読書の秋!kazuさんがオススメする課題図書
- 2025/9/8
- 書籍・雑誌の紹介

【編集部より】
読書の秋。 「スキルアップがしたい!」、「キャリアやプライベートで新しい発見がしたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、本企画では、実務家などの読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「読書の秋の課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を順不同で掲載します・不定期)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
はじめに
みなさん、8月の試験、お疲れ様でした。
長く試験勉強に集中していると、頭の中が簿記や税法一色になってしまうと思います。
試験後には、簿記学習と実務をつなぐ書籍を読んでみてはいかがでしょうか。
私はkazuと申します。
経理→監査法人→内部統制担当という少し変わった経歴を持っています。
今回、「読書の秋に読みたい課題図書」をご紹介する機会をいただきましたので、他ではあまり見かけない「内部統制」に特化した書籍をご紹介します。
内部統制とは、簡単に言えば「会社の業務が法律や社内ルールに沿って、適正に行われるようにする仕組み」(会社法362条4項6号参照)です。
特に経理・会計では、業務の標準化や、想定されるリスクを評価して構築するチェック体制を指します。
例として、銀行振込業務における「誤った金額を振り込むリスク」に対して「振込データ作成者と承認者を分ける」などがあります。
ここからは、レベル別におすすめの内部統制書籍をご紹介します。
オススメ図書①『フローチャートでわかる 経理・財務 現場の教科書』(𠮷田延史著、中央経済社)
こんな方向け:
経理部門・会計事務所1~2年目、簿記学習中心で実務はこれからの方
おすすめポイント:
・薄く読みやすく、初心者に最適
・簿記と実務の橋渡しになる
・フローチャートで関係者やルール違反がイメージしやすい
オススメ図書②『業務をまるごと見える化する 経理・財務のフローチャート40』(菅信浩著、中央経済社)
こんな方向け:
経理全体像を把握したい方、標準的な管理方法を知りたい方
おすすめポイント:
・①より広く深い内容で全体像がつかめる
・「売上債権年齢表」や「実地棚卸実施報告書」など具体的な帳票例付き
以降は、上場企業向けJ-SOX(金商法による内部統制報告制度)に特化した本です。
オススメ図書③『今から始める・見直す 内部統制の仕組みと実務がわかる本(第2版)』(浅野雅文著、中央経済社)
こんな方向け:
上場企業や子会社でJ-SOX評価業務に携わる方
おすすめポイント:
・監査法人の視点や効率化のヒントが満載
・2023年改訂対応、注意点や課題も掲載
オススメ図書④『ここから始めるIPO・内部統制の基本<第3版>』(日本経営調査士協会監修 株式会社AGSコンサルティング/合同会社JMCA編、中央経済社)
こんな方向け:
J-SOXの全体像を理解したい方、IPO企業や新任担当者
おすすめポイント:
・試験用ながら実務にも役立つコンパクトなまとめ
・各統制の概要や留意点のさわりの部分などがわかりやすく書かれている
以上、おすすめ書籍の紹介でした。
ダブルチェックなどは日常的に行われていますが、リスクを意識して行うことで、何を確認すべきかが明確になります。この秋はぜひ、内部統制本を手に取ってみてください。
【執筆者紹介】
kazu
経理担当から監査法人での財務諸表監査を経て、現在は内部統制担当をしている公認会計士。
X(旧Twitter)→ https://x.com/kazu27511059?s=21
note → https://note.com/light_koala225