勉強方法―勉強は×が大事、試験は○が大事
◆渡邉先生:計画から実際の勉強方法へ話を移しましょう。
☆宇佐美さん:書店などで手に入るもので、おすすめの参考資料はありますか。
◎小倉さん:大原かTACのテキストや問題集を使うことが多いでしょうが、使ってみて、自分に合うものを使うのがいいと思います。理論はこっちで、問題集はこっちがいいとか、人それぞれに合うものが違いますから。
僕の場合、理論はTACが覚えやすくて、問題は大原のほうが自分の力になっているなと感じていました。
◎風間さん:自分はネットスクールの理論の教科書がおすすめです。問題集はTACの基礎編・応用編を回していました。
◎根本さん:自分は瑞穂会の教材を中心に勉強していました。わからないところがあれば、教室の棚にある参考書を見て理解するようにしていました。
◆渡邉先生:各専門学校が出している問題集は、全部見たほうがいいのか、1つにしぼった方がいいのか、どちらでしょうか。
◎小倉さん:それぞれの内容を見比べて難易度を把握したうえで、Aランクとされているような基本の重要論点を中心に覚えていきましたが、同じ論点でも解答の仕方が違うので、覚えやすいほうで覚えていました。
◎風間さん:自分は1つにしぼっていました。他のものは解答の仕方が好きではなかったので。
◎根本さん:瑞穂会の模試と合うほうにしていました。模試と問題集で、考え方が変わらない方がいいと思ったので。
◆渡邉先生:自分が理解しやすいものを丁寧にこなしていく、ということですね。
あと『会計法規集』があれば、専門学校の解答に引用されている部分もあるし、新しい論点にも対応できるので、手元に置くといいと思います。
☆宇佐美さん:問題の解き方で工夫したこととか、ケアレスミスをなくすためにやったことはありますか。
◎小倉さん:問題を解く時には、本番と同じA3の紙を計算用紙として使っていました。
ミスしたところは自分の弱点なので、今後の対策を練りながらノートにまとめて見直すようにしていました。
◎風間さん:間違えたところだけ付箋を貼って、確認するようにして、間違えたところがどこか、わかるようにしていました。
◎根本さん:頭の中で仕訳をして、それが財務諸表のどこへ行くのか、ということを想定しながら問題を解いていたら、ミスは少なくなりました。
それでも間違えた論点は間違いノートにメモしておいて、テキストにもどって、次にできたら間違いノートのメモに×を付けて消すようにしていました。
◆渡邉先生:間違いをゼロにすることは難しいですが、勉強では×が大事、本試験では○が大事、という話はしていますよね。
どこを間違えたのか確認できるようにしておいて、コツコツつぶしていくというのが、勉強のやり方になるということですね。
☆杉山さん:朝とか夜とか、勉強するといい時間ってありますか。
◎小倉さん:通学中のバスとか電車の時間は有効に使えます。僕は理論を中心に覚えていました。
理論を覚えるには習慣づけが大事なので、続けていけば自信にもなります。
◎風間さん:朝計算をやって、疲れてきたら理論をやるとか、息抜きのつもりで内容を変えて、飽きないようにしていました。
直前期になったら本試験と時間を合わせていました。9時から簿記、12時半から財表という感じです。
◎根本さん:僕は電車の時間が長いのでずっと理論をやっていました。覚えたら修正テープで消して、最終的に真っ白になることを目標にしていました。
電車の中と、寝る前と、起きてすぐ、に理論はやっていました。朝は昨日やったことを思い出そうとするので、記憶の定着に効果がありました。
◆渡邉先生:理論の勉強は人によって違ってくるようですね。
私の話をすると、理論は1週間単位で月曜から水曜は復習、木曜から土曜は新しい論点の理解、という具合にやっていました。すると、新しい論点はどんどん減っていくので、やがて金曜まで復習になり、最終的には復習だけ、という具合になります。直前期まではインプット中心に今までにやった理論に毎週ふれていく、という感じにしていましたね。
過去に、車酔いしてしまうので通学中に勉強できない学生がいて、トイレとか、自分のよく行く場所に理論の紙を貼っておいて必ず目につくようにしていましたよ。覚えたら日めくりのようにめくっていく、というやり方をしていました。
理論の場合、身近に置いて離れない、ということが大事ですね。
理論を覚えるときに工夫したことはありますか。
◎小倉さん:家で覚えるときは声に出すプラス動いていました。
覚えるのが苦手だったので、体を動かして楽しく続けられるようにしていました。
◎風間さん:僕は座ってひたすら読んで覚えていましたが、触れる回数を増やすということを意識していました。
◎根本さん:覚えたところを修正テープで消していたので、完璧になるまで繰り返して覚えていました。
「修正テープを使いたい!」という気持ちでやっていました(笑)。
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