連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(本試験直前総復習8)ー 収益認識会計①


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

*税理士、会計士論文式試験直前の総復習として、本連載の復習問題を再掲載します。

Q1(空欄補充)
収益認識会計基準の基本となる原則は,約束した財又はサービスの顧客への( ① )を当該財又はサービスと交換に企業が( ② )を得ると見込む( ③ )の額で描写するように,収益を( ④ )することである。


① 移転
② 権利
③ 対価
④ 認識
*収益認識会計基準16項
『まずはざっくりと設例で押さえておく』(桜井23版,124頁「設例1」)

Q2(空欄補充)
収益を認識するために次の5つのステップを適用する。
(1)    顧客との契約を( ① )する。
(2)    契約における( ② )を識別する。
(3)    ( ③ )を算定する。
(4)    契約における履行義務に取引価格を( ④ )する。
(5)    履行義務を充足した時に又は充足するにつれて( ⑤ )を認識する。


① 識別
② 履行義務
③ 取引価格
④ 配分
⑤ 収益
*収益認識会計基準17項
『5つのステップを順番に理解していこう!』

Q3 契約とは,法的な強制力のある権利及び義務を生じさせる複数の当事者間における取決めをいう。第1のステップは,顧客との契約を識別することで,そのために満たさなければならない5つの要件とは?


(1)当事者が,書面,口頭,取引慣行等により契約を承認し,それぞれの義務の履行を約束していること
(2)移転される財又はサービスに関する各当事者の権利を識別できること
(3)移転される財又はサービスの支払条件を識別できること
(4)契約に経済的実質があること
(5)顧客に移転する財又はサービスと交換に企業が権利を得ることとなる対価を回収する可能性が高いこと
*収益認識会計基準19項
『これも設例で押さえておく』(桜井23版,125頁「設例2」)

Q4(空欄補充)
第2のステップは,契約において顧客への移転を約束した( ① )が,所定の要件を満たす場合は,それぞれを( ② )のものとして扱い,当該約束を( ③ )として識別する。( ③ )は顧客に( ① )を移転するという,契約に含まれる約束であるが,1つの契約に複数の( ③ )が存在することがある。( ② )の( ③ )と判断された場合,( ② )の( ③ )のそれぞれについて,収益認識の検討が行われる。


① 財又はサービス
② 別個
③ 履行義務
*収益認識会計基準32項,34項,35項
『さらにまた設例で押さえておく』(桜井23版,127頁「設例3」「設例4」)

Q5(空欄補充)
第3のステップは,収益の額は( ① )に基づいて測定する。( ① )とは,財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む( ② )の額をいう。契約における( ② )が現金以外の場合に( ① )を算定するにあたっては,当該( ② )を( ③ )により算定する。


① 取引価格
② 対価
③ 時価
*収益認識会計基準47項,59項
『やはり設例で押さえておく』(桜井23版,129頁「設例5」)

Q6(空欄補充)
顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分を( ① )という。契約において,顧客と約束した対価に( ① )が含まれる場合,( ② )の顧客への移転と交換に企業が権利を得ることとなる対価の額を見積る。( ① )が含まれる取引の例として,値引き,( ③ ),返金,インセンティブ,業績に基づく割増金,ペナルティー等の形態により対価の額が変動する場合や,返品権付きの販売等がある。


① 変動対価
② 財又はサービス
③ リベート
*収益認識会計基準50項,適用指針23項
『設例で押さえるのを癖にする』(桜井23版,130頁「設例6」)

Q7(空欄補充)
契約の当事者が合意した支払時期により,財又はサービスの( ① )への移転に係る信用供与についての重要な便益が( ① )又は企業に提供される場合には,( ① )との契約は重要な( ② )を含む場合がある。その場合,取引価格の算定にあたっては,金利相当分を調整する。収益は,財又はサービスが( ① )に移転した時点で,当該財又はサービスに対して( ① )が支払うと見込まれる( ③ )を反映する金額で認識する。


① 顧客
② 金融要素
③ 現金販売価格
*収益認識会計基準56項,57項
『割賦販売の設例がわかりやすい!』(桜井23版,130-131頁「設例7」)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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