E・M
(会社員、25歳)
合格科目:簿記論・財務諸表論(令和2年)、所得税法・消費税法(令和3年)
学習スタイル:資格の大原(通学)
何も考えずにスタートさせた税理士受験
税理士を目指している皆さま、初めまして。
私は令和3年度税理士試験で所得税法、消費税法にダブル合格しました。令和2年度試験(はじめての税理士試験)で簿記論と財務諸表論に合格しているので、2年で4科目合格しています。
税理士試験の受験を始めたのは、大学卒業後に新卒で入社した会社を短期で退職してしまったことがきっかけです。
会社員として輝かしいキャリアを築くことができなくなり、今後のことを考えていたとき、税理士である父親に「税理士は稼げる」という話を聞き、何も調べずに専門学校の講座を申し込みました。
お金を払った後で税理士試験が難しいということを知りましたが、後には引けず……(笑)。とにかく早く合格しようと考えました。
勉強の「質」と「量」の確保
専門学校のパンフレットを見れば、そこに記載されている「合格までに必要な勉強時間」を受験までの日数で割ることで、1日あたり何時間の勉強が必要であるか、だいたい計算することができます(簿記論と財務諸表論は、合わせて1日3時間くらいだったと記憶しています)。
私は、仕事が忙しいときや予定があって勉強できない日があれば、土日などの時間があるときにその分をカバーし、週ごとに当初の時間を満たすように調整していました。まずは、量を確保することが第一です。
また、月例テストの成績が芳しくないときは講師に勉強方法を相談し、何をやるべきか常に考えていました。これによって勉強の質を上げられたと思います。
講師のアドバイスを徹底する
私は2年連続で2科目ずつ合格しましたが、合格の決め手は、とにかく専門学校の講師を信じること。これに尽きると思っています。
「月例テストに真剣に取り組む」
「講義の最初の理論テストで毎回満点を取れるようにする」
「仕事で講義を休んだときは必ずウェブで受講して後れを取らない」
これらは、どの講師も共通して話すことです。これをどれだけ徹底できるか。
当たり前のことを毎日続けることが一番難しいですが、受験生でこれをできるのは全体の1割くらいだと思います。だから1割しか合格できない試験なのではないでしょうか。
自分にノルマを課してモチベーションアップ
そうはいっても、9月から勉強を始めて8月までの11ヵ月間、ずっとモチベーションを保つことは、実際はかなり難しいと思います。
私も、なかなか気持ちが入らない時期もありましたが、「月例テストで上位3割が試験合格の射程圏内」と言われているので必ず入るようにする、と最低限のノルマを課していました。
そうすると、月例テストの成績が悪いときは「焦り」が湧いてくるので、自然と「勉強しないと」という気持ちになります。
そのため、モチベーションの波はありましたが、試験まで気持ちが途切れることはありませんでした。
他にも息抜きとして、お酒を飲みながら税理士になった後のキャリアをイメージするというのを、ときどきしています。
ただし、アルコールは脳の細胞を死滅させてしまうと聞いたことがあるので、記憶力や本番の集中力に影響を及ぼさないように、試験の1ヵ月前からは一切のお酒をやめ、毎日2kmランニングをするようにしていました。
実際に意味があったかどうかはわかりませんが、「せっかくここまで我慢してるんだから絶対に受かってやろう」という追い込みの時のモチベーションにはなりました(笑)。
できることを精一杯やり、残り1科目へ
私は仕事をしているので、平日の夜と土日などの休日しか勉強時間をとることができませんが、多くの受験生も同じ条件ではないでしょうか。そのため、できない言い訳ではなく、どうしたらできるかを考えるべきだと思っています。
仕事をうまく回し、なるべく早く終わらせて勉強時間を確保する、昼休みに暗記をするなど、できることはあると思います。
人それぞれハンディキャップがあることを重々承知のうえで受験をすると決めたわけですから……。
私自身も、まだあと1科目試験が残っています。早く合格して税理士として仕事を始め、そしてこの記事を読んでいる方と、いつか一緒に仕事をできる日を楽しみにしています。
末筆ではございますが、皆さまのご健闘を祈っています。