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- <連載8>税理士試験・会計士試験・簿記検定 重要論点「一般原則ほか」集中ゼミ(第29回・完)ー一般原則(復習)
穂坂 治宏(税理士)
明日が、税理士試験(簿記論・財務諸表論)本試験ですね。
受験生の皆さんがこれまでの努力を存分に発揮されることを願っています。
◎連載のねらい
・1日1問、各論点の穴埋め問題を解くことで、各論点のキーワードを押さえるようにします。
・これにより、財務会計の理論・計算の基本的な考え方を理解できるようにすることが目標です。
Q7 真実性の原則とは,「企業会計は,企業の財政状態及び経営成績に関して,( ① )な報告を提供するものでなければならない」との原則である。★
A
① 真実
*企原 第一 一
Q8 今日の会計には,( ① )的な見積りが含まれ,また,1つの取引に( ② )の会計処理が認められるため,真実性の原則における真実は,絶対的な真実ではなく,( ③ )的な真実を意味する。★★
A
① 主観
② 複数
③ 相対
Q9 真実性の原則は,他の会計基準に従うことを要請する上位規範であり,他の公正妥当と認められる会計基準に従った結果は( ① )と認められる。★★
A
① 真実
Q10 正規の簿記の原則とは,「企業会計は,すべての取引につき,正規の簿記の原則に従って,( ① )な会計帳簿を作成しなければならない」との原則である。★
A
① 正確
*企原 第一 二
Q11 正規の簿記の原則の要請内容を2つ述べよ。★★
・正確な( ① )の作成
・( ② )法による財務諸表の作成
A
① 会計帳簿
② 誘導
Q12 正規の簿記であるためには,すべての取引について<( ① )>,検証可能な証拠に基づき<( ② )>,秩序正しい<( ③ )>会計帳簿を作成する必要がある。★★
A
① 網羅性
② 検証可能性 ③ 秩序性
Q13 資本と利益の区別の原則とは,「( ① )と( ② )とを明瞭に区別し,特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない」との原則である。★★★
A
① 資本取引
② 損益取引
*企原 第一 三
Q14 資本取引とは,( ① )との間での株主資本の直接的な増減取引である。損益取引とは,( ② )を獲得するための資本の運用取引である。★★★
A
① 株主
② 利益
Q15 資本と利益の区別の原則は,( ① )取引による株主資本の変動を除外した適正な( ② )を行うことを要求している。★★★
A
① 資本
② 期間損益計算
Q16 明瞭性の原則とは,「企業会計は,財務諸表によって,利害関係者に対し必要な会計事実を( ① )に表示し,企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」との原則である。★
A
① 明瞭
*企原 第一 四
Q17 継続性の原則とは,「企業会計は,その処理の原則及び手続を毎期( ① )して適用し,みだりにこれを変更してはならない」との原則である。★★
A
① 継続
*企原 第一 五
Q18 継続性の原則が成立する前提をその根拠をふまえて述べよ。★★★
企業活動の実態は( ① )であり,会計処理の強制がその実態を的確に表すとは限らず,企業が実態に適した方法を選択できるように,1つの会計事実につき,( ② )の会計処理方法が認められている。
A
① 多様
② 複数
*企原 注3
Q19 会計処理に継続適用が要請されるのは,経営者の( ① )を防止し,財務諸表の( ② )を可能にするためである。★★
A
① 利益操作
② 期間比較
*企原 注3
Q20 継続性の原則による正当な理由に基づく変更の要件を2つ述べよ。★★
・企業の事業内容や環境の( ① )に対応した変更であること。
・取引や事象の影響を財務諸表により( ② )に反映する変更であること。
A
① 変化
② 適切
Q21 保守主義の原則とは,「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には,これに備えて適当に( ① )会計処理をしなければならない」との原則である。★★
A
① 健全な
*企原 第一 六
Q22 保守主義の原則における健全な会計処理とは,利益を控え目に計上する会計処理,すなわち,費用や損失を( ① )に計上し,収益の計上を( ② )な時点で行う処理である。★★
A
① 早期
② 確実
Q23 保守主義の適用は,一般に公正妥当と認められる会計基準の範囲内で認められるが,( ① )の保守主義は,真実性の原則に反し,認められない。★★
A
① 過度
*企原 注4
Q24 単一性の原則は,単一の会計記録に基づく財務諸表の作成を要求する原則であり,財務諸表の( ① )多元を認めつつ,( ② )一元を要求している。★★
A
① 形式
② 実質
*企原 第一 七
Q25 重要性の原則は,ある項目の性質や金額の重要性が乏しい場合に,経済性の判断を優先させた( ① )な方法を認める原則である。★★
A
① 簡便
*企原 注1
Q26 重要性の原則の適用例を6つあげよ。★
・重要性が乏しい( ① )を買入時や払出時に費用処理する。
・重要性が乏しい経過勘定項目を計上しない。
・重要性が乏しい( ② )を計上しない。
・重要性が乏しい棚卸資産の( ③ )を取得原価に算入しない。
・重要性が乏しい分割返済の長期債権・債務で1年以内の期限到来部分を( ④ )項目に振り替えない。
・金額の重要性が乏しい特別損益項目を経常損益計算に含める。
A
① 貯蔵品
② 引当金
③ 付随費用
④ 流動
*企原 注1,12
Q27 正規の簿記の原則は,すべての取引の正確な記録を要求しており,簿外資産や簿外負債は認められないが,重要性が乏しいものを( ① )に処理し,簿外資産や簿外負債が生じても,( ② )の原則に従った処理と認められる。★
A
① 簡便
② 正規の簿記 *企原 注1
〈執筆者紹介〉
穂坂 治宏(ほさか・はるひろ)
税理士試験の簿記論と財務諸表論の受験指導をしている税理士。ネットスクールで簿財(標準)を担当。本誌「会計人コースWEB」への執筆も多数。著書に『ど素人でもわかる簿記・経理の本』(翔泳社)などがある。
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「資産の評価は原価か、時価か-混合測定という考え方」「リサイクリングは何がわかりにくいのか?」など、受験生が理解しにくい論点などの解説が掲載されています。
*本連載は、会計人コース2020年6月号付録「スリー・ステップ式財表理論パーフェクトNavi2020」の一部を再構成したものです。