惠島美王子
<編集部より>
年末年始は何かと物騒な時期。普段何気なくやっていることが、空き巣や犯罪者の呼び水になっている可能性も…。そこで、元刑事社労士の惠島先生に受験生・士業事務所の防犯について気を付けたい事をチェックリストにしていただきました!
泥棒・誘拐犯を呼んでいる!?SNSにアップNGな情報
SNSは楽しい場。しかし,泥棒や誘拐犯が見ている可能性もあります。何気ない情報のアップが自身の身だけでなく勤務先を危険にさらすかもしれません。
☑背景に注意する
自分の居場所を伝えるヒントになってしまいます。
☑毎日決まった時間での投稿はしない
この時間にはこの道を通る,ということが不審者にわかってしまいます。
☑チケット類をアップしない
講演や上映中は家に不在であることを空き巣に知らせてしまいます。
☑「○○なう」というリアルタイム情報はアップしない
「○○でランチ中」「セミナーで○○へ来ています」「○○に打合せに来ています」「今日の業務は終了しました。これから帰宅します」等と言ったことをリアルタイムで投稿することで、自宅や勤務先に人が不在であることが周囲にわかってしまうことがあります。リアルタイムな投稿は避け、数時間後もしくは日付をずらして投稿するようにしましょう。
自分を守るために気を付けたいこと
とっさの時のために護身術を身に付けることも大切ですが、日頃から警戒心を持って不審者に近寄らせない言動をとることが大切です。力関係を考えると女性は圧倒的に不利なので、特に気を付けましょう。
☑オートロックを過信せず施錠しよう
オートロックだから絶対に大丈夫。安心ではありません。オートロックであってもほんの少しの外出時でも施錠をすることを忘れないでください。泥棒や詐欺師は、住人や職員と一緒に共有玄関や共有ロビーを通るいわゆる「共連れ」という方法でマンションやオフィスビルに侵入します。宅配や取引先を装ったりすることで、誰も不審には思いません。
☑電車待ちをするときは、ホームの先頭に立って並ばない
先頭に並んでいると、恨みを持つ人や愉快犯から後ろから押される可能性があります。
☑通勤ルートを変える
毎日同じ通勤ルートだと,ストーカーに尾行されたりすることがあります。
☑行きつけのお店を作らない
ここに行けば狙えるとわかってしまいます。
☑毎日決まったライフスタイルをSNS上に投稿しない。
前述の通りで,自分の居場所や生活パターンを周囲に知らせてしまいます。
☑路上を歩く時は道路側を歩かない
道路側を歩くと車に引き込まれやすくなります。
☑エレベーターに乗り降りする際は、他人と2人きりにならない
住宅エレベーターなど,少人数で乗るエレベーターでは特に,他人と2人きりにならないように時間をずらすなど工夫します。
☑歩きスマホはしない
注意散漫になるので、不審者が近づいても気が付かない可能性があります。
☑深夜早朝に関わらず、イヤホンで音楽を聴きながら歩かない
交通事故に巻き込まれやすいだけでなく、危険察知が遅くなります。
無料防犯アプリの活用
皆さんスマホをお持ちだと思いますが,防犯に役立つアプリもあります。
☑警察庁「110番アプリ」
事件事故、火災・災害・遭難に遭った場合にメールで110番通報するアプリです。
☑各都道府県警察署アプリ
例えば、警視庁「デジポリス」があります。このアプリは、混雑した電車内の少女が周囲に「痴漢です」と表示された無料防犯アプリ見せることで犯人が逮捕された事例もあります。
犯罪発生情報をチェックする
犯罪は昼夜問わず、場所関わらず、起きるときは起きます。
とはいえ、事務所や利便性の高い駅近くの場所は、昼夜問わず多くの人が行き交い、皆さんが考えている以上に犯罪が多いことも念頭に入れておく必要があります。犯罪発生情報をチェックすることも大切です。
☑犯罪情報マップ
警視庁が公開する犯罪情報マップ等で確認しておくと、警戒度を高めることができます。このマップでは、前兆事案情報(子供・女性に対する声かけ・つきまとい事案等)、アポ電情報(特殊詐欺の犯行予兆話)、犯罪情報(侵入窃盗、ひったくり等)を知ることができます。
☑メールけいしちょう
各地域で発生した「犯罪発生情報」や犯罪を防ぐために必要な「防犯情報」等をメールで知ることができます。個人の携帯電話やパソコンから簡単に登録手続きが可能です。登録者は、配信情報を自由に選択できます。
日頃から防犯・防災グッズを持ち歩こう
日頃から防犯・防災グッズを持ち歩いているといざというときに助かります。私が普段持ち歩いているものをご紹介します。
☑ポケットライトと警笛
不審者は「光」と「音」を嫌います。警察官は、職務中、必ずこのポケットライトと警笛を携行しながら、日々業務を遂行しています。
日が暮れて帰宅が遅くなった場合は、手にポケットライトを携行しながら歩くことは有効です。
音に対しては、防犯ブザーも有効ですが、なんらかの拍子で誤作動する例も多く、いざとなった時に、防犯ブザーが鳴っても反射的に「何かあったのか?」と反応できる周囲の人が少ないのが現状です。
ポケットライトと警笛があれば,防災時に自分の居場所を知らせるのにも役立ちます。
☑風呂敷
白バイ隊員が首に白いスカーフを巻いているのはご存じでしょうか。このスカーフは何のために巻いているのでしょうか。
実は、この白いスカーフには意味があります。広げると大判風呂敷ほどの大きさになり、医療用に使用される素材で出来ています。パトロール中に負傷者を発見した際に、傷口の止血や負傷部位を固定するための応急措置として使用できる工夫がなされているのです。
白バイ隊員の白いスカーフを入手するのは一般人には難しいですが、風呂敷でも代用できます。風呂敷はエコバック代わりにもなりますし持っていて損はありません。
事件事故そして災害はある日、突然、予期せぬ時にやってくるものです。
誰しもが自身の身に降りかかるものだと思ってください。
〈プロフィール〉
惠島 美王子(えじま みおこ)
神奈川県警の元刑事。大学卒業後、地元である神奈川県の役に立ちたいという思いから神奈川県警察に奉職。巡査部長に昇任後、主に詐欺、横領、贈収賄事件などの知能経済犯担当として活躍。その後法律事務所、社労士事務所に転職後、2022年企業の労務リスク対策に特化したガーディアン社会保険労務士事務所を開業。