【高卒公務員から会計士へ!②】3回チャレンジしたからこそわかった 論文式試験合格に必要な10のポイント


Y.K

令和2年公認会計士試験に合格したY.Kと申します。前回の「働きながら短答式試験に一発合格できたタイムスケジュールと勉強法」という記事でも書いたように、短答式試験には1年半ほどと比較的早く合格できました。

しかし、論文式試験では2回不合格となり、3回目でようやく合格をつかみました。今回は、そんな私の経験を踏まえて、論文式試験に合格するために “本当に” 必要だと思ったポイントをお伝えします。

【私の受験歴】
2017年12月 短答式試験 
2018年1月 結果発表→合格
2018年8月 論文式試験(1回目)
2018年11月 結果発表→不合格
2019年8月 論文式試験(2回目)
2019年11月 結果発表→不合格
2020年11月 論文式試験(3回目)
2021年2月 結果発表→合格 

立ちはだかった論文式試験の壁

短答式試験合格後は、繫忙期が重なったこともあって、腰を据えて論文式試験の勉強を始めたのは2月中旬頃でした。

「短答式試験に合格できたから、論文式試験はその延長で合格できるだろう」と高をくくっていたのですが、論文式試験では「租税法」や選択科目の「経営学」など新たな科目の講義を消化しなければならず、時間があっという間に過ぎていきました。

TwitterをはじめとしたSNS上では「経営学は3ヵ月で間に合う」と言われることが多いですが、私から言わせたらとんでもない話でした(笑)。

経営学の第一問は、試験委員の研究分野が出題されることもあり、覚えることがとても多いのです。

はじめて経営学に触れる人は、まず全体を把握し、毎日少しずつでも経営管理の暗記を行うことを推奨します。

このように勉強すべき科目も増える論文式試験ですが、何よりネックなのが、そもそも勉強の手ごたえがまったく掴めないことです。

短答式試験は正誤判定が明確で、解説を読めば間違った原因、何が理解できていないのかすぐにわかるので、そのつどテキストに戻ったり、論点を暗記したりと、対策が比較的行いやすいです。

しかし論文式試験は、絶対の正解はありません。講師に自分の答案を添削してもらわなければ、誤りや論点に対する理解不足に気づきにくいのです。

私は2月中旬に論文式試験の勉強を開始したものの、「租税法」や「経営学」といった論文式試験の特有の科目に時間を割くほど、短答式試験で覚えた内容がどんどん抜けていきました

復習が追いつかず、直前期になっても勉強方法を確立できず、そんななかで迎えた1回目の論文式試験はもちろん不合格。

しかも、成績通知書には「不合格者の中での順位」が示されるのですが、私はそのなかでもかなり下に位置していました。

2回目の論文式試験も不合格

2018年11月に1回目の論文式試験の結果が発表されてから1週間ほどで勉強を再開しました。

2回目は、すでに使っていたテキストで勉強し、次年度合格向けの答練だけを申し込みました。

11月下旬から翌年8月中旬に行われる論文式試験までの約9ヵ月。1回目の失敗を糧に、真剣に勉強に取り組んだつもりです。

それでも翌年11月の結果発表では、また不合格。

正直、2回目の試験を受けた後は手ごたえがありました。それだけにショックが大きかったです。

お世話になった方、恋人や友人に合わせる顔がなく、本当に絶望のどん底でした。生活費も、精神的にも厳しいけれど試験は諦めたくない。けれども今後どう勉強していいのかわからない。「そもそも自分の能力では会計士試験という難関な試験は突破できないのではないか」と自信もなくしていました。

背水の陣で臨んだ3回目

あとがない3回目の論文式試験です。1回目、2回目と結果が出ていないのだから、これまでの勉強が間違っていたと考え、真逆のことをしてみました。2回目から変えたことは、以下の10個です。

① 答練のみではなく最新の講座を申し込む。

② これまで身につけた知識を当てにしない。講義を再受講し、各論点を説明できるまで理解する。

③ わからない論点、腑に落ちない論点はその日に講師に質問する。

④ 勉強方法、勉強スケジュールを定期的に講師に質問する。

⑤ お風呂の時間や食事中にBGM代わりに講義を流す。

⑥ 経営学の理論は毎日寝る前に目を通す。

⑦ 暗記を軽視しない。Aランク・Bランクは一言一句吐き出せるようにする。

⑧ 答練の優秀答案・模範解答・自分の答案の3点を比較し、改善点を把握する。

⑨ 答練の後、採点講師の「採点実感」があれば必ず目を通す。

⑩ 問題集は1つに絞る。答練は回転媒体としない。

特に意識したのは③・④・⑩です。

それまで、わからない論点を講師に質問することはほとんどありませんでした。

わからない論点を放置していたわけではありません。ただ、「自分で考え、ある程度納得できたら次に進む」というふうに、論点の根本まで考えず、中途半端な理解にとどまっていたことが多かったように思います。

そのため3回目は、「この論点はこのように理解しているんですけど、合っていますか?」と何度も、その日のうちに質問をぶつけて解決することを意識していました。

質問したのは論点だけではありません。

「時間の使い方」や「1日に勉強する科目の数」、「回転媒体とする教材」、「復習頻度」など、講師や論文合格者にたくさん質問し、自分が納得できる勉強方法をどんどん盗んでいきました。

さらに、講師には回転する教材を選定してもらい、11月の論文式試験まで、その媒体だけを信じて勉強しました。毎週行われる答練や試験前の公開模試などは、1回しっかり解いて、サラっと復習するだけに留めました。

こうすることで、直前期にはそれまで何度も解いて読み込んだ教材だけが手元に残るので、手が回らなくなることはありません。

迎えた3回目の論文試験は見事に合格。本当に涙が止まりませんでした。

これから論文式試験の勉強を始める皆さんへ

短答式試験には比較的早く合格したものの、論文式試験には3回目で合格。総じて勉強期間は長く、大変苦しいものでした。

勉強期間が長引いた原因の1つは「1人で抱え込みすぎていたから」です。

講師に質問するのは勇気がいります。

「こんなこともわからないの?」「本当に講義聞いてる?」

質問しようとするたびに、こんなふうに思われないか心配で怖かったです。

それでもやはり、勉強方法や論点でわからないことがあれば、まずは自分で考え、その考えを伝えたうえで、最終的に受験のプロである講師に質問するのが一番です。

膨大な量の知識が問われる論文式試験。1人で悩まず、周りで頼れるものには頼りつつ、活かせるものはどんどん活かしてください。

皆さんが論文式試験の合格を勝ち取ることを願ってやみません。


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