【新連載】会計脳を鍛えるミニテスト20〜プロローグ


奥山結紀(公認会計士)

【編集部より】
来月9月2日(月)から、新連載「会計脳を鍛えるミニテスト20」がスタートします。普段、簿記・会計の問題を解く中で、少し違う角度から問われると解答に迷う瞬間があったり、実務で仕訳を考える時にちょっと考えてしまったりすることはありませんか。
一見、難しくなさそうなのに、でも迷ってしまう…というポイントを強化すると、さらに「会計脳」が鍛えられるはずです! 本連載では、そんな問題を、Xで「会計テスト」を出題する公認会計士の奥山先生に出題をしていただきます。
今回は、新連載のプロローグとして、奥山先生の素顔に探ります!

Xで話題「会計テスト」の出題者・奥山先生ってどんな人?

皆さん、はじめまして! 公認会計士の奥山結紀です。
2003年に公認会計士第2次試験に合格し、気がつけば20年以上が経ちました。時が経つのは本当に早いものです。

簡単に経歴を紹介しますと、合格後、LEC東京リーガルマインドに就職し、2006年から始まる新試験制度に向けたプロジェクトメンバーとして、財務会計論・管理会計論の講座企画や教材制作に携わりました。実は、LECでの経験をXでの「会計テスト」の作問に活かしています。

その後デロイトトーマツに入社し、会計監査やフォレンジック(不正調査やその後のリカバリー支援など)の分野で働きました。15年ほどの在籍中、2011年から2013年にはロンドンに駐在し、現地メンバーとともに法定監査業務などを遂行しました(2012年に開催されたロンドンオリンピックは現地で観戦することができました。趣味の1つが旅行なのですが、駐在期間中に30ヵ国を旅してきました!)。

デロイト卒業後にBPO事業を営む会社に就職し、人材育成や採用にも関与しました。その過程で、経理を中心としたバックオフィスサービスを提供する人材に必要な知識・能力とは何かを考えるようになり、スキル測定のための検定試験も制作しました。

現在は監査法人の運営に携わりながら、税理士法人などで働く方々の成長をサポートするような仕事もしています。

Xで「会計テスト」をはじめとした学習に役立つ情報を発信中! 

2022年6月から始めたXですが、おそらくこれまで1日も欠かさずポストしてきました。継続は力なり! 後述する試験の学習過程、学習におけるテクニック、読書ノートを紹介したり、会計テスト(投票)や会計ラジオ(スペース)といったコンテンツもつくったりしてきました。

会計ラジオは、会計士同期の西山さん(にっしー)と毎週土曜の夜に50回以上開催してきました。「会計」にかこつけて、おじさん会計士ふたりがただただ雑談するだけですが(笑)。オフ会も5回開催しました。リスナーさんとリアルに話せるのは嬉しい。現在も不定期ではありますが、ときおり土曜の夜に出現しています。ちなみに録音もしているので過去分は視聴可能です!

Xで発信中の「会計テスト」は、会計基準や各種試験の過去問などを参考にして作成しています。範囲は少しでも「会計」に関連していればOKぐらいの設定です。税法や英文会計に関する問題も出したりしました(英語問題は投票数が一気に減ってしまいます(汗))。

リプ欄や引用ポストを通じてフォロワーさんとリアルなやり取りができるのは楽しいです! 会計ラジオでにっしーとその週に出題した問題の感想戦をしたのも面白かったですね。

資格・検定試験の分析

最近の簿記検定は昔よりも難しいという話を聞いたことはありませんか?
私自身、バックオフィスサービスの知識面から考察するために、既存の試験を分析しました。具体的には主に以下の検定や資格を対象にしました。

  • 日商簿記検定
  • ビジネス会計検定
  • 給与計算実務能力検定
  • FASS検定
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 中小企業診断士

いくつかは実際に受験してみました。給与計算に関しては専門分野ではなかったのですが、労務分野の検定を経験してみたかったので、ゼロから学習しました。

資格受験日合否得点
日商簿記検定2級2022/11/20合格94/100
給与計算実務能力検定1級2022/11/23合格94/100
ビジネス会計検定1級2023/3/12合格165/200

実務との差異はもちろんあるものの、どの検定もよく作られているのだなと改めて認識しました。基礎的な知識があれば、それに基づいて実務でも正しい処理を自ら考えることができるのだと思います。検定や資格には当該分野の基礎力があることと、一定の知識ハードルを越えるための努力をしたこと、あるいは努力ができることの証明としての意味がありますね。

学習や受験を通じて、現在の求職者の方がどのぐらいの努力をされてどの程度の知識を得てきたのかを肌感覚でも持つことができたのではないかと思います。例えば、いまの簿記2級はひと昔前のそれとはまるで違いますよね。それがよくわかりました(「簿記2級、公認会計士なのに満点じゃないの?」って感じかもしれませんが、実際難しかったんです…。たぶん収益認識の問題で間違えました。契約資産…)。

学習過程をツイッターに投稿していたのですが、多くの方に応援していただきました。特に下書き用紙の投稿に対するリアクションが多かったのが印象的です。フォロワーさんが一番増えたのはこの時期だったと思います。みなさんその際はありがとうございました!

<参考資料>
中小企業診断士第一次試験財務・会計と日商簿記検定・ビジネス会計検定の関係性

会計人コースWebでスタートする連載では、「会計テスト」でこれまでに提供した問題をベースに、より充実させた内容でお届けします。ご期待ください! 

【執筆者紹介】
奥山結紀(おくやま ゆうき)

公認会計士
2003年公認会計士第2次試験合格後、約2年の事業会社勤務を経て、大手監査法人勤務。ロンドン駐在やフォレンジック部門(不正調査など)も経験。一般事業会社に転職ののち独立。
X(旧Twitter:@CPA_YukiOkuyama)では、主に会計に関する情報を発信。フォロワーとの交流を楽しんでいる。


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