わたしの独立開業日誌 #行政書士 高橋健治
- 2025/6/12
- 独立開業日誌

介護タクシー営業許可専門行政書士として大阪で活動
はじめまして、大阪府守口市で行政書士を開業しています高橋健治と申します。
2020年に行政書士試験合格、2021年4月に行政書士登録をしましたが、そこから2年ほどサラリーマン兼業をしていました。
サラリーマン時代、兼業時代と順風満帆とはいかず、浮き沈みの少ない停滞期ばかりの人生ですが、その乗り切り方や兼業から本業への移行の仕方など、皆さまの参考になればと思います。

氷河期世代。非正規雇用で資格取得を考える
就職氷河期で定職に就けないまま、非正規でウェブサイト運営業務に従事していました。
30歳には正社員に就きたいと思い、奮起して転職活動をするものの、方向性が定まりません。
「なにか資格を取ろう」と書店に行き、行政書士という資格を知りました。
ただ、この時はすぐに勉強をスタートせず、「就職出来たら空き時間に取る候補」にしておきました。
リーマンショック後に営業職に就く
若いころからインドア派(現在で言うところの陰キャ)で、コミュニケーションが苦手でした。
浅知恵で「簿記や経理等の事務系へ進めば人と関わらずに済むのでは?」と考えましたが、奇しくも2008年リーマンショックの時期。
事務系の募集が見事に一切ありません。
ハローワークで担当になったおじさんには、「経理や事務なんてそのうち機械に取って代わられる、営業は機械に取られる事はないだろう」と営業職を勧められました。
リーマンショック後でも、営業は募集がありました。
そこで、ハローワークの帰りにブックオフで営業の本を2,3冊買って帰り、30社の面接に挑みました。
そして、1社だけ受かった会社で営業をすることになりました。
「もし、将来行政書士で独立するにしても物を売る力は必要だろう」「行政書士でダメになっても営業職経験があれば食いっぱぐれはないだろう」という目論見でした。
今でも、親身に相談に乗ってくれたハローワークのおじさんには感謝しています。
この就職時に「営業3年やれたら独立を検討しよう」と決意していましたが、結局、12年続けました。
ブラック化する会社…そして転職
リーマン直後に入った会社は、入社直後はそうでもなかったのですが、人が減る度にブラック化していきました。
営業マンは自分の営業エリアを受け持ちますが、この会社を辞める直前の私の担当エリアは、近畿・中国・四国・九州、ほぼ西日本全域となっていました。
半月ほど出張で西日本一周して帰って来るような仕事で、勉強時間など到底取れません。
それでも、6年ほど働きましたが、諸々の理由で再度の転職を決意しました。
2015年の転職活動時、履歴書には「営業経験6年」と書けました。
当時はアベノミクスの恩恵もあり、ほぼ定時退社の会社に転職することが出来ました。
行政書士の試験勉強に本腰を入れる
転職活動中も含めて時間が出来たので、行政書士試験の勉強に本腰を入れることにしました。
2016年あたりからYouTubeで行政書士関連の動画が増え始めていたので、通勤・営業移動時間に耳で学習、アウトプットはアプリの問題集、記述対策は条文の写経をしました。
独学だったので4年かかりましたが、2020年に無事合格することが出来ました。
HPに介護タクシー営業許可の記事を100本書く
1年間の準備を経て、2021年4月に行政書士登録をしました。
この時点で結婚をしていました。
結婚前から配偶者には「いずれ独立をする」と言ってはいましたが、責任もあります。
「ある程度お客さんがいる状態で脱サラしよう」と決め、ホームページ集客に取り掛かりました。
ホームページであれば、仕事が終わった後にも作ることが出来るからです。
当時、先輩行政書士が行っていたセミナーに参加したところ、「業務を絞ってホームページに100記事書け、そしたら何かしら来る」という格言を頂きました。
まずは業務を絞らなければならないのですが、経緯あって「介護タクシー営業許可」を選び、100記事書くことにしました。
半年程度かけて100記事書きましたが、50記事を超えた辺りからアクセスが増え、マイナーなワードでなら上位に入るようになりました。
兼業しながら集客を続け、軌道に乗せて完全独立
受験生時代は、YouTubeで試験対策の音声を聞いていましたが、合格・登録後は集客をしなければなりません。
耳学を集客の勉強に変えました。
YouTubeでSEO、ランディングページ、ウェブライティング等の動画をダウンロードし、通勤中、営業移動中、休日のウォーキング中等に聞き、ホームページ上で実践しました(今でも継続中!)。
ホームページ集客は始めてから集客が軌道に乗り出すまで順調でも半年~1年かかります。
同期の先生方が着々と受任や業績を増やすのを尻目に、売上0という日々が続きました。
それでも、めげずに続けました。
初めて依頼の電話がかかってきたのは、ホームページに記事を書き始めて1年後です。
(2021年の行政書士登録から、軌道に乗らなかったホームページを潰したりもしていたので、初受任まで計算すると実際は2年かかっています。)
初受任は他都道府県の方からでしたが、幸い私の活動圏内でしたので、迷わず受任しました。
ホームページ集客が軌道に乗ってくると、受任件数も増えてきました。
そこで、配偶者を説得し、会社に退職願を提出しました。
もちろん継続して受任できる保証はありませんが、ある程度受任件数があることが安心材料にはなってくれたようです。
これから
現在、ホームページを2本運営しています。
・介護タクシーなどのニッチ業務を深堀りするホームページ
・自動車や運送などのメジャー業務を手広く書くホームページ
AIの台頭などで、「検索による集客は下火」と言う意見も散見されますが、AIも結局は人の作ったホームページを引用しています。
今後はAIから参照されるホームページを目指してさらに精度を上げていきたいと思います。
事務所の方針は、「一点突破の後、徐々に横展開」です。
介護タクシー、運送業、自動車業務を中心に、少しずつ横展開を増やしていこうと考えています。
元来オタク気質なので、ゼネラリストよりスペシャリストのほうが向いていると思います。
介護タクシーを始めとする運送業のスペシャリスト、かつ、ホームページ集客のスペシャリストを目指して、しばらくの間はこれらの深堀りを進めて行きたいと考えています。
さて。
今後、ホームページだけでなくアナログ営業も取り入れるかと言われると答えは「ノー」です。
12年間営業職に就いていて思ったのですが、私は営業があまり好きではありません(笑)。
【プロフィール】
高橋健治(たかはし・けんじ)
大阪府守口市。昭和54年生まれ。
高校卒業後、東京へ移住。流通での事務作業で作業効率化を、ITサイト運営で一通りのIT基本技術を身につける。30歳の頃リーマンショックによる不況の煽りで帰阪。この頃より独立志向を持ち始め、ITから一転メーカーの営業職に就く。電話や現場での難解な工具や機械の説明を得意とし、お客様が納得して頂く事に楽しみを覚える。40歳、かねてより勉強していた行政書士試験に合格。開業へ。行政手続きの専門家として、介護タクシーの開業、運営に力を入れている。
趣味はツーリングで、愛車スーパーカブ(現営業車)で、長期休暇があれば北海道から鹿児島まで駆け回って景色の写真を撮っている。
事務所ホームページ:https://office-takahashi.online/
https://office-takahashi.online/shako.office-takahashi.online/
X:@offitaka04510