図書館に通い、嫌々ながらでも勉強を続けると、徐々に勉強の習慣が身についていきます。

まだ勉強を習慣化できていない方は、まずは図書館や自習室に足を運んでみてはいかがでしょうか。必死に勉強している方が多いので、それにつられて自分も必然的に「勉強モード」になります。1日30分でも1時間でもいいので、一緒に勉強してみてください。

また、勉強しない日があってもいいと思います。惰性であっても、続けることを目標にすれば、いずれ勉強しないことに罪悪感を抱き、強迫観念に苛まれるようになります。そうなれば「習慣化」の証です。習慣化できれば、もう半分合格したようなものです。

しっかり勉強して受験する以上、誰しもが合格したいと願うでしょう。そうであれば、試験日が近づくにつれて、否が応でも勉強量が増え、長時間の勉強も最初は苦痛に感じても、いつの日か慣れて「ランナーズハイ」のような感覚に陥ります。直前期の私がまさにそうでした。

試行錯誤して辿り着いた最適な「理論暗記」法

長文の暗記がはじめての経験だったので、最初はブツブツとひたすら暗唱していました。

ただ、「覚えたと思ったら次の日には忘れている」という誰しもがたどる道を通り、これは暗記方法が悪いのではないか、と疑いを持ちはじめます。

そこで、合格者の暗記方法をネットで調べ、いろいろ試しました。

書く、パソコンでタイピングする、緑色のマーカーと赤色のシートを使う、自分の声を録音する、単語カードを使う、メモリーツリーを作成する、などなど。

しかし、どの方法で覚えようとも簡単に忘れてしまい、焦りを感じましたが、結局は「覚えて忘れて、忘れて覚えて」というサイクルを繰り返さないと記憶は定着しないのだと知りました。

要は「回転数」が重要です。そこで、効率よく回転できるのは最初に行っていた「暗唱」が最適と判断しました。

そして、ただいたずらに暗唱するのではなく、1日に覚える範囲を決めて、その日は一定の範囲を何回転もする方法にたどり着きました。

直前期に入った頃には、さらに工夫を重ね、覚えた箇所(○)、微妙に覚えていない箇所(△)、まだ覚えていない箇所(×)に分け、不安な△や×だけを回すようにし、苦手論点をつぶして全体を網羅するようにしました。

最初に暗記するときは机の前で時間をかけ、再び暗記する際は居眠り防止も兼ねて、散歩しながら行いました。室内で何時間も閉じ籠もって勉強していると憂鬱になるので、気分転換にも「暗記散歩」はオススメです。

仕事と勉強を両立するコツ

私は現在、税理士法人に勤務しているため、ゴールデンウィークまではそんなに勉強時間が取れませんでしたが、毎日の勉強は欠かさずに行い、1日のリズムだけは崩さないようにしました。

ゴールデンウィーク以降は5月申告があるものの、比較的に閑散期なので、平日は4~5時間、休日は14~15時間は勉強に励みました。それまで授業に遅れていたことや繁忙期があったことで、すべての勉強が後手に回っていたので、いわば「短期集中」です。

その間、私は本番の試験でまったくできなかったときのことや、税理士になったときの自分の姿を想像しながら、モチベーションを維持していました。

前者については、非常に惨めで情けない感情を覚えるので、「そうなりたくない」と思い、自ずと勉強の意欲がわいてきます。後者については、税理士になって成功すれば、自分はもちろん、家族も幸せにできると信じて努力しました。

仕事と勉強の両立の秘訣は、仕事のストレスを極力ためないことです。こう言っては、上司や所長の怒りを買うかもしれませんが、試験前には仕事は最低限だけにして、勉強を最優先させることが肝要です。

人間のキャパシティは限られています。仮に肉体的には両立できても、精神的にも仕事の負担を抱えてしまったら、必ず日々の勉強に支障を来します。職場に貢献したいのであれば、試験に合格してからでも十分可能です。

また当然のことですが、直前期には遊びに出かけないことです。長い勉強時間を確保すると、どうしても睡眠時間が短くなってしまいますので、睡眠をとることに精一杯で遊んでいる余裕などありません。

特に私の場合は、遊んだ後すぐに「勉強モード」に切り替えられない性質なので、その間は一度も飲み会などには参加しませんでした。

早朝に勉強する人にとって、飲酒は最大の敵です。早起きができないと、その日のすべてのリズムが崩れ、罪悪感に満ちた1日になるので、試験が終わるまではひたすら我慢していました。

最後に

私は理論暗記を始めたのが授業に追いついた2月以降からで、本番1ヵ月前の全国模試ではじめて初見の理論問題を解いた、というほどに勉強が遅れていました。

その全国模試の結果は簿記論がC判定、財務諸表論がB判定。到底、合格が期待できるものではありませんでした。

このような状態だったため、本番前は「簿・財W合格」なんて夢のまた夢。どうにか片方だけでも合格し、努力が1つの形となれば来年のモチベーションにもつながると思い、試験に臨んだことを覚えています。

勉強中も正直、合格は難しいと思いつつも、専門学校の先生の「最後まで諦めなかった者が合格する」、「初学者は最後まで伸びる」という言葉を信じて努力を続けました。

東京オリンピック延期の煽りを受けて、2年連続で試験が延期になったことも、私にとっては幸運でした。もし例年通りの日程だったら、確実に全滅だったでしょう。それだけ残りの1週間~10日前後で伸びたと感じます。

私から受験生にお伝えしたいことは、月並に聞こえてしまうかもしれませんが、最後まで決して諦めないことです。

合格体験記というと、往々にして、優秀な方が効率よく勉強して、順当に合格している印象が強いかもしれません。しかしながら、私のように、非効率的に勉強した者であっても、最後まで足掻いて勉強すれば、逆転合格も不可能ではないと伝えたいです。

私自身は今回、運よく合格できましたが、この運を手繰り寄せるのも、それまでの絶え間ない努力があってこそだと考えます。

今、思うように勉強が進んでいない方がこれを読んで、少しでも前向きになっていただけたら幸いです。

今年は例年より早い試験実施のため、残された時間も半年程度ですが、最後まで死ぬ気で頑張りましょう!


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