
もりゆー(30代)
<受験情報>
合格科目:簿記論(令和6年合格。3回目の受験)/財務諸表論(令和5年合格。1回目の受験)/国税徴収法(令和6年合格。2回目の受験)
学習スタイル:簿記論(令和4年独学、令和5年スタディング、令和6年大原)/財務諸表論 (令和5年スタディング)/国税徴収法(令和5年スタディング、令和6年TAC)
▶トップ画像は絵馬(本人提供)
子どものために税理士を目指す
税理士を目指したのは、子どもが生まれて、「子どものためにできることは何でもやってあげたい」、「子供が何不自由なく暮らせる環境を作りたい」と思ったのがきっかけです。
数多ある資格の中で税理士を選んだのは、学生時代に簿記を学び得意意識があったこと、また、現職では税金の徴収業務を担っていて、国税徴収法に僅かながら関わりがあったからです。
「自分が税理士として独立できれば、子どもが大きくなって、万が一社会から脱落してしまっても、自分の元で働きながら税理士を目指せるだろう」と思い、まずは自分が税理士になることを目指すことにしました。
国税徴収法の勉強法:完璧を追い求める覚悟が大事
簿記論と財務諸表論の合格体験記は溢れていると思うので、ここでは、あえて国税徴収法に限定して書きたいと思います。
大前提として、予備校のカリキュラム通りに学習を進めたうえで、直前期の答練では100点を取ることを常に目標にしていました。
これは、税法受験者のレベルの高さ、国税徴収法の試験範囲の狭さから、本番では1つのミスが命取りになると危惧したからです。
結果的には、全4回の答練うち、1回目が100点(上位8.4%)、2回目が91点(同26.5%)、3回目が96点(同5.3%)、4回目が100点(同11.9%)でした。
この通り、100点でも上位10%程度、1つミスがあるとガクッと順位が落ちることがわかります。
カギとなる理論暗記については、とにかく毎日読むことを意識しました。
完全に覚えていなくても毎日読むこと、とにかく多く触れることを意識しました。
直前期までは、カリキュラムに合わせた新規理論の暗記を、直前期以降は、新規理論の暗記に加えて再暗記の作業をひたすら繰り返しました。
最初は1週間に1回転、次は3日で1回転、最終的には2日で1回転まで進めました。
結果的にトータル30回転しましたが、ここまでやればさすがに脳内に叩き込まれます。
家事、育児、通勤等隙間時間もフル活用し、常にダブルタスクを心掛け、理論暗記に徹しました。
個人的に最も暗記が捗ったのはランニングです。
ランニングマシンに理論集を起き、毎日1時間程度走りました。
ランニングのメリットは、スマホをいじらなくて済むことです。
すぐにスマホをいじってしまう自分を強制的に律することができました。
計算については、講義の内容を理解したうえで、予備校の問題集や答練を一通り解くことで、十分対処できたと思います。
その他、個人的に取り組んだ学習は、『国税徴収法精解』(大蔵財務協会)という書籍の読み込みです。
この書籍には、条文だけでなく、その趣旨まで丁寧に書かれています。
近年の問題では、条文の趣旨を問う問題が多く出題されています。予備校の講義の中では、到底全ての趣旨を取扱うことはできません。
そこについては、この書籍を読むことでカバーしました。
実際に令和6年の本試験では、第一問-問1-(1)で条文の趣旨を問う問題が出題されました。
これは、講義では取扱っていないものだったため、多くの受験生が激しく動揺したと思います。
それでも、私は問題なく回答し、いい流れのままその後の試験に臨むことができました。
また、過去問については、何周もすることで、ある程度まで回答ができる水準までは仕上げました。
当然、理論集に掲載されていない理論が出題された年もありますが、その理論は理論集に書き足し、追加で覚えました。
このように妥協をせず、完璧を追い求めてようやく合格が待っているのだと思います。ここまでやることで、他の受験生がどこを得点し、どこで躓くのかが必然的にわかってきます。ここまで仕上げたからこそ、落ち着いて本試験に臨めたのだと思います。
座右の銘:2位は負けの代表
「2位は負けの代表」、これは、学生時代の恩師から言われた私の座右の銘です。
勝負事の世界では、頑張ったとか惜しかったとかそんなことは何にもなりません。
2位も最下位も敗者という意味では一緒なのです。
これを税理士試験に当てはめると、不合格は未受験と一緒ということです。
いくら努力しようが、たとえ59点だろうが不合格は不合格です。
私は、簿記論も国税徴収法もあと数点足りずに不合格を経験しています。
応援してくれた家族に不合格を伝える時の申し訳なさや情けなさは言葉になりません。
点数にすれば数点の差だとしても、そこには計り知れない差があります。
税理士試験において、不合格者には何も残らないのです。努力や過程が評価される甘い世界ではありません。合格か不合格かなのです。
これを常に肝に銘じたことで、常に自分自身を追い込むことができ、合格まで辿り着くことができたと思っています。
おわりに
税理士試験なんて、自分1人では間違いなく合格はできませんでした。
もっといえば、挑戦さえしていなかったと思います。
実は8年前、妻から「税理士って稼げるみたい。私にはできないけど、あなたならできると思うから、税理士を目指して欲しい。」と言われたことがありました。
当時は「何を言っているのか。税理士なんて無理に決まっている。」と笑って受け流していましたが、結果的に自分の意思で税理士を目指すことになったのだから、人生はわからないものです。
私にとっては、家族の支えがあってこその受験生活でした。
妻は家事も育児も積極的に引き受けてくれましたし、休日の外出も我慢してくれました。
「落ちたら絶対に許さない」と妻なりに僕のことを思って?プレッシャーをかけてくれました。
2人の子どもは可愛くて仕方ないです。
勉強が辛い時に子供の笑顔を見ると「まだまだ頑張らないと」と自らを奮い立たせることができました。
2人のためにかっこいい父親でありたいという思いは、日に日に大きくなるばかりです。
将来、家族で税理士事務所を経営することができたらどれほど幸せかと今から楽しみでたまりません。そんな日を夢見て、引き続き精一杯の努力を続けていきたいと思います。