税理士試験対策で首都圏と地方で格差はある?ベテラン講師の分析


大原愛媛校で脅威の合格率を記録!

はじめまして。
河原学園大原簿記公務員専門学校愛媛校教頭として勤務する西野義次と申します。
愛媛に勤務する前は、大手専門学校(資格の大原グループ)関西圏で簿記・税理士試験講座を指導し多数の合格者を輩出してきました。

さて、税金のスペシャリストである「税理士」は超難関国家資格の1つです。
令和5年度の税理士試験から会計必須科目(簿記論・財務省表論)の受験資格が撤廃され、日商簿記1級合格や経理実務経験が不要となり、現役高校生や大学生等が早期に税理士試験を受験できるようになりました(だだし、税法科目については、従来通の受験資格が必要)。
それに伴い、税理士試験を受験する学生(大学・専門学校)が、増加傾向にあります。

そのような中、令和6年度第74回税理士試験では、私の勤務先の愛媛校で驚異の合格率を記録しました。
業界内で非常に話題となりましたので、本稿では、首都圏(大阪)と地方(愛媛)両方で指導を経験した私が、分析をしたいと思います。

■会計科目(簿記論・財務諸表論)
愛媛校合格率64.9% (受験者37人 合格者24人)
全国平均合格率 13.3%

■税法科目(法人税法・相続税法等)
愛媛校合格率 30.8%(受験者13人 合格者4人)
全国平均合格率 13.7%

そもそも、税理士試験の合格者の属性は…?

令和6年度「税理士試験学歴別合格率状況 」
学歴要件で受験資格を満たす人が大半(令和6年度税理士試験)

税理士試験の受験者・合格者の属性をまとめました(資料1・資料2)。
資料からわかるように、税理士試験合格者は、必ずしも高学歴というわけではありません。
高校卒業後に企業に就職しながら専門学校・通信教育で学習し3年から10年で合格している受験生が多いのです。

学歴重視ではなく、経理・税務実務を問われる試験だと言えます。

大学生在学中の合格率は高いですが、これは、4年間という学習年数を有効に利用して、大学近隣の資格学校に通学して、長期の夏休み・冬休みに集中して学習をしているのでしょう。

なぜ大原愛媛校で合格率が高かったのか?

さて、上記の通り、私の勤務先の愛媛の専門学校の税理士試験合格率は、全国税理士試験平均合格率を遙かに上回りました。

これには、以下の要因が考えられます。

・「資格の大原」の教材・カリキュラムで指導しているので、都心と地方で差がない
・地方の専門学校なので、理解できるまで、少人数でマンツーマン指導がしやすい
・常に担当教員が職員室に待機して、学生の相談に親身に対応しているので、教員と学生の距離が近い

地方でも、不利ではない!

「地方在住だから、税理士試験に挑戦するのは難しいかな」

そのように悩む方もいるかもしれません。
しかし、この時代、首都圏の税理士試験受験生より不利になることはないと思っていただいて大丈夫でしょう。

合格に必要な条件(レベルの高い講師による指導・使用できる教材・学習しやすい環境等)が揃えば、全国合格率を遙かに上回る合格実績が出せる事からも、それは実証されています。

格差はありません。
どんどん挑戦して、地方経済に貢献できる税理士になっていただけたら、と思います。
応援しています!

【執筆者紹介】
西野義次(にしの よしつぐ)

河原学園 大原簿記公務員専門学校愛媛校教頭(資格の大原グループ) 大原簿記公務員専門学校 愛媛校|修学支援制度 認定校
1964年生まれ、大阪経済大学卒業後、資格の大原(関西圏)簿記・税理士講座の専任教員として、多数の合格者を輩出し人気講師となる。2001年より専門学校教員の傍らお笑い芸人(漫才師)として活動しM-1グランプリにも参戦、2回戦まで進出し、テレビ出演を果たす。現在は、河原学園大原簿記公務員専門学校愛媛校教頭として、勤務している。


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