【連載】<税理士試験簿記論&財務諸表論> 敏腕講師・かえる先生の独学合格ロードマップ2023(第3回)


諸角 崇順

【編集部から】
会計人コースWebの記事を解析すると、税理士試験・会計士試験ともに独学での学習法についてPV(ページビュー)が非常に多いです。でも、独学の場合「いつ・何を・どう勉強していけばよいか」を自分自身で考えて実行しなければならず、この点が受験生の大きな悩みどころではないでしょうか。
そこで、本連載では、敏腕講師のかえる先生(諸角崇順先生)に、主に独学で税理士試験の簿記論・財務諸表論の学習をスタートする方、もしくは前回の試験までは専門学校を受講していたものの次回は独学で再チャレンジしようという方に向けて、毎月1回、その時々で実践すべき学習内容を提示して合格をナビゲートしていただきます(毎月1日更新予定・23年8月1日まで全11回予定)。
独学の方はもちろん、専門学校の講義を受講している方も是非参考にしていただければと思います。
それでは今月の学習ナビゲーション、スタート!

’22年12月の学習ナビ

みなさん、こんにちは!

今回は、記事の掲載日が12月1日ということで、簿記論・財務諸表論の科目別のアドバイスより、「受験」そのものに対するアドバイスに比重を置いて書こうと思います。
独学かつ初めての受験を迎える方だと、どうしても情報不足に陥りがちな「受験」そのものに関する情報を今回の記事を通して確認してみてください! きっと役に立つと思います。

科目別の合格率をチェックしよう

11月30日(水)に税理士試験の官報合格発表が行われました。ただし、この原稿は締日の関係で合格発表前の執筆となっていますので、今年の本試験のデータは各自、国税庁のホームページ 税理士試験|国税庁 (nta.go.jp) で確認していただきたいのですが、合格発表の際、国税庁は、試験地別、科目別、学歴別、年齢別の合格率(合格者数も)を発表してくれます。
試験地別、学歴別、年齢別の合格率はあまり気にする必要はないと思いますが、科目別の合格率は軽くチェックしておきましょう。

簿記論や財務諸表論は税法と比べ比較的合格率が高いのはうれしいところです。しかし、今年の合格率が仮に下がった場合、来年の合格率は高めとなる傾向があります。
ただ、平均的な合格率だと合格していたはずの成績上位層がリベンジとして来年も受験してきますので、決して楽観しないようにしたいところです(逆に、今年の合格率が高まった場合、来年の合格率は下がる傾向が高いですが、上位層が軒並み合格してくれているので、来年の受験に対し、それほど悲観的になる必要はありません。)。

 この記事は基本的に簿記論・財務諸表論の受験者の方を対象としておりますが、今年の夏の本試験で簿記論を受けて、来年は財務諸表論を受ける、そして、簿記論の結果次第では、年明けからミニ税法も始めるかな、という方がいると思い、少し触れますが、特に税法では、科目別の合格率が高い科目と低い科目がありますので、科目選択の際の一つの判断材料にされてください。
ただし、あくまでも、科目選択は学習したい科目を選ぶのが王道ですので、そこは誤解なきようお願いします。

帰省する場合にやっておきたいこと

今年の年末年始はコロナ禍での移動自粛も解除されているはずなので、帰省される方も多いと思います。ということで、このタイミングでやっておいていただきたいことなどもお伝えしようと思います。

冒頭で書いたように、独学の方が情報不足に陥りやすいのが「受験」そのものに関する情報です。本試験の直前になって発表される受験要項を見てから動くと無駄な時間が生じる可能性もあるので、このタイミングでお伝えします。

実家近くの大学を卒業し、離れたところで就職したような方は、この年末年始に帰省される際に必要書類を手配(母校の学生課で郵送の手配をしておく等)しておくと、本試験の直前にわざわざ書類の準備だけに実家に戻る、といったことを避けられます。

令和4年度(第72回)税理士試験受験案内|国税庁 (nta.go.jp)
※上記リンク先にあるPDFの5ページ、6ページを見ていただくと、初めて受験する方が用意しなければならない書類が示されています。

独学の方は、直前期になって初めて受験要項を見たとき、「え?? この書類なに? どこでもらえるの?」、「え~、合格証明書ってなに??」など、わからないことが多く、かつ、周りに気軽にたずねることができる人もいないため、勉強どころの騒ぎではなくなります。
直前期に慌てなくて済むよう、今のうちから少しずつ準備を始めましょう!
そうすることで受験に対するモチベーションも上がりますよ!!

年末年始の過ごし方

さて、そろそろ科目別のアドバイスとなるところなのですが、今回は年内最後の配信ですので、特別に簿記論、財務諸表論を区別せず、この時期の過ごし方を書こうと思います。

独学の方は、当たり前ですが、資格学校に通っているわけではありません。「おまえは何を言ってるんだ」となると思いますが、あきれたりせず、ぜひ最後までお付き合いを・・・。

資格学校には、冬休みがあります。つまり、開講してから週1もしくは週2のペースで行われていた授業が3週間ほど止まることになります。
そして、このタイミングで、資格学校に通っている受験生は、講師の指示に従い9月からの総復習をします。

しかし、独学の方は、勉強のペースが変わるわけではありません。つまり、年末年始も普段通りの勉強を継続する、それは、つまり、今までの内容を復習(確認)せずにどんどん先に進んでしまう、ということを意味します。
人間の記憶というものは意外と曖昧なもので、9月に学習した内容を12月になっても完璧に覚えている方はいないと思います。

独学のみなさんも、もちろん『基礎』から学習を開始されたわけですが、年明けからの発展的内容を学習するためにしっかりとした理解が必要な『基礎』の復習をしないまま、どんどん発展的内容に進むと、「ん? これは何を言ってるんだ?」、「こんな仕訳あったか?」、「簿記一巡の流れってなによ?」という状況に陥りかねません。
なので、どんどん先に進んで新しい知識を習得したい気持ちもわかりますが、ここはぐっと我慢して、ここまで学習してきた『基礎』の復習をしてほしいと思います。そうしたほうが、年明け以降、一気に成績が伸びてきます。

今のうちにしっかりとした復習計画を立て、新しい知識の習得は12月中旬ぐらいまでにして、年末年始の3週間程度は今までの総復習に充ててください。

簿記論―頭の中でサッと仕訳がきれるまで『基礎』の復習!

新しい知識の習得は12月中旬ぐらいまでにして、『基礎』の復習を。その際、少しでも不安があれば日商簿記2級レベルまで戻って、しっかりと基礎固めをしてください。
復習の目安は、「今まで学習した内容の仕訳を紙に書かず頭の中でサッと仕訳がきれるか」です。

1週間あたりの勉強時間の目安:11時間前後

財務諸表論(計算)―個別問題の精度を上げる!

簿記論と同じく新しい知識の習得は12月中旬ぐらいまでにして、『基礎』の復習をしましょう。どうしても総合問題を解きたくなると思いますが、今はまだ個別問題の精度を上げることを優先してください。

1週間あたりの勉強時間の目安:6時間前後

財務諸表論(理論)―重要度の高い理論をスラスラ言えるまで!

先月の記事で書いたように、資格学校の内部教材を手に入れた方は、資格学校が年内に学習する範囲における重要度の高い理論の精度の高い暗記を行ってください。復習の目安は、「その重要度の高い理論すべてをスラスラ言えるようになるまで」です。
また、勉強時間に関しては、12月中旬以降の総復習時期に入れば、理論の勉強時間だけ倍にブーストかけるぐらいでよいと思います。

1週間あたりの勉強時間の目安:8時間前後(総復習時期は15時間前後)

第4回は1月1日(日)にUP予定です。
ご期待ください!

【連載バックナンバー】
第1回(10月の学習ナビ)
第2回(11月の学習ナビ)
第3回(12月の学習ナビ)
第4回(1月の学習ナビ)

<執筆者紹介>
諸角 崇順
(もろずみ・たかのぶ)
大学3年生の9月から税理士試験の学習を始め、23歳で大手資格学校にて財務諸表論の講師として教壇に立つ。その後、法人税法の講師も兼任。大手資格学校に17年間勤めた後、関西から福岡県へ。さらに、佐賀県唐津市に移住してセミリタイア生活をしていたが、さまざまなご縁に恵まれ、2020年から税理士試験の教育現場に復帰。現在は、質問・採点・添削も基本的に24時間以内の対応を心がける資格学校を個人で運営している。
ホームページ:『かえるの財務諸表論』 (peraichi.com)

【書籍紹介】

『次こそ!税理士試験に合格する方法』(中央経済社)
本記事の執筆者である諸角崇順先生の学習アドバイスをはじめ、合格体験記や独立開業日誌など会計人コースWebの記事に加筆・編集をしてまとめた1冊です。
ぜひご覧ください!

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