【1日1問!〇×会計クイズ】負債純資産会計⑩


加藤大吾
(公認会計士・税理士)


公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。


【〇×問題】

株主総会決議により資本金9,000円を減少し、剰余金へ振り替えた。

(借)資本金 9,000
 (貸)繰越利益剰余金 9,000

【正解】 ×

資本金から剰余金へ振り替える場合、振替先はその他資本剰余金となり、繰越利益剰余金とすることはできない。

(借)資本金 9,000
 (貸)その他資本剰余金 9,000

【根拠となる会計基準】

企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」

資本剰余金と利益剰余金の混同の禁止

19. 資本剰余金の各項目は、利益剰余金の各項目と混同してはならない。したがって、資本剰余金の利益剰余金への振替は原則として認められない。

資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金 20. 資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金は、減少の法的効力が発生したとき(会社法(平成17年法律第86号)第447条から第449条)に、その他資本剰余金に計上する

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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