【税理士受験生のための大学院体験記】“30歳で独立開業!” 夢を叶えるために選んだルート


もうすぐ4月、入学シーズンですね♪

会計関連でいえば、税理士試験の科目免除を目的に、大学院に進学される方もいらっしゃることでしょう。

そこで、“春からの大学院生活”を応援するため、大学院に通われた先輩方に、当時を振り返っていただく企画の第4弾!

今回、体験記をお書きいただいたのは、2016年に大学院を修了され、現在は税理士として独立開業されている山口和真先生です。

・東亜大学大学院を2016年3月修了。
・2019年8月、医療機関・介護施設に特化した会計事務所「G.C FACTORY会計事務所」を開業し、代表を務める。

・大学院在籍時は税理士法人に勤務。

・税理士試験の合格科目は簿記論、財務諸表論、国税徴収法

大学院に入学される方はもちろん、現在大学院に通われている方、進学を検討されている方も必見のお話が満載です。

それでは、いってみましょう!

30歳での独立開業を目標に

私は30歳で税理士として開業することを目標にしていました。大学院に進学した理由は、その目標から逆算した場合、2年で2科目免除となるほうが効率的だと思ったからです。

ちなみに、大学院進学を選択したのはよいのですが、小論文が苦手な私は、入試に一度落ちたので、結局トータル3年かかりました(笑)。入試が難しいのは盲点でした(^^;)

大学院選びのポイント

全国には多数の大学院がありますが、そのなかから自分に合った大学院を選ぶにはポイントが2つあります。

1つめは「仕事と両立できるか」です。

私は当時、税理士法人に勤めており、日々の仕事が忙しく土日もほとんど仕事をしていたので、毎週決まった時間に大学院で授業を受けるのは難しい状況でした。そのため、通信制であれば、自分の好きな時間に勉強ができると思い、国内で唯一、通信制で科目免除が受けられる東亜大学大学院選びました。

実際に入学してからも東亜大学大学院では、年に数回のスクーリングなど以外は、時間的な制約はありませんでした。

2つめは「科目免除実績」です。

私の目的は「税理士になり、事業をすること」だったので、大学院で修士論文を書いたにもかかわらず、国税審議会から認定を受けられなかった、なんていうことは避けたいと思っていました。大学院を選ぶ際には、過去の実績を参考にすることも大事です。

実務で感じる大学院のメリット

大学院では、いろんな専門分野の友人ができます。一緒に大学院を修了した同期は、会計事務所に勤務している方が多く、今も連絡を取り合っては仕事上の相談などをしています。実際に開業してみると、はじめての業務や明確に判断がつかない事例などが多くあるのですが、そういったときに大学院の同期はとても頼りになり、いつもたくさんのことを教えてくれます。

また、法律家としての考え方や判例の読み方を学ぶことができるのも大学院のメリットです。実務においては、明確な回答のない税務判断が必要な場面が多くあります。そのようなとき、過去の判例を読み解き、自分のなかで正しい回答を出すための情報収集ができるのは、大学院でその考え方や方法を学んだからこそと思っています。

未受験科目は実務のなかで学ぶ

一方で、受験していない税法科目を学ぶ機会を自らつくらなければならないということは、大学院のデメリットかもしれません。

大学院では、論文テーマに関することを主に研究するため、その分野には詳しくなりますが、税理士試験のように網羅的に勉強することはありません。そのため、自分で別途、勉強時間を確保することが必要です。

ただし私の場合は、実務をやりながら、そのつど本を読んで調べるといった対応で十分だったので、そこまで心配はされなくてよいと思います。また、実務を通して学ぶほうが、時間的にも効率がよいと体感しています。

仕事時間を最適化する

働きながら大学院に通う方、また税理士試験を受験する方は、やはり「仕事とどう両立するか」という課題に直面するのではないでしょうか。私は、仕事時間を最適化することで、大学院や税理士試験と仕事の両立を図っていました。

タスクにかかった時間をすべてストップウォッチで計測し、その日の仕事終わりに、「なぜこのタスクに時間を要したのか」「そもそもこのタスクは必要なのか」「このタスクが生まれたのは事前に情報共有をしていなかったからではないか」「より効率化させる方法はないか」などと振り返るようにし、少しずつ仕事時間を最適化していきました。

不要な仕事を発見したり、仕事の進め方にもかなり無駄があることに気づいたりして反省もしましたが、こうすることで、仕事のパフォーマンスを下げずに、1時間以上労働時間を減らすことができました。

仕事と大学院、税理士試験の両立に悩まれている方は、ご自身の業務を細かく見直されてみることをおすすめします。

メッセージ

最後となりますが、まれに大学院進学を考えている後輩から、「科目免除者は5科目合格者と比較して、周りからの評価はどうなのか」と聞かれることがあります。

正直まったく変わらないです。私の会計事務所は2019年8月に開業し、現在80件ほどの顧問先さまがいらっしゃいますが、実務で科目免除が論点になったことは一度もありません。

私自身も大学院で科目免除を受けたことを後悔はしていないので、ぜひ安心して大学院進学を考えてほしいと思います。


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