【税理士試験】簿記未経験から合格! 直前期に成績を伸ばす答練「見直し」のポイント


舘田 怜奈

私は不動産会社で正社員として働きながら、令和元年に簿記論・財務諸表論、令和2年に国税徴収法に合格しました。(この4月からは大学院に通っています!)

簿記完全未経験の状態で税理士試験に飛び込み、はじめの頃は上位80%台の成績。全身に蕁麻疹が出るほどでした……。

そんな私でも、直前期の簿記論の模試では上位9%に入り、無事に合格することができました。


この記事では、成績がグッと伸びた直前期を振り返り、この時期に一番重要だと感じた、答練を受けた後の「見直し」をテーマにお話しします。

※ 会計科目(簿記論・財務諸表論)に絞ってのお話になります。

なぜ「見直し」が重要?

これから始まる答練期。多くの問題を解きますが、“見直しの重要性”に気づくことで、本試験までに確実に成績を伸ばすことができます。

なぜなら、答練を見直すことで、現状の自分に何が不足しているのかが浮き彫りになるからです。答練は、これを解決する絶好の機会!

「簿記論はとにかく量をこなせ!」とは誰もが言うことですが、ただ思考を停止して問題の量だけをこなしていては、結局は非効率で遠回りになってしまいます。

“徹底的な見直し”には、ある程度の時間を要しますが、私にとっては、これが点数に直結する一番の近道でした。

成績をアップさせる見直しの手順

見直しで一番大切なことは、間違えた“原因の追究”です。皆さんは、問題を間違えたとき、すぐに解説を見て「あ~こういうことだったのね!」とわかった気になってしまっていませんか?

私もはじめはそうでしたが、この間違った見直し法を改善したことで、冒頭でも述べたように、驚くほどに成績が上がりました。

ここからは、見直しの具体的な手順についてお話しします。

【ステップ1】答練を受け、間違いの把握→間違えた原因の追究

ここでの「原因の追究」とは、

① 転記ミスなのか?

② 取捨選択ミスなのか?(手をつけるべきではない問題だったのか)

③ 問題の読み取りミスなのか?

④ 理解不足によるものか?

などです。

このように、自分が「なぜ」間違ってしまったのか原因を突き止め、二度と同じミスを繰り返さないための対策を考えていきます。

【ステップ2】間違えた原因の追究→必ずテキストまで戻り、論点の基礎に立ち返って復習

ここで【ステップ1】の④に該当する場合には(私は間違いの原因の9割が④でした)、さらにもう一段階踏み込み、「どの論点のどの部分がわかっていなかったのか」まで追究し、基礎に漏れがないようにテキストでしっかり復習を行います。

ここまでしてはじめて「見直し」といえるのです。私は、20~30分で終えていた見直しが、この方法に変えてから2~3時間はかかるようになりました。

情報を1つにまとめて効率的に見直し♪

とはいっても、本試験までは時間が限られています。「そんなに見直しに時間をかけて大丈夫なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、たとえ見直しに時間がかかったとしても、効率的に成績をアップさせることができる方法をお伝えします。

そのポイントは、「情報を1つの教材に集約する」ということです!

これまで見直しの重要性をお伝えしてきましたが、せっかく時間をかけて見直しをしても、その内容を何度も見返さなければ効果は半減。

【エビングハウスの忘却曲線】でも証明されているとおり、人はいま得た知識を、1時間後には約60%、1日後には約70%、1週間~1ヵ月経つ頃には80%忘れてしまうのが現実です。

私は間違いノートを1冊作り、通勤時間などのスキマ時間に間違いノートを見るだけで、非常に効率よく見直しを行うことができました。

写真は、私の間違いノートの一部です。「チェック」や「要見直し」と目立つようにメモしておき、あとからすぐに見返すことができるようにしておきました。

【参考】見直しタイミングの目安

私が見直しを行っていたタイミングは次のとおりです。

・答練当日:時間をかけて120%の見直し(2~3時間)

・1日後、3日後、1週間後、2週間後、1ヵ月後に間違いノートで見直し(15~30分)

【エビングハウスの忘却曲線】に付随した話ですが、人は意味のあるものや重要なものほど記憶に定着します。そのため、答練当日に一度「徹底的な見直し」を行うことで、復習の回数を重ねるたびに知識が深く定着し、忘却曲線も緩やかになっていきます。

この方法で見直しを行った結果、徐々に点数も伸び、少しずつ見直し項目が減っていき本当に嬉しかったです!

ちなみに、間違いノートを見ていただいてもわかるように、私はボールペンやマーカーなどを使ってカラフルにまとめていました。参考までに、これがよく使っていた文房具です♪


いかがだったでしょうか。

ゴールデンウィークも過ぎ、本試験までは残り約3ヵ月ですね。ここからが勝負の分かれ目です!

現状の成績にかかわらず、ゴール(本試験)から逆算して計画を立て、最後まで自分を信じて諦めなければ必ず合格できます。

合格した先の明るい未来を想像して、最後まで頑張ってください!

試験が終わったら、思う存分遊べますよ♪ 心から応援しております!

この記事が、税理士試験を受験される方の一助となりましたら幸いです。


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