加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
為替差損益は、企業会計原則 第二損益計算書原則B「総額主義の原則」に基づき、為替差益は「営業外収益」、為替差損は「営業外費用」として表示し、相殺することはできない。
解答
×
為替差損と為替差益は、相殺した純額を、営業外費用または営業外収益に表示する。
根 拠
会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
為替差損益の表示(一 2(2)及び一 3) 28.外貨建金銭債権債務等に係る決済差損益と換算差損益とは、ともに為替差損益として処理し、差益と差損を相殺した純額で損益計算書に表示する。 為替差損益は営業外損益の一項目として表示する。ただし、当該為替差損益の発生の要因となった取引が経常取引以外の取引であり、かつ、金額に重要性があると認められる場合又は特殊な要因により一事業年度に異常、かつ、多額に発生したと認められる場合の為替差損益は、特別損益の一項目として表示する。 |
ワンポイントアドバイス
企業会計原則に定める総額主義の原則の“例外”として、為替差損益のほか、売買目的有価証券の運用損益などは純額表示されます。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。