【編集部から】
士業の魅力は、独立開業できることにもあります。「将来は独立」を目標に合格を目指している方も多いのではないでしょうか。
そこで、「わたしの独立開業日誌」では、独立した先輩方に事務所開業にまつわるエピソードをリレー形式でお話しいただきます(木曜日の隔週連載)。
登場していただくのは、税理士・会計士をはじめ、業務で連携することの多い士業として司法書士や社労士などの実務家も予定しています。
将来の働き方を考えるヒントがきっと見つかるはずです。
開業して16年!
受験生の皆さん、こんにちは。
名古屋・東京行政書士法人 松井ゆかと申します。
名古屋駅前に事務所を設けて、おかげさまで開業16年を迎えることができました。
このような機会をいただきましたので、受験生から開業に至る想い、エピソードをしっかりお伝えいたしますので、少しでもヒントに、お役に立てればと思います。
法律家を目指すも挫折、もう一度志して行政書士に
学生時代は、法律の前に校則も守れないようなやんちゃな女の子でした。
恩師と妹のおかげで目が覚めて、一念発起して進学校に進んだものの、母に退学届を出されてしまいます。結局、早くに社会に放り出され、屈強になりました(笑)。
その後、働きながら大学に合格し、法律家になりたいと法学部で学びましたが、学費も生活もままなりません。「司法試験は、お金に余裕がある人たちしか目指せない」「夢なんて見たって無駄だ」と挫折してしまい、それ以来、法律のことはすっかり忘れていました。
行政書士を目指したきっかけは、司法書士試験を勉強している地元の幼なじみからの「行政書士に合格した」という電話でした。
「え?なに?行政書士って何するの?」とそのまま書店に行き、「へー、こんな士業もあるんだ」と初めて知りました。
行政書士の『街の身近な法律家』というキャッチフレーズに魅力を感じました。
もともと私は頼られるとほっておけない性格です。
「行政書士になれば、きっと誰かのお役に立てるはず」、法律家への夢が再燃し、挑戦を決めました。
ワ―ママの試験挑戦、4回目で合格
挑戦を決意した時は、既に結婚して一男一女の「母ちゃん」でした。
会社員でもあったので、勉強時間との戦いがはじまりました。
子どもたちと一緒に、家事が終わって家族が寝静まってから…もう、何度もやめようと思いました。
過去問をビリビリに破りたくなる衝動と闘いながら勉強していましたし、休日に終日留守にすることになるので、答練ひとつ受けるにもひと苦労でした。
結局、合格までには、当初の想定より長い時間がかかりました。
途中、家庭生活の不和や離婚、肉親の死などが続き、拒食症やうつ症状になり、勉強する気力がわかなかった時期もあります。
そういった時期を乗り越え、何とか合格できたのは4回目の受験でした。
背中を押し続けてくれた親友や子供達には感謝しかありません。
その年の合格率はたった2%でした。
合格発表の掲示板の前で、「きっと神様がくれたプレゼントだ」と親友と大泣きしました。
バツイチ・子持ち・カネなし・コネなし・実務経験なしで開業
合格したものの、シングルマザーなので、生活が優先です。
勤務先が「会社の近くに寮を用意するので、小中学生の子どもたちと引っ越しておいで」と提案してくれました。
そのような恵まれた状況にもかかわらず、「せっかく努力して取得した行政書士を活かして、開業してみたい」という気持ちがだんだんと膨らんでいきました。
ある日、子どもたちが明るく元気で、屈託なく美味しそうに夕食を頬張っている姿を見ながら、ふと思いました。
「私が独立開業できない理由を目の前の子どもたちのせいにしてはいけない」
母親が自分たちを育てるために夢を諦めたなんて知ったら、子供は悲しむと思いました。
どうせ離婚してゼロスタートです。
「全力で行政書士という世界に飛び込んで、どうしても食べていけなかったら、その時潔く諦めればいいではないか」と開業を決意しました。
そうして、バツイチ・子持ち・金ナシ・コネなし・実務経験なしの母ちゃん行政書士が誕生しました。親友が自宅の一室を改装してくれ、パソコンを買い、名刺を作り、色々な集まりに参加し…怒涛の日々でした。
紹介から仕事が増え、時代の変化に合わせて営業戦略を組む
開業からはコツコツ地道に仕事を行い、半年後にはスタッフを採用するようになりました。
業務内容に合わせて、営業=仕掛け、種まきの方法も変えてというPDCAの繰り返しです。
営業戦略は、目まぐるしい時代の変化に合わせています。
まだアナログ集客の頃は、地域の情報誌やタウンページが中心でした。
HP集客がメインになると、リスティングに年間数百万円はかけました。
その他にも、並行して地下鉄車内広告、電柱広告等々も出しています。
16年続いているのは、「おかげさま」であって「偶然」ではありません。
試行錯誤の繰り返しです。
待っているだけでは、仕事なんて決してやってきません。
これから
許認可業務に加え、現在の主力業務は、外国人の在留資格の手続きです。
中長期日本に暮らす外国人の皆さんの家族を日本に呼んだり、社員を招聘したりする際に、永住権や日本国籍を取得することを得意としています
これからも「必ず、許可を取る。」を約束して、まい進します。
私の強みはココ。確実に結果を出し続ける。
だから厳しいことを伝えることも、当たり前の使命としています。
大切な皆さんの人生ですから、全力で向き合うがプロだと思っています。
また、どんな差別化を図っていくのかも、これからの重要なポイントかもしれません。
外国人が増え続けるこれからの日本、行政書士がたくさん活躍し、子どもたちが憧れる職業になれたら良いなと思っています。
<プロフィール>
松井 ゆか
名古屋・東京行政書士法人 代表行政書士
平成20年まつい法務行政書士事務所開業
平成22年愛知県行政書士会 本会理事就任
同年 サポート行政書士法人名古屋オフィス代表
平成25年名古屋行政書士事務所 開業
同年 愛知県行政書士会 名古屋支部 副支部長就任
平成27年名古屋・東京行政書士法人 設立 東京支社(日本橋現在閉鎖)
令和3年12月大名古屋ビルヂング事務所
建設業許可・ビザ・帰化に強い | 名古屋・東京行政書士法人 (nagoya-tokyo-gyousei.com)
電話:052-856-5536 公式LINE:https://lin.ee/JGGaUpF
◆他の「独立開業日誌」はコチラから!