税理士試験までカウントダウン!カズメロさんからの直前応援メッセージ


カズメロ(税理士)

【編集部より】
税理士試験まであと少し。本企画では、『税理士試験全11科目のすごい勉強法』の執筆陣からの応援メッセージを掲載します。

はじめに

皆さん、こんにちは。カズメロ@開業税理士です。

私は、『税理士試験 全11科目のすごい勉強法(以下、『すご勉』と呼びます。)』執筆の後、勤めていた企業を退職し、令和7年2月に税理士事務所を独立開業しました。

今回「税理士試験直前!応援メッセージ」なる企画を頂き、受験生の頃を振り返りました。

私が税理士試験を受験したのは、平成24年~令和4年の計11回となります。
11回もあれば、いろいろな試験前の過ごし方を経験しているわけで、成功もあれば失敗もありました。
今回はそれらを包み隠さずご紹介しますので、皆さんの税理士受験の一助となれば幸いです。

失敗談 ~前泊~

受験初期は、自宅から1時間圏内の試験会場でしたが、会場と目と鼻の先にあるホテルに前泊し、受験当日を迎えていました。特に、簿記論・法人税法・国税徴収法といった、午前9時開始の科目を受験される方にとっては、朝がゆっくりできるので有効な手段かと思います。

しかしながら、私の場合、前泊は失敗でした。と言うのも、いつもと違う環境に浮かれてしまい、勉強に集中できず、また中々寝付けずに、睡眠不足となってしまいました。

結局は、いつもと同じ環境で過ごすのが私には合っていたようです。

失敗談 ~参考書を大量に持参~

これは、上記の前泊とも関係しているのですが、ホテルに宿泊するとなると、試験直前に参照したい参考書は、自宅からホテルまで持参する必要があります。受験当初は、前日に何を参照して良いか分からず、予備校の参考書をとにかく鞄に入るだけ詰め込んで大量に持参していました。

しかしながら、試験前日に大量の参考書を見られるわけもなく、余計な重たい荷物を無駄に背負っただけとなりました。

合格した年は、試験会場に持ち込む参考書は必要最小限でした。

成功談 ~試験会場の下見~

私の場合は試験1か月前ぐらいに、実際に公共交通機関を使って試験会場まで下見をしに行っていました。訪れたことのない街だと、電車の駅の乗り換えや、駅の出口で迷うことが多々ありました。これが本試験当日だと余計に焦ってしまいます。そこで、下見をしておくことで、本試験当日に迷うことがなくなり、落ち着いて試験会場に向かうことができます。

また、下見の段階で、試験直前までの勉強場所も確保していました。

緊張を和らげる方法 ~試験前に簡単な計算の過去問を解いてみる~

本試験で難しい計算問題にあたると緊張感もあってかフリーズしてしまいがちです。特に久々の計算問題だとその傾向が強いです。

そこで、私は、本試験当日に今まで解いたことのある簡単な計算問題を一題解いていました。本試験当日に解くことで、解答の感覚を身体に叩き込み、また簡単な問題で自信につなげることで、本試験という緊張の場面でも落ち着くことができ、難しい問題にあたっても冷静に対処し、解答することができました。

緊張を和らげる方法 ~他人のボロボロの理論テキストに圧倒されない~

試験会場に到着すると、多くの受験生が参考書を片手に追い込みをかけています。税法科目の場合は、他人がボロボロになった理論テキストを読み込んでいます。当初はそのボロボロ具合に圧倒され、「この人たちより勉強量が負けているのでは」と勝手に劣等感を抱いて余計に緊張感を増していたものです。

しかし、ふと思いました。私はしっかり勉強したけど、理論テキストはとてもきれいです。私の場合は、「クリアカバーをつけていた」「手書きのオリジナル理論を用いて暗記を進めた(『すご勉』参照)」ということもあり、理論テキストの破損や汚れはほぼありませんでした。つまり、理論テキストを丁寧に扱っていれば、試験直前までしっかり勉強してもきれいなままなのです。ですので、他人のボロボロの理論テキストは、単に雑に扱っているだけと確信し、むしろきれいな理論テキストで優越感に浸ることで緊張を和らげていました。

私のベストプラクティス

『すご勉』や上記の内容を踏まえて、私が合格した時の試験前・試験当日の過ごし方をまとめてみました。

試験1か月前~1週間前

・試験会場の下見をする

試験1週間前~前日

・新たな知識を増やそうとしない(今ある知識を本試験で確実に引き出すことに注力する)

・理論はとにかく回す(強弱はつけるが、どの理論が問われても最低限書けるようにする)

・計算は過去問をひたすら解く(本試験の形式に慣れて、本番で緊張しないようにする)

・前泊せずに、いつもの環境(自宅)で試験前日を過ごす(遠方の方は前泊してください)

試験当日

・試験会場に持ち込む参考書:理論テキストのみ(私はオリジナル理論のみ)

・試験直前に簡単な計算問題を1題解く

・きれいな理論テキストで優越感に浸る

・理論は最終確認程度、新たな理論を覚えようとしない(結局覚えられないため)

おわりに

極論、いつもの勉強や答練の延長線上として、同じ感覚で本試験を受験できれば、いつも通りの実力が発揮できると経験上思います。税理士試験まであと一週間を切りました。今日まで充分に勉強されてきたことかと思います。本試験までは、今まで学習した知識を100%引き出せるように、計算は速く正確に解く練習を、理論は回転数を増やして多くの理論に触れることを心掛けてみてください。

ここまで私のメッセージを見てくれたみなさんが税理士試験で良い結果を得られるよう、応援しています。

【プロフィール】
カズメロ(丸尾和之)

税理士
大卒後情報システム会社でSEとして勤務するが、独立志向の強い友人達に触発され、自身も手に職をつけて彼らを支えたいという想いから税理士を志し、税理士法人に転職。中小法人・個人の税務会計の実務を経験。
その後大手グループの経理シェアード会社へ転職し、税務担当として大法人の源泉徴収事務、国際税務、消費税、事業所税、税務勉強会講師等に従事。
2022年11月官報合格(簿・財・消・所・住)、2023年9月税理士登録を経て、2025年2月に大阪府茨木市にて「北摂マルニー税理士事務所」を独立開業。


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