わたしの独立開業日誌 #行政書士 武田嘉昭
- 2025/6/26
- 独立開業日誌

トラックドライバーから行政書士へ!
皆さん、はじめまして。
和歌山県の橋本市で行政書士をしています武田嘉昭と申します。
ここでは、私が行政書士を開業するまでの経緯や、どういった勉強の方法で行政書士試験に合格することができたか、また開業後の業務内容についてご紹介させていただきます。

27年間大型トラックや大型トレーラーのドライバーとして現場で働く
私が行政書士になるまでの経緯は、行政書士としては非常に珍しいタイプではないかなと思います。
高校を卒業後に自動車免許を取得してすぐにトラックドライバーとして働き始めました。
小さい頃からトラックが好きだったので、ドライバーの仕事は充実してやりがいのある仕事でした。
最初は小さな2トントラックを乗務することからスタートし、様々な免許や必要な資格を取得し大型トラックや大型トレーラーのドライバーとして27年間「現場」で働きました。


特殊車両通行許可証を通して行政書士に興味を持ち、45歳で挑戦を決意!
大型トレーラーで重量物を運搬していたときに、会社から「特殊車両通行許可証」という分厚い許可証の束をトラックに積んでおくよう定期的に渡されており、この許可証の申請を「行政書士」に依頼しているという話を会社から聞きました。
その話が、「行政書士」というキーワードに興味を持つスタート地点だったと思います。
その後の数年は相変わらずドライバーとして全国を走り回っていましたが、45歳になって何か新しい事にチャレンジしてみたいと考えるようになり、以前に特殊車両通行許可申請で聞いた「行政書士」という資格を調べることにしました。
その中で学歴などは特に要件に含まれておらず私にも受験資格があることを知り、資格取得を目指してみようと決意しました。
トラックドライバーならでは勉強法で一発合格!
行政書士試験の勉強方法は、トラックドライバーならではの方法を使いました。
通信講座を受講し、車庫を出発してから帰るまでの間、ひたすら講義を運転中聞き流し、待機時間や休憩時間に演習問題を繰り返す。
これを1年続けることで1回目の受験で合格することができました。
受験勉強などもほとんどしたことのない私の人生の中で一番勉強した1年間だったと思います。
社会人で新たに資格を取得しようとすると、勉強時間の確保が難しいと感じることが多いと思います。そういった点では、仕事時間を勉強時間にも使えるトラックドライバーは恵まれていたといえるのかもしれません。
合格後すぐに開業、キーワードは「現場力」!
合格後はすぐに開業する選択をしました。
開業して3年で結果が出なければ、またドライバーに戻ろうと決めて開業しました。
行政書士の仕事は何万種類もあると言われていますが、私が選んだ業務はもちろん「特殊車両通行許可申請」と「運送業各種許認可」です。選んだというかそれしか選択肢がなかったというほうが正解かもしれません。
開業後の営業でのキーワードはドライバーとしての「現場力」としました。
ドライバー経験があるということは「特殊車両通行許可申請」では有効でした。
道に詳しい、トラックの構造に詳しいからです。
まさに「現場力」です。
メールの打ち方がわからないなどの苦労も!
でも「現場力」では対応できない壁にも直面しました。
どのような文面にすればよいかがメールを使ったことがほとんどないのでわかりませんでした。
検索に「メールの打ち方」と入力してお客様にメールを作成しました。
名刺の渡し方も動画で予習してからお客様と打ち合わせをしました。
「ビジネスマナー」を知らないことは独立開業した時に本当に苦労した点の一つです。
慣れない許認可申請も最初は苦労しました。
初めての運輸支局に提出した認可申請は、表紙以外の申請書は全部差し替えの補正指示を受けるというものでしたが、それでも運輸支局の方に何度も電話し、何度もメールのやり取りをして申請が受理され、無事に認可されました。
おわりに
行政書士として業務をしていくうえで、大切なのはレスポンスだと思います。
業務についての知識はもちろん必要ですが、全ての行政の手続きについて把握して理解することは困難です。
しかし、お客様はともすれば「行政書士は行政への手続きについては何でも知ってる」と思っている方もいらっしゃるように感じます。
お客様の問い合わせで、自分の専門分野以外や知らない点があったとしても「すぐにお調べします」と返答して各方面に問い合わせ、できるだけ早くお客様に回答する、また専門分野の行政書士や他士業をご紹介する、これができるとお客様の信頼を得ることができ、そうなると依頼も自然と増えてきます。
今は「運送業専門の行政書士」として、運送会社などから研修講師として呼んで頂く機会も増え、顧問契約を頂けるようになり、運送業以外の業務もご相談・ご依頼もいただけるようになりました。
「現場力」は健在で、大型トレーラーの「連結検討書の作成」「基準緩和申請」など、マニアックな専門分野にも事業拡大をしています。
自分の好きなトラック・運送業に「行政書士」として関われる日々は充実しています。
行政書士は、できる分野が広いので、たくさんのチャンスがありチャレンジができる資格だと思います。
私もまた運送業を軸にしながら、新たな分野にチャレンジできればと考えております。
[プロフィール]
武田 嘉昭(たけだ よしあき)
27年間、トラックドライバーとして運送会社に勤務。
2023年5月TAKE行政書士事務所を開業。特殊車両通行許可・運送業各種許認可をメイン業務にする。
保有資格 行政書士 運行管理者 第一種衛生管理者 大型免許 牽引免許 大型特殊免許 クレーン運転士