🍂読書の秋がやってきた!眞山徳人先生(公認会計士)がオススメする課題図書📚


【編集部より】
読書の秋ですね。本を読むのにぴったりな季節、「何かオススメはないかな~」と探している人もいるのではないでしょうか。
そこで、本企画では、学者・実務家などの読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「読書の秋の課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を順不同で掲載します・不定期)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、眞山徳人先生(公認会計士)に課題図書をお薦めいただきました!

オススメ書籍①『会計人材のキャリア名鑑』(CPAキャリアサポート株式会社、中央経済社)

まずお勧めしたいのが、『会計人材のキャリア名鑑』(CPAキャリアサポート株式会社、中央経済社)です。

たぶん、もうすでに皆さんお気づきだと思うのですが、実は、会計の学びには終わりがないのです。検定試験の合格や資格取得を目指す受験生はもちろんですが、実務家として働いている会計人材の皆さんも、この終わりのない道をずっと歩んでいかないといけない…。残念ながらその事実は、今後もずっと変わらないと思います。

そんな長い道のりだからこそ、せっかくだから楽しく歩んでいきたいじゃないですか? そのために必要なのは、やはりモチベーションだと思うのです。

この本を手に取ると、会計人材として世の中でどのように活躍できるか? その幅が想像以上に広いことに気づかされます。自分が5年後、10年後どのように社会の役に立ち、そして、どれくらい稼ぐことができるのか…そんなことに思いを馳せることで、日々の会計の学びが、今までよりもさらに楽しいものに変わるはず。

「やる気が欲しいなぁ、どこかに売ってないかな…」と思っている方にお勧めです。

オススメ書籍②『V字回復の経営』(三枝 匡、日本経済新聞出版)

次にお勧めしたいのが『V字回復の経営』(三枝 匡、日本経済新聞出版)です。

経常利益、自己資本比率、ROE…。会計の勉強をしていると、時折、その数字の裏側に色々な人たちの「仕事」が見え隠れしていることを、つい忘れてしまいそうになることがあります。いま社会人の方ならおわかりだと思います。仕事に伴う楽しい瞬間、辛い瞬間、家庭やプライベートとのバランスの難しさ…。要するに会計で作られた数字には、働いている人の数だけの「ドラマ」が眠っているわけです。

この『V字回復の経営』では、経営危機に瀕した会社を社員たちが見事に復活させるまでの、決して平たんではない道のりが描かれています。実在の企業の復活劇をモデルにしたもので、経営学のケースとしても非常に有意義な本として知られています。

…が、私が好きなのはやはりこの本の持つ「ドラマ」的な側面です。だらけ切った社風にカツを入れ、時には怒りをあらわにしながらプロジェクトに取り組む人たちの姿は、本気で取り組む仕事というのはこんなにも熱いものなのか…ということを思いおこさせてくれるのです。

経理の仕事や簿記の勉強に疲れきって、最近数字が無味乾燥なものに思えて仕方がない…。そんなあなたに、おススメです。

オススメ書籍③『うわさのズッコケ株式会社』(那須 正幹 (作)・前川 かずお (絵)、ポプラ社

最後のお勧めはこの本です。

「え、児童書?」って思うでしょ。そうなのです。先ほど紹介した『V字回復の経営』はハードボイルドな企業小説であり、かなり高度な経営学のケースだったわけですが、これは小学生3人組が商売を始めるという、非常に初歩的なビジネスを題材にした物語です。

でも侮るなかれ。ビジネスチャンスを見つけたときの興奮、商品の価格設定の難しさ、経営環境の激変と経営危機、そしてそれにいちゃもんをつける「物言う株主」たち…。たいていの経済小説にも織り込まれるエッセンスが、児童書なりにちゃんと含まれています。

少し自分語りをすると、この一冊こそ、私自身が会計・ビジネスに関する教育…、その中でも、できるだけ入門的な内容を扱った敷居の低いものをライフワークにしていこう、と決心させてくれた本だったりします。

子どもたちに、近い将来きみたちが直面する「仕事」とか、「お金」とか、「稼ぐ」ということが、ほんとは楽しくてワクワクするものなんだ、ということを、もっともっと伝えていきたい。私にとってこの本は、そんな自分の使命に立ち返るための、大事な、大事な存在です。

もちろん、私のみならず皆さんにとっても、初めて簿記や会計を学び始めた時の「へぇ、そうなんだ」という気持ちを思い出させてくれる一冊になろうかと思います。ただし、かなり古い書籍ゆえ、現行の法律と異なる表現がいくつかあるのでその点はご注意を。

<執筆者紹介>

眞山徳人(まやま・のりひと)
公認会計士
CPAラーニング実務家講師、オンライン経理スクールCuel代表講師など、会計に関する実務教育を主なフィールドとしている。2016年に、日本最大級のスピーチコンテストで全国優勝したことをきっかけに、プレゼンテーションの専門家としても活動の幅を広げている。
近著に『会計士・税理士のための 伝わるプレゼン術』(中央経済社)。
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