加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
当期末の手許現金100円、普通預金10,000円、当座預金12,000円、6か月定期預金5,000円のとき、キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高は27,100円であり、流動資産の現金及び預金と同額となる。
解答
×
6か月定期預金は資金の範囲には含まれない。よって、現金及び現金同等物の期末残高は22,100円となる。
根 拠
連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準
第二 作成基準 一 資金の範囲 連結キャッシュ・フロー計算書が対象とする資金の範囲は、現金及び現金同等物とする。 1 現金とは、手許現金及び要求払預金をいう。 2 現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資をいう。 (注2) 現金同等物について 現金同等物には、例えば、取得日から満期日又は償還日までの期間が3か月以内の短期投資である定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件付現先、公社債投資信託が含まれる。 |
ワンポイントアドバイス
キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲は、非常に重要な論点です。また、注記項目として、貸借対照表の計上額と資金の範囲の関係を開示します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。