連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(本試験直前総復習24)ー 企業結合会計②


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

*税理士、会計士論文式試験直前の総復習として、本連載の復習問題を再掲載します。

Q8(空欄補充)
「取得」に対しては,ある企業が他の企業の( ① )を獲得することとなるという経済的実態を重視し,( ② )により会計処理することとなる。これは,企業結合の多くは,実質的にはいずれかの結合当事企業による( ③ )と同じであり,交付する現金及び株式等の投資額を( ④ )として他の結合当事企業から受入れる( ⑤ )を評価することが一般的な購入取引の会計処理と整合するからである。

A
① 支配
② パーチェス法
③ 新規の投資
④ 取得価額
⑤ 資産及び負債
*企業結合会計基準67項
『ごく簡単に言うと,企業結合なんてスーパーマーケットで買い物するのと同じ!』

Q9(空欄補充)
企業結合の中には,いずれの結合当事企業も他の結合当事企業に対する( ① )を獲得したとは合理的に判断できないものがあり,このような「持分の結合」に対しては( ② )により会計処理する。この考え方は,いずれの結合当事企業の持分も( ③ )が断たれておらず,いずれの結合当事企業も( ① )を獲得していないと判断される限り,企業結合によって( ④ )のリスクが変質しても,その変質によっては個々の( ④ )のリターンは( ⑤ )していないとみるものであり,ある種の非貨幣財同士の( ⑥ )を会計処理する際にも適用されている( ⑤ )概念に通ずる基本的な考え方でもある。しかし,( ② )は廃止され,「持分の結合」に対しても( ⑦ )により会計処理をせざるを得なくなった。


① 支配
② 持分プーリング法
③ 継続
④ 投資
⑤ 実現
⑥ 交換
⑦ パーチェス法
*企業結合会計基準68項
『例えば駐車場用地を交換して引き続き駐車場用地にした場合は当初の帳簿価額が新駐車場用地に引き継がれる。難しいかな?』(桜井23版,265頁)

Q10 取得の会計処理はどのように方法によるか,簡潔に説明しなさい。


共同支配企業の形成及び共通支配下の取引以外の企業結合は取得となり,この場合における会計処理は,パーチェス法による。
*企業結合会計基準17項
『取得→パーチェス法の適用→のれんが生じる』(桜井23版,266-267頁)

Q11 (正の)のれんはどのように処理するか?


のれんは,資産に計上し,20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって,定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。
*企業結合会計基準32項
『P/L販売費及び一般管理費(または営業外費用)に “のれん償却額” で表示』(桜井23版,268頁)

Q12 (負の)のれんはどのように処理するか?


取得原価が受け入れた資産及び引き受けた負債に配分された純額を下回り,負ののれんが生じる場合には,当該負ののれんが生じた事業年度の利益として処理する。
*企業結合会計基準33項
『P/L特別利益に “負ののれん発生益” で表示』(桜井23版,268頁)

Q13 なぜのれんについて規則的な償却を行う方法を採用したのか?


「規則的な償却を行う」方法によれば,企業結合の成果たる収益と,その対価の一部を構成する投資消去差額の償却という費用の対応が可能になる。のれんは投資原価の一部であることに鑑みれば,投資原価を超えて回収された超過額を企業にとっての利益とみる考え方とも首尾一貫している。さらに,取得したのれんは時間の経過とともに自己創設のれんに入れ替わる可能性があるので,取得したのれんの非償却による自己創設のれんの実質的な資産計上を防ぐことができ,「規則的な償却を行う」方法に一定の合理性があると考えられる。
*企業結合会計基準105項
『 “規則的な償却を行う” のは日本だけ。コンバージェンスの推進? あれっ? ここは譲れないか…』

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15.自己株式①‐⑦
16.準備金の減少①‐⑥
17.純資産の部の表示①‐⑦
18.株主資本等変動計算書①‐⑤
19-1.企業結合会計①‐⑦

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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