【1日1問!〇×会計クイズ】商品売買・収益認識⑰


加藤大吾
(公認会計士・税理士)


公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。


【〇×問題】

決算日において商品(取得価額4,000円)について、収益性の低下が認められ、決算日現在の見積販売価格3,000円、見積販売直接経費500円とそれぞれ見積もられたとき、商品の貸借対照表価額は3,500円となり、棚卸資産評価損が500円計上される。

【正解】 ×

正味売却価額は、3,000円(見積販売価格)-500円(見積販売直接経費)=2,500円となる。よって、商品の貸借対照表価額は2,500円となり、棚卸資産評価損が1,500円計上される。

【根拠となる会計基準】

企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」

5. 「正味売却価額」とは、売価(購買市場と売却市場とが区別される場合における売却市場の時価)から見積追加製造原価及び見積販売直接経費を控除したものをいう。なお、「購買市場」とは当該資産を購入する場合に企業が参加する市場をいい、「売却市場」とは当該資産を売却する場合に企業が参加する市場をいう。

7. 通常の販売目的(販売するための製造目的を含む。)で保有する棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする。この場合において、取得原価と当該正味売却価額との差額は当期の費用として処理する。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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