編集部
受験生の多くの皆さんは、なんらかの専門学校のテキストを利用されていると思います。
専門学校のテキストは、試験の傾向と対策を踏まえてつくられているので、非常によくできていることに間違いありません。
しかし、専門学校のテキストを一生懸命勉強しているけれどイマイチ理解が進まない、という方も多いかもしれません。
そんな方にオススメなのが、学者の執筆した入門書。
その理由は何か、財務会計を例にお話しましょう。
メリット1:全体像を把握できる!
近年、税理士試験・会計士試験ともに各科目の試験範囲が膨大していることも要因の1つではありますが、専門学校のテキストはいきなり何分冊にもなっていて、全体像を把握しづらいことも多いと思われます。
特に「1つひとつちゃんと理解できないと先に進めない」という真面目なタイプの方は、テキストの最初のほうの論点ばかり詳しくなってしまう事態に陥ることも多いですね。
そこで、あまりボリュームのない入門書を短期間で読んで、全体像を把握することをオススメします。
税理士・会計士受験生の皆さんは、最初に簿記を勉強されたと思いますが、最初は何をしているかわからず勉強していても、何回転かするなかで徐々に理解、マスターしていったという経験があると思います。
税理士・会計士試験科目もまったく同じですね。
メリット2:幹の部分が何かを把握できる!
本試験では、結構細かい論点まで問われることもありますので、ついそうした点に気をとられてしまうことも多いと思いますが、試験委員が受験生に問いたいのは「本質的な理解」です。
細かい論点は、本質的な点の発展、派生論点と捉えて勉強すべきだと思います(そのほうが、力技で暗記するよりも楽ですね、きっと・・・)。
入門書は、そのねらいや分量から、当該科目の幹となる部分に絞り込んで説明されています。
ですので、入門書で幹となる部分をしっかり把握したのち、専門学校のテキスト等で各論部分を学んでいくとより体系的な理解ができると思います。
メリット3:実は入門者だけでなく、勉強が進んだ人にも知識の整理に役立つ!
入門書は、学習のはじめに読むべきもので、ある程度勉強が進んだ受験生には関係ないと思われる人も多いかもしれません。
しかし、入門書は実は少し勉強が進んでいる受験生にこそ読んでいただきたいのです!
その理由は、近年さまざまな論点を横断的に問う出題も多く見られますが、学習が進んで知識が増えてきても、バラバラな状態では、これに対処することはできません。
そこで、ある程度学習が進んだ方が入門書を読むと、今までバラバラだった知識がつながってくるという効果があり、これにより理解が深まるのです。
まったくの私見ですが、ある程度知識のある方が定評のある入門書を読み直して、「この書籍はよい内容だな」と感じられたら、実力がついてきた証拠だと思います。
では、何をどう読むか?
まず、「何を」読むか?ですが、これは定評のあるものを読んでいただくとよいでしょう。
財務会計でいえば、以下の3冊をオススメします。
☆田中建二『財務会計入門(第6版)』中央経済社、2021年
☆新井清光・川村義則『新版 現代会計学(第3版)』中央経済社、2020年
☆桜井久勝・須田一幸『財務会計・入門-企業活動を描き出す会計情報とその活用法(第14版)』有斐閣アルマ、2021年
いずれも定評のあるものですので、安心して読んでいただけると思います。
また、「どう」読むか、ですが、短時間で一気に全体を読むことをオススメします。
ある程度勉強してきた方でしたら、1~2日で読めると思います。
なお、この時期だけでなく、ある程度知識がついてきた頃に、1日ぐらいでざっと読み返すと効果があるでしょう。
ぜひご活用ください!
◆本記事で紹介した本
『財務会計入門(第6版)』
【書誌情報】
著者:田中 建二
定価:2,860円(税込)
発行日:2021/02/26
A5判 / 276頁
ISBN:978-4-502-37831-7
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『新版 現代会計学(第3版)』
【書誌情報】
著者:新井清光・川村義則
定価:2,640円(税込)
発行日:2020/03/26
A5判 /340頁
ISBN:978-4-502-34641-5
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