【税理士試験 法人税法】合格発表を受けて令和4年に合格するためにすべきことは?


12月17日に第71回(令和3年度)税理士試験結果が公表されました。

法人税法は、受験者数3,532人、合格者数453人、合格率は12.8%(昨年は16.1%)と、合格率がダウン。

ただ、実務でも重要な税法科目であり、来年度の試験にチャレンジされる方も多いと思われます。

そこで、東京CPA会計学院の新山高一先生に、当面の勉強のヒントを伺いました。

第71回(令和3年度)の合格率をみて

――今年の合格率について、先生はどのような印象をもたれていますか?

ここ最近の試験は、法人税法の基本的かつ重要な制度を問う傾向にあります。基本的な取扱いを中心とした出題となっていますので、内容に関しては、以前の税理士試験に比べれば、比較的簡単になっています。

そのため、今回の試験の合格率も、前回や前々回の合格率と比べれば低くはなりましたが、例年と比べると依然として高い水準にあるかと思われます。現在の試験の傾向が今後も続くようであれば、合格率も同水準で推移するでしょう。

次に向けて、どのように勉強すべき?

――今年度の出題内容を振り返ったうえで、これから当面どのように過ごしていけばよいでしょうか? まずは「理論」から教えてください。

ここ最近の理論問題は、大まかに次のように分類されます。

① 用語の意義を述べさせて、その取扱いを問う出題
② 事例形式での出題
③ 計上事由など、計算で問われるような内容を理論で問う出題

このように出題形式はいろいろとありますが、勉強方法として全般的にいえることは、

イ 用語の意義及び取扱いを重要性の高い論点からしっかりと押さえる

ロ 押さえる際には、各規定の基本的な考え方もしっかりと理解する

ハ 計算とリンクさせてしっかりと押さえる

ことが重要です。

イに関しては言うまでもありませんが、ロの各規定の基本的な考え方もしっかり理解することで、事例形式での出題に対応することができます。

事例形式の問題だと満点を取るのが難しいこともあるため、その場合には合格点を取れる答案を作成しなければなりません。

このときに、各規定の基本的な考え方をしっかりと理解しておけば、「なんとなくこんな取扱いかな?」と解答しても、それが意外と合っていることが多いです。

もちろん、基本的な考え方をしっかりと理解すれば、各規定の取扱いも押さえやすくなるので、そういった意味でも、各規定の基本的な考え方をしっかりと理解することは大切です。

ハに関しては軽視しがちですが、計算で問われるような内容を理論で問われると意外と解答できなかったり、凡ミスが発生したりします。

合格した受験生のなかには、計算問題を解く際、計算過程で理論も解答するようにし、理論と計算を一体化して押さえている人もいました。

計算とリンクさせることで、理論で出題されても落ち着いて解答できるように心がけたいところです。

――「計算」はいかがでしょうか? 

計算に関しては、当然のことですが、基礎がしっかりとできていて、皆ができるところは落とさないことが重要です。

今回の試験においても、第二問の問1がしっかりとできて、問2ができなかった受験生が合格しています。合格している受験生は、やはり基礎をしっかり理解しており、皆ができるところで凡ミスや取りこぼしをしていないといえるでしょう。

基礎をしっかり固めるには、まずは個別問題集をやりこむことが大事です。それも1回だけではなく、できれば何回も解くことを心がけてください。

もちろん、個別問題だけ解けばよいというわけでもなく、各規定とのつながりを理解することも大切なので、総合問題もしっかりと解くようにしましょう。

各専門学校の税理士講座を受講している場合、いろいろな総合問題をもらえるときもありますが、まずは練習問題をしっかりと解くことが大事です。市販の総合問題集を購入して解くのも1つの方法でしょう。

もちろん定例試験や模擬試験、答案練習も大切ではありますが、これらはどうしても難しい論点が入ってくるため、基礎を固める意味では、練習問題が最適です。

合格した受験生を見ていると、個別問題集を2~3回解き、社会人であっても時間がないなかで練習問題をしっかりと解いています。

日々の積み重ねが合格につながります。個別問題集や練習問題をしっかりと解いていきましょう。

――参考となるお話をありがとうございました!

【お話を聞いた人】
新山 高一(にいやま・こういち)
東京CPA会計学院卒業。卒業年の翌年に税理士試験に合格し、その後、同校の講師として、主に法人税法を中心に指導を行っている。初学者でも法人税法がわかりやすく理解できるように、日々奮闘している。

東京CPA会計学院 税理士講座ホームページ


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