【会計士合格体験記】受験生活3年半、励まされたback numberの「泡と羊」


A.T
(23歳)

〈受験情報〉
学習スタイル:CPA会計学院(通信→通学)
合格履歴:2024年5月短答⇒2024年8月論文
▶トップ画像はA.Tさんが筆箱につけていた3年半分のお守り(本人提供)

会計士を目指したきっかけ

コロナ禍真っただ中であった大学1年生の時、時間が浪費されていく毎日に不安を覚えた私は何か身になる資格を取ろうと思いました。
会計士は大学生に人気の資格であり、もともと興味のあった経済や企業に関する専門家になれるということから目指し始めました。

もちろん高収入であり、経済社会においてなくてはならない存在であるという安定性も志望理由の一つです。

大学1年から勉強を開始するも、在学中は大学生活を満喫

大学1年生の冬から勉強を始め、最初は通信生として自宅で勉強をしていました。大学2年生ごろから対面授業やサークル活動などが再開し始めたため、大学での友達をつくったり少しサークル活動をしたりしながら会計士の勉強を続けていました。

ただ勉強範囲が広く、質だけでなく時間という意味での量も必要とされるため、バイトを3つ、サークルを2つ、大学の勉強や友達との遊びに加えて会計士の勉強を両立するのは非常に困難でした。大学3年生ではいよいよ就活やゼミが始まり、サークル活動も引退に近づいていたため、せっかくなら一度しかない大学生活を心ゆくまで満喫しようと思いました。

そのためサークル活動に積極的に参加し、大学祭や引退企画などで仲間たちとの最高の思い出を作ることができました。もちろんそれらに時間を費やすということは会計士の勉強にさける時間がどうしても少なくなってしまいます。

しかし私は、第一志望の大学に入学し、華の大学生活を送るという大学入学時の想いをやっと果たすことができたため、悔いはありませんでした。むしろここで会計士の勉強を第一に選んでいたとしたら、このようないろいろな喜びを感じる機会はそう多くなかったのではないかとも思います。

就活する友達を横目に勉強、焦りを感じる

周りの友達が一般就活に精を出す中、私は会計士の勉強を進めていました。
大学2年生の冬から短答式試験を受けてきてもう何度も落ち続けていたけれど、ここまで来て勉強をやめる、逃げるという考えはありませんでした。
友達の就職先が決まっていく中、自分は受かることができるのかという不安や焦りはありましたが、あまり悩みすぎずに自分のやるべきことに集中していました。

大学4年生の5月の短答式試験ではボーダーまであと2%といったところで落ちてしまいましたが、ふと自分のやってきた勉強が間違っていたのではないかと思いました。
なぜなら5月短答に向けての答練や模試で知らない内容や考え方が出てきていたからです。

私は2年超速習コースというものに入っており、大学4年生の8月まで含まれているものでしたが、毎年変化する会計士試験や法律にうまく自分の知識をアップデートできていないのではないかと考えました。
コースが切れるタイミングであったため上級コースに入り直した際、今までのテキストをすべて一新し、最新のレギュラー講義をすべて見直しました。

すると2年前までは重要性がそこまで高くなかったものが重要度Aとなっていたり、同じ問題でもより理解しやすく応用の利く解法へと変わっていたりと、より最新の知識を取り入れることができました。

卒業論文を書きつつも会計士の勉強にしっかりと時間をかけて臨んだ12月の短答式試験では、他科目はすべて合格レベルまで取ることができましたが、管理があと2点というところで足きりとなり落ちてしまいました。あと2点取れれば受かっていたという悔しさは絶対に忘れられません。

そして大学を卒業し、今後どうするのかというところで一度予備校の就活セミナーに行ってみました。そこでキャリアサポートの方々と面談したところ、「ここまで頑張ってきたのだから5月まで受けてみてほしい。もしそれでだめだったとしても5月短答後の就活セミナーで中途入社することは可能である。」というお話を伺い、最後のチャンスと思い5月短答を受けることに決めました。

6回目の受験で短答合格!

最後のチャンスである5月短答に向けて、今まで通信生としてやってきた勉強を通学生に変更し、CPA新宿校で勉強することにしました。
すると同じく会計士の勉強に取り組んでいる沢山の仲間たちの存在を目の当たりにして、自分は全然勉強してこなかったのだと気づかされました。
自分より朝早く自習室に来て、自分より夜遅く自習室から帰る、それを毎日のようにやっている彼らを見て、自分ももっと頑張らなければ受かることはできないのだと強く思いました。

周りに刺激されつつ周りに振り回されないよう、自分のやるべきことに集中し勉強を続けた結果、既卒後の5月の短答式試験では見事合格することができました。
計6回目の受験でやっと合格することができた時は、本当に人生で一番の喜びだったと思います。

論文式試験~合格

一方、5月に受かってしまったので8月の論文式試験まで2か月半しかありません。
少しだけ手を付けていた財務や管理から取り掛かりましたが、問題は短答式試験と全く異なる企業・租税・経営です。

ガイダンスに沿ってとにかく勉強を進めていった結果、第2回の論文模試では会計学で跳ねて総合D判定でした。
5・8で合格するためには会計学で跳ねてその他の科目で守ることが定石のため、E判定尽くしのその他の科目を必死に頭に詰め込みました。
自分で考えて時には先生方にアドバイスをしてもらいながらPDCAサイクルを回して回して回しまくり、論文式試験前日までとにかく頭に詰め込んでいました。

A.Tさんの論文式試験1か月前のスケジュール表(はちみつは日記)

臨んだ8月の論文式試験は、とにかく緊張の連続でした。3日間試験を受けるということだけでも大変なのに、イレギュラーな問題が出たり、答えを間違えてしまったり、電卓豪打マンにあたったりと本当に大変でした。
何とかすべてをやり切った試験後は、もう何も勉強しなくていいのだとやっと解放されて、たくさんたくさん遊びました。途中就活などもありましたが、11月の合格発表までは何も考えずただただ楽しく過ごすように心がけていました。

11月の合格発表で合格することができた時は本当に嬉しかったです。
すべての努力が報われた、今まで頑張ってきてよかったと心から思いました。
初めて自分を心からほめることができたとも思います。
そして今まで支え続けてきてくれた家族や友達にも、やっと恩返しがしていけると思いました。

最後に

私は3年半ほど会計士の勉強を続けてきて、一番大変でかつ一番重要なことはメンタルだと思っています。

もちろん勉強し続けるという努力は必要ですが、その努力の継続には強いメンタルを持っていなければなりません。
何かを成し遂げるためには何かは犠牲となります。
会計士の勉強を進めていくうえでも何かは犠牲になっているのだと思います。
長ければ長いほどつらくなってくる勉強生活ですが、それでも絶対にあきらめないと強く思えること、それが一番の原動力です。

たくさん悩み、たくさん苦しみ、大変なことのほうが長く多い勉強生活でしたが、それに勝る喜びを得られることも事実です。合格した時、家族や友達が一緒に喜んでくれた時、自分を信じ続けられた時、人生で一番の喜びの結晶となることでしょう。
その喜びの結晶は今後の人生においても大きな財産になるのだと思います。

あの時諦めずに努力し続けることができたという成功体験があるからこそ自分への自信につながり、いろいろなことに挑戦し成長していく未来を描くことができるのではないでしょうか。

合格できるかどうか最後は運とも言えますが、その運を手繰り寄せるのもメンタルによるのかもしれません。
マイナスな気持ちに押しつぶされるのではなく、ポジティブな気持ちで会計士を志すことができればとても良いかと思います。

私はメンタルが崩壊しそうなとき、back numberの「泡と羊」という曲を永遠と聞いていました。
今日が何点だったとしても明日が何点かなんて誰もわからない、何回でも生まれ変わってまた立ち上がっていこうというメッセージが込められているこの曲を聞くことで、気持ちをリセットするルーティーンとしていました。

皆さんももし勉強に疲れたときにはこの曲を聞いて思い切りくじけてみてはいかがでしょうか。そしてまた一緒に立ち上がって頑張っていきましょう。

皆様を心から応援しています。

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