奥山結紀(公認会計士)
<連載のねらい>
簿記検定・会計士・税理士試験をクリアする、また実務を行うには、一定量の知識は必要不可欠です。しかし、レベルアップするほど範囲が広くなり、応用的な論点も増えるため、単なる暗記による知識だけで乗り切ることは難しいでしょう。
では、どうすればよいでしょうか?
本連載では、やさしいレベルではあるものの、「なぜそうなるのか?」を考えなければ解答できないような問題を用意しました。受験・実務を問わず、理解を重視するきっかけにしていただければ幸いです。
・本連載「プロローグ」はコチラ
問題
「満期保有目的の債券も時価で評価される可能性はある。」
・〇(正しい)
・✕(誤り)
解答
〇
解説
簿記学習の進捗度によって解答が分かれそうな問題ですね。
満期保有目的の債券は、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券のことです。通常、取得原価で評価し、その後は償却原価法に基づいて貸借対照表価額を計算します。
ただし、発行会社の財政状態の悪化により時価や実質価額が著しく低下したときは、いわゆる減損処理をしなければなりません。
債券がデフォルトしたときに取得原価のままというわけにはいきませんね。
【執筆者紹介】
奥山結紀(おくやま ゆうき)
公認会計士
2003年公認会計士第2次試験合格後、約2年の事業会社勤務を経て、大手監査法人勤務。ロンドン駐在やフォレンジック部門(不正調査など)も経験。一般事業会社に転職ののち独立。
X(旧Twitter:@CPA_YukiOkuyama)では、主に会計に関する情報を発信。フォロワーとの交流を楽しんでいる。