【新連載】現役経理部長が教える! 経理の仕事でExcelがマストな3つの理由


経理部IS

【編集部より】
経理の仕事では、Excelをよく使うと聞きます。そもそも、なぜExcelなのか。経理の仕事ならではの特徴があるのか。一般に知られているExcelテクニックとは違うのか。そんな素朴なギモンを解消すべく、現役経理部長の経理部ISさん(@keiri_IS)に、経理に関わる人が知っておきたいExcelの基礎知識やテクニックを連載で教えて頂きます(月1回・不定期掲載)。
連載第1回の今回は、「経理の仕事でExcelがマストな理由」がテーマです。これから経理関係の仕事を始める人はもちろん、スキルアップを目指す人にもおすすめです。

経理ではExcelがなければ仕事にならない

経理の仕事では、Excelの利用が必須と聞いたけど本当?
Excelが使えないと経理の仕事はできない?

こんな質問があれば、経理パーソンは「経理ではExcelがなければ仕事にならない」と答えるでしょう。それくらい経理ではExcelが利用されています。

場合によっては、一日中Excelを利用して仕事していることもあるくらいです。
実際に経理の現場では、Excelで毎月の決算資料を作成して部長や役員へ提出したり、毎月の支払をExcelで管理するなど、さまざまな場面でExcelが利用されています。

今回は、このExcelについてなぜ経理の仕事で利用が必須なのか? その理由を詳しく解説します。

既にExcelを活用されている現役経理パーソンのみならず、これから経理の仕事をしたいと考えている方は、この記事を読んで、Excelは経理にとって重要なツールであることを理解してもらえればと思います。
そして、Excel操作スキルを身につけ、経理の仕事に生かせるきっかけとしていただければ幸いです。

経理の仕事でExcelの利用が必須である3つの理由

「経理ではExcelがなければ仕事にならない」と言われていますが、なぜExcelが必要なのでしょうか?
主に次の3つが、経理でExcelが必須とされる理由です。

1.表計算ソフトであるExcelは、経理の仕事と相性が良い

2.Excelは会計システムの機能を補完する役割がある

3.Excelは利用者が圧倒的に多く、汎用性が高い

この3つについて、具体的にみていきましょう。

理由1.表計算ソフトであるExcelは、経理の仕事と相性が良い

そもそもExcelは、数値データの集計やグラフ・データベースの作成ができる表計算ソフトです。

経理では、数値データを扱い、データを集計し、分析するのが主な仕事であることから、表計算ソフトであるExcelと経理の仕事は相性が抜群です。

実際に経理では、売上の管理や経費支払いの金額集計といった数値データを扱う業務を、Excelで行っている場合が多くあります。

月次、期末決算数値もExcelで管理し、決算書を作成するといったことも一般的に行われています。

このように、Excelは経理で利用する数値データを扱いやすいことから、さまざまな場面で利用されている状況にあります。

理由2.Excelは会計システムを補完する役割がある

現在は、どの会社の経理でも日々の取引仕訳を入力して、決算データを管理する会計システムを利用しています。
さらに会計システムと連携する販売や生産を管理する基幹系システムなども、経理で利用されています。
これらのシステムがあれば、Excelを利用する必要はないのでは? そう疑問に思うこともあるでしょう。しかし、この会計システムだけで経理の仕事は完結できません。

一般的な会計システムは、どの会社でも経理処理ができるように設計されているため、

・自社オリジナルの集計資料を作成したい

・自社の役員の要望に合わせたデータを集計したい

といったことができません。

そのため、経理は会計システムから複数のデータを出力し、Excelを使って自分たちの思い通りになるように、分析や資料作成を行っています。

たとえば、

・過去5年の各事業部別の損益状況を横軸で並べて分析したい

・部門ごとの月別交際費を比較して分析したい

・役員向けに要点を絞った決算資料を作成したい

このような要望を叶えるために、Excelを利用しています。

Excelを使わなくても、会計システムで自由にデータを表示・出力するために、カスタマイズしたらどうか?といったことも考えられますが、それには多額の開発コストが必要となり、現実的には難しいと言わざるを得ません。

結局のところ、会計システムにできないデータの分析や資料の作成を、Excelで行っているというのが経理の実情なのです。
まさに、会計システムにない機能をExcelで補完していると言えます。

理由3.Excelは利用者が圧倒的に多く、汎用性が高い

経理は、たくさんの社内外の関係者と関わりをもって仕事をします。

たとえば、

・従業員全員の経費精算

・人事部で行った給与計算の経理処理

・役員への月次、期末決算報告

・監査法人の監査

・税理士の税務申告書作成

といったように、たくさんの関係者の協力を得て初めて経理の仕事が完結します。

この関係者と関わりや協力を得て仕事を行うにあたって必要になるのが、Excelで作成された資料やデータです。

実際のところ、社内外の関係者は、社内の会計システムを利用することができない、またできたとしても利用制限がかけられています(※会計システムは、セキュリティ上利用できる人が限られており、また利用できるシステムの機能も制限されています)。

そのため、経理に必要な数値データを共有するには、社内外の関係者が利用しているExcelを活用するしかありません。また、Excelは社内外で広く普及しており、汎用性が高い状況にあります。

こうした実情を踏まえ、経理は社内外の関係者とExcelで作成された資料やデータを共有して、仕事を進めています。

Excelをうまく活用すれば、経理の仕事を効率化できる!

経理の仕事では、Excelの利用が必須です。だからこそ、Excelを活用できれば経理の仕事も効率化できます。

逆にExcelをうまく活用できなければ、

・作業ミスが多発する

・作業時間が増加する

といった問題が起こります。

例えば、Excelで間違った計算式を入力したり、計算を自動化する関数が壊れていたりしたらどうでしょう。集計した数値データのミスが発生してしまいます。

算式ミス事例

▶サインペンの売上金額計算式がおかしい?

▶計算式にミスがある(数量の参照セルが違っている)

→この事例では、単価に乗じる数量の計算式が間違っているため、集計ミスを発生させています。

ファイル名事例

また、Excelで作成したデータに、よくわからないファイル名を付与して保存したらどうでしょう。後から見たいとき目的のファイルが探せなくなってしまいます。

<悪い例>

上のようなファイル名では、

・いつの売上かぱっと見わからない

・なんの売上の資料なのかわからない

・どの部署が担当している売上かわからない

・確定前とあるが、どのタイミングで作成された資料なのかわからない

そのため、ファイルを開いてみるまでは内容がわからず、いちいちファイルを開かなければなりません。

<良い例>

上のようなファイル名であれば、

・2022年10月

・第1営業部

・文具売上一覧

・作成履歴が最初の1.0

という資料であることが一目でわかります。

ほかにも、Excelにある自動計算機能を活用せず、すべて数値データを手入力していたらどうなるでしょう。
作業時間が膨大になってしまいます。このような問題を避け、経理の仕事を効率化していくには、Excelをうまく活用していく必要があります。

Excelどのように活用すれば、経理の仕事を効率化できるかについては、本連載の次回以降で詳しく解説していきたいと思います。

今回のまとめ

今回は、経理の仕事でExcelの利用が必須である理由について解説しました。

「経理ではExcelがなければ仕事にならない」というのが実情です。

それは、

Excelは表計算ソフトとして経理の仕事と相性が良い

Excelは会計システムを補完する役割がある

Excelは利用者が圧倒的に多く、汎用性が高い

こうした理由から、経理の仕事ではExcelの利用が欠かせないものとなっています。
そして、Excelをうまく活用すれば、経理の仕事を効率化することができます。
仕事のミス削減、作業時間削減も可能となります。

これから経理の仕事に携わる人は、Excelの操作理解が必須だということを覚えておきましょう。

今までなんとなくExcelを利用してきた経理パーソンは、改めてExcelの重要性を理解し、活用の仕方によって仕事を効率化できることを理解しましょう。

<執筆者紹介>
経理部IS

20数年にわたり、上場企業とその子会社で経理業務に従事している現役経理マン。日商簿記1級・税理士試験の簿記論・財務諸表論保有。
経理における複数の転職経験、そして現役上場企業での中途採用経験を活かし、経理の転職エージェントを紹介するサイトも運営中。
Twitter(@keiri_IS)
経理の転職エージェント比較専門サイト

【バックナンバー】
経理部ISさんに聞く! 上場企業経理への就職・転職 FAQ
経理部ISさんに聞く! いま欲しい上場企業の経理人材はどんな人?


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