🌻夏休みに読みたい! じゅんしさんがオススメする課題図書📚


【編集部より】
受験生にとっての夏休みが到来しました!  「スキルアップがしたい!」、「キャリアやプライベートで新しい発見がしたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、本企画では、実務家などの読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「夏休みの課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を順不同で掲載します・不定期)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、じゅんしさん(公認会計士)に課題図書をお薦めいただきました!

8月の各種試験を受験された皆さん、お疲れさまでした!
試験に向けた追い込みと本番を終え、結果発表まで不安ながらも一息つける時期ですね。

「夏休みの課題図書」ということで、これまでに読んだ本の中で印象に残っているものを会計学分野の専門書、実務書、会計に関係のない本からそれぞれ1冊ずつご紹介します。

オススメ書籍①『詳解「討議資料・財務会計の概念フレームワーク」』(斎藤 静樹 編著、中央経済社)

日商簿記1級や会計士試験で学ぶ「財務会計の概念フレームワーク」(以下、概念フレームワーク)について、審議に関わった学者の方々によって書かれています。項目ごとに分担して書かれており、基本的には各項目を深堀した解説書ではあるものの、所々に各先生方の主張も散りばめられており、論文集のような本です。

私がこの本を読んだのは会計士試験の予備校を申し込む前、会計士試験を視野に入れつつ簿記1級を勉強していた頃です。簿記1級のテキストを読んでいると「概念フレームワーク」なるものが出てきたのですが、それまで計算問題しか目にしたことがなかった私にはとても新鮮で、「もっと深く解説している本はないのかな」とAmazonを探索し、この本に出会いました。

概念フレームワーク自体が会計における重要な概念や財務報告の意義を定義づけるものであること、国際的な会計潮流に対する日本の立ち位置を示すものであることから、今思えば会計学の理論を学習しはじめた頃にこの本を読めたことは非常に大きかったです。会計学や基準設定に対する諸先生方の熱い思いも読み取ることができ、より深く会計を理解しようと思うきっかけになりました。

同時期に岡本清先生の『原価計算』(国元書房)も読んでいたのですが、この2冊が私の会計観の基礎になっています。

オススメ書籍②『CFOのためのIT利活用の強化書』(あずさ監査法人 編集、中央経済社)

こちらはバリバリの実務書です。「CFOのための」と銘打っており、経営管理のためのシステム構築やデータの整備・活用、ITを活用した管理業務の効率化等が詳述されていますが、一方で販売・購買・在庫・原価計算等のあるべき情報の流れや内部統制等にも相当紙幅が割かれており、特に監査に関わる方々にもお勧めです。

今日の企業活動において、膨大な量の取引を処理し適時・適切に決算を行うためにはITの利用は不可欠ですから、内部統制の理解のためには本来ITシステムの理解が必須です。にもかかわらず、会計システムのあるべき形について解説している書籍は少なく、監査法人に入所した際に何から手を付けていいかわからない状態でしたが、そんなときに出会ったのが本書でした。

内容は少し高度で、実務経験がない方や浅い方には読みづらいところもあるかもしれませんが、座学と実務のギャップを埋めるという点でも有用だと思います。実務経験が豊富な方にも読み応えのある1冊です。

オススメ書籍③『人生の短さについて 他2篇』(セネカ著・中澤 務訳、光文社古典新訳文庫)

セネカは1世紀のローマの哲学者・政治家で、執政官まで務めた人物です。『人生の短さについて』は人々の時間の扱い方について、多忙な人間がいかに人生を浪費しているか、真の閑暇を得て人生に向き合うとはどういうことかを説いています。

学生時代に読んで「こういうふうに生きたいなあ」と思った記憶があるのですが、今回この企画のお話をいただいたことをきっかけに再読し、当時の感覚をすっかり忘れてしまっていることに気付かされました。

おそらく多くの現代日本人、特に会計業界で働かれている方とは価値観が大きく違うでしょうから、この本に書いてあることが正しい、こう生きるべきだ!などというつもりはありません。ただ、日々忙しく過ごしているからこそ、仕事や人生に向き合うことはどういうことかを考えるきっかけになると思います。

同じ本に収録されている『心の安定について』も名著です。どちらもそれほど長くなく非常に読みやすく訳されているので、一読してみてはいかがでしょうか。

【執筆者紹介】
じゅんし

公認会計士
大手監査法人勤務。新卒で一般事業会社に入社し経理部門に配属され、公認会計士試験の学習をはじめる。専念期間を経て令和4年度公認会計士試験に合格し、実務補習所を短縮して令和5年度修了考査を受験・合格。
・twitter(@junshi_networth
・note(https://note.com/junshi_networth

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