【税理士合格体験記】自分に合った教材&勉強法がカギ! 独学で相続税法にリベンジ合格


税理士見習い☆なつ
(30代、税理士法人勤務)

合格科目:財務諸表論(令和元年)、簿記論(令和2年)、相続税法(令和3年)
学習スタイル(相続税法):専門学校(通学→通信)→独学

昨年度に引き続き、合格体験記を書かせていただきます、税理士見習い☆なつと申します。令和3年度の試験では相続税法に合格することができました!

昨年度の合格体験記
転職に結婚、ドタバタ新生活でも2年で簿財合格! 「未来の自分への手紙」でモチベーションUP☆

はじめての税法科目に相続税法を選んだ理由

当時働いていた会計事務所では、相続の案件が多く、補助業務を任される機会がよくありました。

メーカーの経理から会計事務所に転職し、相続の右も左もわかりませんでしたが、入所当初から独自で勉強をしていたので、他の税法よりは相続税法に親しみを感じていました。

そのため、簿記論と財務諸表論を受験後、迷いなく相続税法の講義に申込み。しかし、はじめての税法としてはボリュームがそれなりに多く、受かりにくいと言われている科目であるため、周囲からは驚かれました。

「そんなこと言われても他の税法はよくわからないし」と開き直って勉強を開始したのをよく覚えています。

ボリュームなどから科目選択することももちろん大切だとは思いますが、私のように実務で扱っていたり、自分の興味を大切にすることも必要だと思います。

合格までの道のり

相続税法に合格するまでの約2年間、プライベートでも色々あり、かつ、新型コロナウイルス感染症が流行したため、勉強方法については試行錯誤の日々でした。

税理士試験は、働きながら挑戦する方が多く、置かれている環境も多種多様だと思います。

ご参考までに、まずは私が相続税法に合格するまでの出来事を大まかにお話しします。

令和元年
8月 簿記論・財務諸表論を受験
9月 相続税法を受講開始(TACに土曜日通学)
12月 財務諸表論に合格、簿記論に不合格
→この時点では相続税法を続行し、来年度に2科目を受験しようと決意

令和2年
1月 結婚
→環境が激変し、仕事と家事をしながら勉強時間を確保するのに四苦八苦
2月~3月 コロナの影響で、相続税法を通信に切り替える
5月 相続税法を断念し、簿記論に専念
8月 簿記論・相続税法を受験(相続税法は記念受験)
12月 簿記論に合格、相続税法に不合格(30点)

令和3年
1月 独学で相続税法の勉強再開
2月~3月 確定申告時期で深夜残業・休日出勤が続き、勉強時間を確保できず
4月 転職活動を開始し、9月から働ける新しい職場を見つける
7月 退職し、受験勉強に専念
8月 相続税法を受験
12月 相続税法に合格

理想は「毎日コツコツと勉強すること」でしたが、仕事やプライベートで色々と変化した2年間でした。なかなか勉強時間を確保することはできませんでしたが、退職後の最後の1ヵ月が合格の決め手になったと思います。

独学時代に使っていた教材と勉強法

初年度はTACに通っていましたが、合格した年は講座を受けず独学でした。ここからは、独学時代に使った教材などをメインにお話していきたいと思います。

計 算

主に活用した教材は以下の通りです。

① 総合計算問題集(大原出版

1年目の時点で大まかに重要な項目については理解できていましたが、解くスピードはありませんでした。そこで、2年目の勉強は、前年度のテキスト(TAC)を使用し、重要項目の復習から始めました。

その後、この総合計算問題集(基礎・応用)を徹底的に繰り返し解きました。コピー代を節約するため、白紙に解答用紙を自作しました。

これは少々手間がかかりますが、解答用紙の構成を理解することができるので、試験当日に解答用紙が配られてから試験開始までのわずかな時間で、どこに着目すべきかを把握することに役立ったと思っています。

② ポイントチェック(TAC)

前年度に受講した際の教材です。試験当日、ポイントチェックだけを持っていけば大丈夫なように、間違った箇所はポイントチェックに書き込みをしていました。

また、自分が間違えやすい項目にはインデックスをつけ、すぐに復習できるように工夫しました。

ほかにも、模試などで間違えた箇所も紙に書いて貼り付けることで、自分が復習すべき部分をこの1冊にまとめました。

理 論

① 理論マスター(TAC)

前年度の講義で使っていたものも残っていましたが、心機一転のため新たに購入しました。

理論は一言一句暗記することができず、独特の言い回しに大変苦労しました。諸先輩方の勉強方法を色々と試しましたが、私が一番しっくりきたのは、こちらのブログで紹介されていた方法です。

グレーペンで重複する箇所を塗り潰すことで暗記の負担を軽減できただけではなく、理論と理論の横のつながりを把握することができたと思います。

実際の試験では、専門学校が出題するような「個別理論の暗記度を問う問題」はあまり出ないので、この方法はかなり効果がありました。

基本は黙読で暗記しましたが、直前期には、どうしても覚えられない箇所を鉛筆で黒く塗りつぶしました。

また、理解を深めるために自分で図などを描き、理論マスターに貼り付けていました(令和3年度の本試験で出題された論点も、写真のような感じで整理していました!)。

理論は色々な方法を試し、自分にあったやり方を早く見つけるということが大切だと思います。

② 理論マスター暗記CD(TAC) 

自分の声を録音して、それを繰り返し聞くという方法をよく目にしますが、私は音読するだけでなんだか疲れてしまい……結局、自分には合わなかったので、音声データを購入して移動時間によく聞いていました。

読むだけでは覚えられない部分を耳から聞くことで記憶に残りやすくなりますし、集中して机に向かえなくなったときに散歩しながら聞くこともできるので、勉強方法の選択肢が広がっておすすめです!

私は家事をしながらワイヤレスイヤホンで聞いたり、通勤中に聞き流したりしていました。

③ インターネット

インターネットも私にとっては立派な教材でした。わからない専門用語や理論をインターネットで検索して付箋にメモし、理論マスターの該当条文に貼り付け、忘れないように工夫していました。

インターネットでは事例も紹介されたりしているので、そういった意味でも理解を深めることができます。

④ 職場の資料

改正論点については職場で閲覧できる「税務通信」や社内報などを参考にしていました。幸い令和3年度の相続税法はあまり大きな改正点がなかったので、なんとかなりました。

直前期には「情報収集」として模試を受ける

7月中旬に退職し、約1ヵ月間は勉強に専念することができたので、ほぼ毎日、近所の有料自習室に通っていました。直前期に使用した教材は以下の通りです。

① 模試オプション(資格の大原)
② 予想問題集(ネットスクール)
③ 全国統一模擬試験(TAC、LEC)

専門学校のレギュラー講座は受講していませんでしたが、直前期のみ大原の模試オプション(資料通信)を受講していました。

税理士試験は相対評価です。直前期に専門学校で出題された問題は他の受験生も解ける可能性が高いと思ったので、差をつけられないように「情報収集」として活用しました。

あくまで情報収集なので、模試の判定に一喜一憂はしません。各専門学校の予想を念のためチェックしておく、といった感じです。

模試を解いた後は、間違った箇所に解答方法を簡単に書いた付箋を貼り、ファイリングしておきました(トップ画像参照)。そうすることで問題と解説を一緒に見直すことができます。

また、相続税法の試験時間に合わせて昼食を取ったり、問題を解いたりするように心がけ、当日のイメージトレーニングも入念に行いました。

夫と協力しながら勉強と家事を両立

私は現在、夫と2人暮らしの共働きで、家事は協力しながら行っていますが、夫が海外との取引が多い職種のため、時差の関係で夜遅くまで仕事をしていることも多くあります。

平日はお互いに仕事が忙しく、2人とも家事に手が回らないこともあるので、洗濯や買い物は休日に協力して行ったり、ネットスーパーを活用したり、便利な家電を導入したり、家事負担をできるだけ少なくするように努めています。ロボット掃除機・食洗機・SHARPのホットクックは我が家の三種の神器です!

また、余談ですが我が家にはテレビがありません。そのため、常に家が静かなので、空いた時間が少しでもあれば勉強できる環境です。結婚する際、2人ともテレビをあまり見ないタイプだったので、購入を見送りました。

同じような価値観を持つパートナーに巡り会えたからこそ、このような充実した生活を送れているのだと思います。試験に挑戦することを誰よりも応援し、理解してくれている夫に感謝する日々です。

相続税法に合格して得たもの

合格しにくいと言われている相続税法に2年目で合格できたこと(しかも最後は独学で!)はかなり自信になりました。

資格試験に限らず言えることだとは思いますが、大切なことは「学び」を日常化し、特別なことと考えないことだと思います。

自分のために時間を100%使うことができた学生時代とは異なり、日々忙殺される社会人にとって、いかに自分を高めていけるかは自分次第です。

私は毎日、朝食を準備するときや通勤時間に理論の音声CDを聞き、職場では昼食後に理論マスターを黙読しています。しかし、これは自分にとっては特別なことではなく、すべて当たり前のことです。

当たり前のことを当たり前のようにするだけ、といった意識が長期間にわたる試験を乗り切るコツだと思います。

今回、相続税法合格という結果を得たことで、自分が日々やっていることに間違いはなかったと認識することができ、自信になりました。

これから相続税法を受験する方々へ

「相続税法=受かりにくい」というなんとなくのイメージがあるので敬遠される方も多いと思います

しかし、私は決してそんなことはないと思っています。

新型コロナウイルス感染症の流行が収まらないなかでの勉強は大変なこともあるかと思いますが、コツコツやるべきことをやれば必ず実を結びます。

税理士試験は、つらいこともあるかもしれません。ただ、日々成長できる機会がある、これってすごく幸せなことなんじゃないかと感じています。

私は税理士試験のそういうところが楽しくて仕方がありません。残り2科目も楽しんでいきたいと思っています。お互い目標に向かって頑張りましょう!


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