連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第156回)ー 純資産の部の表示⑥


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

新株予約権はなぜ従来の負債の部から純資産の部へ表示が変わったのか?

解答・解説

新株予約権は,将来,権利行使され払込資本となる可能性がある一方,失効して払込資本とはならない可能性もある。このように,発行者側の新株予約権は,権利行使の有無が確定するまでの間,その性格が確定しないことから,これまで,仮勘定として負債の部に計上することとされていた。しかし,新株予約権は,返済義務のある負債ではなく,負債の部に表示することは適当ではないため,純資産の部に記載される。

*純資産表示会計基準22項(1)
『権利行使されれば払込資本で,失効すれば戻入益(利益剰余金)となる。いずれにしても株主資本になる宿命を持って生まれた!』

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15.自己株式①‐⑦
16.準備金の減少①‐⑥
17-1.純資産の部の表示①
17-2.純資産の部の表示②
17-3.純資産の部の表示③
17-4.純資産の部の表示④
17-5.純資産の部の表示⑤

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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