
はじめに
さて、繁忙期も終わり、気付けば直前期の足音が聞こえてくる今日この頃。
皆さま、理論暗記の進捗はいかがでしょうか?
これから本腰を入れて着手しようとしている方も、ここまで順調に暗記を進められている方も、様々いらっしゃることと思います。
早期に『理論暗記法』を確立できれば、あとはそれを本試験までひたすら繰り返すのみ。いかに早く『自分の型』を確立できるかによって合否が決まるといっても過言ではありません。
そこで今回の連載は、私自身が家族に内緒で税理士試験に挑戦していたとき(詳細についてはコチラ)に研究した10種類の『暗記法』を、ビジュアルを用いて余すことなくお届けいたします!
きたる直前期に向けて、自分にピッタリの『暗記法』探しに、今までの『暗記法』の振り返りに、ぜひご活用ください。
「第1回 なぜ理論暗記法が重要か?~『量』と『質』の関係について~」はコチラ
暗記法を整理してみると…
次の表は、私自身が試したことのある『暗記法』を整理したものです。
独断と偏見で、それぞれにスコア(総合評価)を付しています。
採点基準は「定着率」「回転率」ともに10段階評価で、「定着率」は★1つ2点、「回転率」は★1つ3点の50点満点です。
また、従来のインプット重視の暗記法を『伝統的暗記法』、インプットとアウトプットを組み合わせた暗記法を『シン・暗記法』と表現ています。
それでは、『伝統的暗記法』と『シン・暗記法』を紹介していきましょう。
やや大げさではありますが、名付けて『理論暗記法大全』です。
私が採用した暗記の進め方については、次回第3回で紹介します。
ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

伝統的暗記法

一番オーソドックスな暗記法です。
白紙に手書きで理論を書き写しながら覚える方法で、記憶の「定着率」は高いですが、手書きゆえに手が痛くなったり、「回転率」が上がりづらいところに難あり。

理論の文章を声に出して覚える暗記法です。
「定着率」「回転率」ともに及第点のバランスの取れた方法といえます。手元が空くので、家事やランニングなど、身体を動かしながらの学習にも適した方法です。

こちらも、従来からある暗記法の一つです。
理論CDなどの音源や、ご自身の声をICレコーダーなどに録って、耳で聞きながら覚えるお手軽な方法。
ただし、集中していないと「やったつもり」になる危険性があるので要注意です。

声に出さず黙々と理論を読んで覚える暗記法です。
「回転率」が最も良い方法で手軽さは群を抜きます。
ただし、『リスニング』同様、集中していないと「やったつもり」になる危険性があるので要注意です。

すでにある程度、暗記が完了していることが前提の暗記法です。
初見の理論では難しい部分もありますが、一度 『暗唱』ができてしまえば、「定着率」「回転率」ともに高いと考えます。
『暗記精度』の維持に適した方法です。
シン・暗記法

Wordやメモ帳などに打てる環境であれば取り入れる余地のある暗記法です。
キーボードで打ちながら覚えるという特性上、「回転率」という点で、手で書いて覚える『書き出し』のデメリットを補った方法といえます。
また、アウトプットしながらタイピングの練習にもなるので、理論を覚えたころには、タイピングスキルの向上も期待できます。

直前に読んだ文章を頭の中で記憶し、数秒おいた後に何も見ないで声に発する暗記法です。
伝統的暗記法である『音読』の要領で、声に発するタイミングをディレイ(遅延)させるイメージで進めると良いです。
タイミングをディレイ(遅延)させることで脳に記憶をとどめられ、アウトプット効果を最大限に引き出すことができる方法です。

文章を見ながら音声も聞いて、その音声に合わせて音読をする『リスニング』から派生した暗記法です。
英語学習でよく用いられている方法で、文章の節やリズムをとらえながら暗記する方に向いています。
「聞く(インプット)」と「話す(アウトプット)」を同時にできるため、学習効率の良い方法です。

文章をポストカードで隠しながら読み、引っかかった部分はポストカードをズラすといった要領で、極力頭の中の文章を思い出しながら読み進めていく暗記法です。
『黙読』の手軽さのまま、アウトプット要素も取り入れた暗記法ですが、集中していないと「やったつもり」になる危険性があるので要注意です。

暗記した文章を、相手に伝えるように説明口調で声に発する暗記法です。
イメージとしては『暗唱』した文章を相手に説明するように声に発することで、頭の中の断片的な記憶が整理され、内容理解向上も同時に期待できます。
説明する相手は人でなくても良く、ぬいぐるみなどでも代用可能です。
番外編

文章の一部をゴロ合わせで暗記する方法です。
『理論暗記』をする際には、特に使う場面は少ないですが、計算式や数値を覚える際に有用な暗記法といえます。

カードを束ねた単語帳で繰り返し問題と答えを反復することで記憶する暗記法です。
長文を暗記するのには適しませんが、用語の意義などの単語を覚える際にはお手軽な方法といえます。
【著者プロフィール】
HAL|税理士×クリエイター
東京都出身。法人顧問は受けずに租税教育及び個人に特化している異色の税理士。
小学校などで子どもたちへ『税』について伝えたいと思い税理士になる。合格科目は、簿財所消国。プライベートでは2児の父。税理士試験受験のことを家族に内緒で学習を進め、無事に官報合格。その後、税理士登録の数日前に妻に税理士になることを打ち明けた。
子どもたちへの租税教育推進に寄与すべく、通年で小学校等にて実施される『租税教室』の講師を積極的に務めている。現場での『租税教室』のみでは児童への租税教育の機会が不十分と考え、児童向けのWebサイト『HAL-LABO』(https://hal-labo.com)を開設。
クリエイターとしては、デザイン、ライティングなど、多岐に渡る。