【実務家にアンケート】会計資格受験生がマスターしたいExcelと英語(後編)


■英語についての質問と回答

Q1 英語は,経理/財務業務全般においてどの程度の重要性がありますか。

・おおいに重要 1社(E)
・やや重要
・あまり重要でない 4社(A,B,C,D)
・重要でない 1社(F)

Q2 英語は、取引先(得意先・仕入先)とのやりとりにおいてどの程度の重要性がありますか。

・おおいに重要 1社(E)
・やや重要
・あまり重要でない 3社(B,C,D )
・重要でない 2社(A,F)

Q3 経理/財務の一般社員が、平均的に1日において英語(読み・書き・会話)を使用している時間の割合は何%程度ですか。

・0~20% 5社(A,B,C,D,F)
・20~40%
・40~60% 1社(E)
・60%~

Q4 経理/財務部署の社員が英語を必要とする業務は、いかなるものが多いですか。重要性の高い順にご記入ください。

A: 決算書(アニュアルレポート)作成における英語版作成。
B: 海外子会社とのメール
C: お客様からのメール(お客様と英語でメールのやりとりをするのではなく、お客様に取引先から送られてきた英語のメールや英語の契約書を拝見し業務を行うことは多いです)
D: 英文による財務諸表が存在しなければ必要性を感じない。
E: ①取引先とのメール ②英文資料読み ③オンライン会議
F: -

Q5 英語で重要性が高いものを、重要性の高い順に下記(読み・書き・会話)より選択のうえご記入ください。重要性が乏しいものは記入しなくてけっこうです。

A: ①読み ②書き
B: ①書き ②読み
C: ①読み
D: ①読み
E: ①読みと書きは同列。③会話はまずは聞き取りが重要。聞き取れれば話せるようになります。
F:-

Q6 大卒入社(経理/財務)の際、備えているべき英語スキルはどの程度のものですか。

A: 弊社の顧客は国内法人のため、基本的には英語は必要ない。ただし、経理・IR部門では、昨今英語によるディスクロージャーが要求されているため、その作成に向け英語で読み書きできる人材が一部には必要である。
B: 特に無くても問題無し。
C: 使えるに越したことがありませんが、必須ではありません。
D: 外資系事務所、国外にクライアントが存在するならば読取に合わせて会話スキルも必要。
E: 会計事務所にもよりますが、BIG4や大手を目指すならTOEICは最低700点、できれば800点以上あれば尚良し。
F: -

Q7 英語について、会計職(経理/財務)を目指す大学生にアドバイスがあればお願いいたします。

A: 入社企業がどのような業種であり、取引先(顧客・仕入先)や子会社が在外にあるか否かで大きく異なる。かりに在外法人等と接点が多い場合は、メールでのやりとりは英語が多くなるため、英語の能力は必須。会計職であっても、在外法人等と接点が多い企業に入社するのであれば、英語ができないと仕事にならない。
B: 英語ができれば、海外駐在の可能性が広がります。
C: 使えるに越したことはないので、英語に興味のある方はぜひ勉強に励んでください。また英語を税務会計に活かしたい方は就職活動の際に、活かせる会計事務所なのかしっかり見極めることが大事だと思います。(弊社の場合、長野県内の中小企業のクライアントが多く、英語を活かす場面がなかなかないため。)
D: 英文財務諸表の理解、英文簿記会計は必要。
E: 新入社員はとにかく、英文資料が理解できなくては仕事になりません。そのためにピンポイントで勉強することは難しいと思いますが,海外の上場企業がHPで公表しているAnnual Report(株主等への決算報告)から、身近な会社(MGAFAなど)を選んで読んでみるのも会計用語やビジネス英語を覚える材料になると思います。基本的な英語が身に付けば、先輩上司の助けを受けながら②メール③オンライン④オフライン会議、そして海外出向と業務範囲が広がりますよ。仕事だけではなくプライベートでも英語を話す機会はさらに増加すると思いますので、そういう観点からもぜひ英語の勉強は続けてください。英語圏の外国人のような英語力を身に着けようとは思わないで、日本語でも同じように英語をパターン化して身につけましょう。
F: -

【執筆者紹介】
石山 宏(いしやま・ひろし)
大学卒業後 専門学校(税理士・公認会計士受験)専任講師、上場会社(経理・IR)勤務を経て,松本大学松商短期大学部准教授,東京国際大学商学部准教授,山梨県立大学国際政策学部准教授,現在,同大学教授。
著書に『検定簿記講義/2級商業簿記〈2022年度版〉』(分担執筆,中央経済社,2022年),『27業種別 簿記・会計の処理と表示』(分担執筆,中央経済社,2021年),『スタートアップ会計学(第3版)』(分担執筆,同文舘出版,2022年)ほか。

石山宏先生(撮影:ゼミ生)

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