【1日1問!〇×会計クイズ】税効果会計・連結会計⑥


加藤大吾
(公認会計士・税理士)

公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。

○×問題

固定資産の取得時に、資産除去債務を計上する場合、税務上はその計上が認められないため、将来減算一時差異と将来加算一時差異が発生する。よって、取得時において増加する固定資産に対して繰延税金資産を計上し、固定負債に計上する資産除去債務に対して繰延税金負債を計上する。

解答

×

増加する固定資産に対して繰延税金負債を計上し、負債に計上する資産除去債務に対して繰延税金資産を計上する。

根 拠

企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」

用語の定義
4. 本適用指針における用語の定義は、次のとおりとする。

(4) 「財務諸表上の一時差異」とは、個別財務諸表において生じる一時差異のことをいい、将来減算一時差異又は将来加算一時差異に分類される。

① 「将来減算一時差異」とは、財務諸表上の一時差異のうち、当該一時差異が解消する時にその期の課税所得を減額する効果を持つものをいう。

② 「将来加算一時差異」とは、財務諸表上の一時差異のうち、当該一時差異が解消する時にその期の課税所得を増額する効果を持つものをいう。

ワンポイントアドバイス

固定資産を減価償却することにより、将来加算一時差異が解消するため、繰延税金負債を減額させます。

一方で、資産除去債務が利息費用について毎年増加することにより、将来減算一時差異が増加するため、繰延税金資産を増加させます。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


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