わたしの独立開業日誌 #行政書士・寺島由佳
- 2025/5/8
- 独立開業日誌

神戸で開業5年目!戸籍に強い行政書士として
皆さまはじめまして。
兵庫県神戸市で行政書士をしている寺島由佳と申します。
契約社員の仕事を続けつつ、2021年1月1日に行政書士に登録をしました。
現在は5年目です。
未経験で開業した私の紆余曲折を経て現在に至るまでをお話させていただければと思います。
同じような状況の方が少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

ライブ三昧の20代。30代で行政書士を目指す
母の影響で、私は学生の頃からずっとライブが好きです。
ロックもクラシックもアイドルも、音楽のジャンルを問わずとにかく生の音が好き。
さらに、お芝居もお笑いも好きなので、我が家には、行く予定のチケットが常に複数枚ありました。
20代は、がむしゃらに働いて、がむしゃらに趣味を満喫していました。
今思い返しても、本当に充実していて楽しかったです。
しかし30代になると、「いつまでもこういった生活を続けていくのは難しいのではないか」と考え始めました。
実を言えば、もっと前からうっすら考えてはいました。
ただ、自由な働き方を失う恐怖から、考えるのを先送りにしていたのです。
いよいよ覚悟を決め、自身の今後を真剣に考えたとき、まずは母に相談しました。
こういったことは人生の先輩に聞くのが1番です。
母の回答は、「資格や!時代は国家資格やで!」「なんでもいいから国家資格を取れ!」というシンプルなものでした。
素直に「そうなのか」と、資格紹介本を手に取って一つひとつ仕事内容や条件等も調べながら、何を自分がやりたいかどうかじっくり考えました。
そして、かなり分厚いその資格紹介本から選んだのが行政書士でした。
初学者には想像以上に難しく、4度目で合格
行政書士試験を受験することを決めたものの、法律については全くわかりません。
そこで、独学ではなく予備校に通うことにしました。
初回の講義で、「第三者への対抗要件は登記です」と言われ、「第三者」も「登記」もわからず、初日で辞めたくなったことは今でも忘れられません。
しかし、お金を払ってしまったので、もう後には引けません。
ちなみに、この数か月後に、人生で初めて登記簿謄本を手にする機会がたまたまあり、「これが登記簿か!」と知ることになりましたが……。
そんな状態で試験勉強を開始し、とにかく「全て」に苦労しました。
それでも、自分で決めたことですから、途中でやめるという選択肢はありません。
とにかく続けること、間違えたらここで間違えたとテキストの該当箇所に書き込んでいくこと、過去問を解くときは理由まで考えることなど、講師に言われたことを忠実に守りました。
そろそろ不合格報告が辛くなる…と考えていた4回目で合格。
心の底からほっとしたのを覚えています。
周囲には隠さず公言していたので沢山の方が一緒に喜んでくれたことが1番嬉しかったです。
オタク気質が幸いし、戸籍にハマる。セミナーを開催するまでに!
予備校に通うにあたり、それまでの不規則な勤務形態の仕事から、決まった時間に勤務する仕事に転職をしました。
転職先では、戸籍を集めて相続人を調べるという仕事を担当しました。
住所と本籍の違いも知らなかった私にとって、かなりハードな仕事でしたが、やっていくうちに人生の縮図のような戸籍に、すっかり魅了されていきました。
元々オタク気質なので、好きになったら一直線。
その結果、戸籍の読み方だけに特化したセミナーを開催するまでになりました。
過去2回開催したのですが、準備の大変さとアウトプットの難しさを超えるやりがいがありました。
今でもその資料を活用していただいている方もいるそうで挑戦してよかったです。
開業準備段階として始めたX(当時はTwitter)でも、「戸籍を読むのが趣味だ」とツイートしていたところ、「戸籍の人」と覚えていただけたりもしました。
発信は苦手な方も多いと思いますが、私はXで沢山の素敵な方々に出会うことができました。
これから開業される方も是非発信することをお勧めしたいです。

開業の壁
私のような素人がいきなり経営など始めてもうまくいくわけがないとわかってはいたのですが、現実は想像以上に色々な壁がありました。
帳簿のつけ方や手引きの内容を理解するのも大変です。
また、初めての「ないこと証明」で手書きの文字がそのまま反映されて驚いたり、1人で毎日大慌てでした。
責任も重く、何度も心が折れました。
歩みがあまりに遅くて自分でも笑ってしまうほどですが、一つひとつ経験を重ねました。
そのおかげで、契約社員の期間満了までに素敵な同期の仲間に出会うことができ、業務の面白さに気づけました。
今は続けることの大切さを実感しています。
戸籍が好きだったから出会えた改葬許可申請という業務
開業当初、平日は兼業で戸籍を読む仕事をしたので、自然と相続関係が主な業務になりました。
「しかし相続だけでは…」と模索した中で見つけたのが、改葬許可申請です。
聞き慣れないかもしれませんが、お墓の引っ越しでも、墓じまいでも、今あるお骨を他に移すときに必要な許可です。
改葬許可申請は、相続手続きの中で依頼されて初めて知った業務でした。
手続きのため現地へ向かった際に、依頼者の隣のお墓が無縁墓状態だったのが私の印象に残っていました。
また、無事に改葬が終わると、「これで長年の肩の荷が下りた。本当にありがとう」と、依頼者から大変感謝されました。
これらをきっかけに、「きっと同じようなお墓の問題に悩む方が沢山いるのだろう」と、解決のためのお手伝いがしたいと考えるようになりました。
現在では、近隣の司法書士の先生とタッグを組み、遺言書作成時等に祭祀継承のお話から改葬の依頼があればお手伝いさせていただいています。
また、遠方の不動産業者さんから依頼されることもあり、今後の需要の拡大を実感しています。
これから
現在は、改葬許可申請や相続関連はもちろん、宅建業免許に関する申請や帰化申請など、多岐にわたる依頼に一つひとつ丁寧に向き合っています。
依頼の多くは、事務所近くの事業者の方、もしくはその知り合い、コロナ禍の支援金関連でお手伝いした方など人との繋がりでいただいています。
本当に人に恵まれていて幸運だなと思っています。
今後もいただいたご縁に感謝しつつ、歩みが遅いなりに確実に前へ進んでいきたいです。
取り留めもない私の体験記を、ここまで読んでくださりありがとうございます。
もし、何か残るものがあれば嬉しいです。
【プロフィール】
寺島 由佳(てらしま ゆか)
1983.4月生まれ。
生まれも育ちもずっと神戸で地元大好き。
趣味はライブとお散歩、時々タロット占い。
2021年、兵庫県神戸市にあるJR元町駅前にてらしま行政書士事務所を開業。
頼んでよかったと思っていただけるよう日々奮闘中。