加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
損益計算書の当期純利益12,000円、普通株式期中平均株式数(自己株式を除く)100株、非累積型配当優先株主に対する配当予定額2,000円のとき、1株当たり当期純利益は120円である。
解答
×
1株当たり当期純利益の算定上、非累積型配当優先株主に対する配当予定額は普通株主に帰属しない。よって、1株当たり当期純利益は(12,000円-2,000円)÷100株=100円となる。
根 拠
企業会計基準第2号「1株当たり当期純利益に関する会計基準」
14. 第12項にいう普通株式に係る当期純利益は、損益計算書上の当期純利益から、剰余金の配当に関連する項目で普通株主に帰属しない金額(以下「普通株主に帰属しない金額」という。)を控除して算定する。 15. 第14項にいう普通株主に帰属しない金額には、優先配当額(第16項参照)などが含まれる。 16. 第15項にいう普通株主に帰属しない金額に含まれる優先配当額は以下による。 (1) 累積型配当優先株式(第46項参照)の場合 1株当たり当期純利益の算定対象となる会計期間に係る要支払額 (2) 非累積型配当優先株式(第46項参照)の場合 1株当たり当期純利益の算定対象となる会計期間に基準日が属する剰余金の配当を基礎として算定した額 |
ワンポイントアドバイス
1株当たり当期純利益は、普通株主以外に帰属する当期純利益を除いて算定します。
したがって、普通株主が受け取ることができない優先配当額は損益計算書の当期純利益から控除します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。