
Akko(税理士)
【編集部より】
税理士試験まであと少し。本企画では、『税理士試験全11科目のすごい勉強法』の執筆陣からの応援メッセージを掲載します。
こんにちは、Akkoです。毎日暑いですね。
いよいよ夏の風物詩、税理士試験が目前に迫ってきました。今年もこの季節がやってきましたね。
受験生の皆さんの緊張した空気に触れるたび、受験生だったあの頃の自分を思い出します。
この時期はどうしても神経が敏感になりがちですが、最初にお伝えしたいのは「税理士試験は、努力が報われる試験」だということ。
運がまったく関係ないとは言いません。
でも、多くの人が試験後に「あのとき、もう少し頑張っていれば」と思うのがこの試験です。
あと6日。まだ合否は決まっていません。
理論が不安でも、計算に手ごたえがなくても、直前に見た論点が本試験で出題されることだってあります。
学習が計画通りに進んでいなくても、決して諦めず、最後まで粘り強く学習を続けてくださいね。
今回は、私が受験生だった頃の試験直前の過ごし方をご紹介します。少しでも参考になれば嬉しいです。
試験前々日までの過ごし方
私は社会人受験生だったのですが、試験6日前には試験前休暇をいただき、朝から晩まで勉強漬けの日々でした。
この時に大切にしていたのは、「本番に向けて体を慣らすこと」です。
具体的には、試験と同じ時間に2時間の問題を解き、起床や食事の時間も調整していました。
たとえば、「この時間に起きると頭が冴えるな」とか「朝ごはんはこの時間だと集中しやすい」といった感覚をつかんでいました。
生活リズムを整え、試験当日に良いコンディションで臨めるよう準備していたのです。
お仕事などで休みが取りづらい方も、試験前の土日を活用して「本番を想定した1日」を体験してみてはいかがでしょうか。それだけでも十分、安心材料になりますよ。
試験前日の過ごし方
前日はどうしても落ち着かず、勉強に身が入らないものです。
私も例外ではなく、ネガティブな気持ちに引っ張られがちでした。
そこで私は、「試験会場の下見」と「間違いメモの作成」を試験前日のルーティンにしていました。
会場の下見では、当日の移動ルートや到着時間をシミュレーションし、試験前に待機できるような周辺のカフェの有無なども確認していました。
その後は、今までの答練などで間違えた論点やケアレスミスを「間違いメモ」にまとめます。
これは本試験で同じ失敗をしないためのチェックリストです。
私はポストカードサイズの厚紙に箇条書きで書き出し、当日の試験直前まで確認をしていました。
このような単純作業は、緊張で落ち着かない時にもできるものですし、試験当日の不安を軽減してくれるものでもあります。
前日の過ごし方に悩んでいる方は、ぜひ取り入れてみてください。
試験当日の過ごし方
試験当日は、意識してかなり早めに会場最寄り駅に着くようにしていました。
朝9時から試験が始まる科目を受験する年は、朝5時台に到着していたこともあります。
電車の遅延などを心配するくらいなら、早めに動いて心を落ち着ける方が自分には合っていたからです。
早く着いたら、下見の際に見つけていたカフェやネットカフェなどで最後の確認を行います。
この時間は詰め込みというより本試験に向けたいわばウォーミングアップのようなものでした。具体的には計算問題は基礎的なものに絞り、理論は全体的にざっと見直すスタイルでした。
この時ですが、特に「出てほしくないなぁ」と感じる論点こそ重点的に確認してください。
不思議と、嫌な予感は当たったりします。
実際、私は本試験前に出てほしくないと感じた論点が出題されたことがあります。
結果的に合格だったからよかったものの、ずいぶんヒヤリとしましたし、きちんと確認しなかったことを後悔しました。
SNSとの付き合い方と、3日目受験の方へ
また、この時期はSNSとの距離にも注意が必要です。
他人の投稿で不安になったり、焦ったりするくらいなら、思い切って試験が終わるまでSNSを閉じてしまうのも一つの方法です。
この時期に大切なのは、メンタルの安定です。
少しでも心を乱す要素とは距離を取りましょう。
特に、3日目に試験がある方は注意してください。
受験生の多くは1~2日目で試験を終えるため、SNS上では2日目終了と同時に「お疲れさまムード」が漂います。
その空気に引っ張られてしまうと集中力が切れてしまうこともあります。
SNS上の空気がどうなろうが、あなたの試験は終わっていません。
他の科目の出題内容など、気になることも多くあるかもしれませんが、自分の試験が終わるその瞬間まで気を抜かないよう意識してください。
最後に
税理士試験は、長くて孤独な戦いです。ですが、税理士という資格はあなたの人生を大きく変えてくれるはずです。試験まで、あと少し。一分一秒を大切に、どうか悔いのない夏にしてください。
心から皆さんの合格を祈っています! がんばれ、受験生!
【著者プロフィール】
Akko
税理士
高校卒業後紆余曲折あるも、たまたま拾ってくれたIT企業に勤めている中で会計に興味を持つ。日商簿記2級を取得後会計事務所に転職。いくつかの職場を転々としながら試験勉強を続け2021年官報合格。現在は事業税の知識を活かすため上場企業で税務担当として勤務しつつ副業で税理士として開業。また資格予備校で事業税の講義を担当する。天性のジョブホッパーでありファーストキャリアは宅配ドライバー。
著書に、『税理士試験全11科目のすごい勉強法』(共著、中央経済社)がある。
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