【ユメの対談】YU ME NO U E × フジハラ ②税法科目選択のポイントは?


8月2日~4日に実施された税理士試験。受験された皆さん、お疲れさまでした。

さて、そんな税理士試験から2週間ほどが経ちましたが、どのように過ごしていますか?

リフレッシュしたり勉強したり人によってさまざまだと思いますが、9月になったら新しいスタートをきりたいですよね!

そこで、独自の勉強法で官報合格を果たしたYU ME NO U Eさん(税理士)とフジハラさん(税理士)の対談が実現!

普段から親交のあるお二人に、3回に分けて受験生時代を振り返っていただきました。

2回目は、今悩んでいる方も多いと思われる「税法科目選択のポイント」についてお話しいただきます。

・1回目「税理士試験後の過ごし方」はこちらから。
・3回目「9月からの学習スタイル」はこちらから。

【お二人の合格科目】(カッコ内は合格年)

YU ME NO U E
財務諸表論(2016年)、簿記論・所得税法(2017年)、法人税法(2018年)、消費税法(2020年)

フジハラ
簿記論・財務諸表論(2013年)、消費税法・法人税法(2015年)、相続税法(2016年)

科目選択は「実務」を軸に!

YU ME NO U E 今の時期に気になることの1つに「税法科目選択」があると思います。フジハラさんは、どのように受験科目を決めていましたか。

フジハラ 法人税法と消費税法は、実務で関与していたので、自然な流れで選択しましたが、最後は事業税にしようと考えていました。実際、税理士試験挑戦当初に相談に乗ってもらっていた方も最後は事業税を選択していて、「法人税法と繋がりやすいからオススメだよ」とも聞いていました。なので、まったく相続税法を受験するつもりはなく、実務も本格化してすぐの頃だったので、頭の中に「相続」のイメージもなかったんです。ただ、実務に取り組むなかで徐々に相続税法の必要性が見えてきて、また改正もあったので、「勉強しておかないとまずい」と思い、急きょ相続税法に切り替えました。結果としては、すべて実務での必要性に迫られて選んだ形です。あと、SNSでつながった受験仲間が法人税法と事業税を並行して勉強していたのですが、「事業税は自己採点で90点ぐらいでも不合格になる」と言っていて、なんとなく危険な世界だと感じた、というのも正直あります(笑)。

YU ME NO U E いわゆるミニ税法が合格しやすいかと言うと、また別ですよね。

フジハラ そうですね。1つひとつの密度が濃いというか、「満点勝負」というイメージがあります。理論は速記で一語一句違わないとも聞きますし。どれもそれなりの学習が求められますから、そのうえで実際に実務でどれほどの影響があるのかは、科目選びの1つの指標になるように思いますね。YU ME NO U Eさんは、税法科目はどう選んでいましたか。

YU ME NO U E 最初は所得税法を受けたのですが、当時は自動車メーカーに勤めていて、まったく会計業界とは無縁だったので、なんとなく個人的な興味から選びました。ただ、会計事務所で働いている今、選んでよかった税法科目といったら、間違いなく消費税法ですね。特に法人の顧問業務をしていると消費税の課税・非課税の判定は必須で、「知識が実務のスピードに直結する」と感じています。法人税の場合は、言ってしまえば決算のときに金額がまとまっていればいいので、悩ましい論点を持ち帰って検討するだけの時間的猶予がありますが、消費税はその場で判断しなければいけない場面が多いので、「勉強しておいてよかった」と常々思います。

フジハラ 逆に、受験していないけれど勉強しておけばよかったと思う科目はありますか。

YU ME NO U E 相続税法ですね。今になって勉強していますが、「実務で勉強するのなら試験で勉強しておけばよかった」と思います。そのほうが体系的に知識を吸収できますし。相続税法を受けなかったのは、単純に「受験生のレベルが高そう」というイメージがあったからです(笑)。フジハラさんのような優秀な人たちをなぎ倒さなければ合格できないのかと思って。

フジハラ いやいや。けれど正直、コアな受験生は多いです。もう笑い話ですが、相続税法は模試の時期は出席受講していて、休憩時間に教室から出たら、廊下にいた会計科目を受けていると思わしき大学生くらいのカップルが、「相続税法の教室から出てきたのはおじさんばかりだね」と言っていて。たしかにその通りだったのかもしれませんけど(笑)。官報合格リーチの受験生も多いらしく、雰囲気がまったく違うんですよね。私としては、落ち着いた雰囲気で居心地はよかったですが。

YU ME NO U E 科目によって受験生のカラーはありますよね(笑)。ちなみに、僕は所得税法・法人税法・消費税法を受けましたが、所得税法の受験生は比較的少ないんですよね。だいたい法人税法を受けたら別の科目を選択するので。けれど、確定申告書のチェックを行ったとき、所得税法を勉強していたので気づくこともあって、意外と実務では重宝する科目かもしれないと思いました。

フジハラ 私は所得税法は受けていませんが、勤務している税理士法人では所得税関連の案件が重いので、私も勉強を始めています。実際、専門学校のテキストを購入して勉強しなおす税理士は多いですよね。やはり受験生のときから「実務」を意識して税法科目を選ぶといいのかもしれませんね。

はじめての税法科目は「法人税法」か「所得税法」がオススメ!

YU ME NO U E はじめての税法科目としてオススメはありますか。

フジハラ オススメというか、個人的に法人税法だけは最後に残しておかないほうがいいと思っています。というのも、3科目、4科目とトントン拍子に合格していたのに、最後にとんでもなく重い科目にぶち当たって挫折する人をよく見てきたので。私の場合、ボリュームのある法人税法に合格したことで、「法人税法を倒したのだから相続税法も大丈夫」という自信につながったので、なおさらそう思います。

YU ME NO U E 僕もそう思います。最初に所得税法や法人税法のような大きい科目を学習したほうが気持ちとしても楽だと思うんですよね。会計科目から税法科目に進んだばかりのモチベーションが高いときに一気に勉強できるので。また、1年間の学習計画を立てるにしても、前の税法科目よりボリュームが少なければ、勉強時間の見通しも立てやすいと思います。

フジハラ 単純に理論も、所得税法や法人税法のほうがスッと頭に入りやすくありませんか? 表現がなんとなく身近というか。相続税法にしても消費税法にしても、妙に硬い単語ばかり出てきたり、回りくどい表現だったりして覚えにくいな、と感じていました。所得税法や法人税法はボリュームはありますが、税法科目の入口としてはいいですよね。最初にある程度、法人税法か所得税法で税法科目に免疫をつけておくと、その後の税法科目も勉強しやすいと思います。

税法科目と会計科目の違い

フジハラ はじめての税法科目となると、会計科目とのギャップに悩む方もいそうですよね。

YU ME NO U E 簿記をもともと勉強してきた人が税理士試験に入ってくるのが大多数だと思うので、会計科目には馴染みがあっても、税法科目で戸惑う人は多いと思います。財務諸表論にも理論がありますが、どちらかというと「考え方」なので、法律を扱う税法科目は毛色がガラリと変わりますよね。そういった意味で、意識の変化は必要だと思います。

フジハラ そうですね。また、会計科目の場合は、計算用紙に計算過程を書いたとしても、解答用紙に書くのは最終的な金額だけです。しかし、税法科目の場合は、基本的に計算過程を書く枠が用意されているので、計算パターンを定着させる必要もありますよね。大原の場合、年明け手前に計算パターンをまとめたテキストが配られるのですが、それを待っていると、年内に学習してきた部分についてつどつど忘れてしまうので、それまで計算パターンを持ち運べるようノートの切れ端にまとめていました。

YU ME NO U E おっしゃるように、会計科目と税法科目の違いとして、それは大きいですよね。どんな問題が出されても、「この計算パターンに当てはめればいいんだ」と瞬時に判断できるようになることが理想だと思います。1回目で「年内は計算に集中すればいい」と話しましたが、特に税法科目の場合は、早いうちから計算パターンを固める訓練をするのがいいですね。

・1回目「税理士試験後の過ごし方」はこちらから。
・3回目「9月からの学習スタイル」はこちらから。


【対談者のプロフィール】

YU ME NO U E

税理士・中小企業診断士・社会保険労務士(試験合格)
トヨタ自動車(株)に10年間エンジニアとして勤務。仕事のなかで携わった中小企業との出会いがきっかけで、中小企業支援に関心を抱き、エンジニアとしての勤務のかたわら社会保険労務士試験、中小企業診断士試験に合格。2017年、35歳にして退職、実務経験ゼロで税理士法人へ転職。故郷である静岡県に戻り、中小事業者の力になれるよう、第2の人生のスタートラインに立っているところ。2014年から税理士試験を受験し、2020年に官報合格。
勉強法や等身大の受験生活の日々を綴ったブログ「資格の先のYU ME NO U E」が大人気で、アメブロ資格ジャンルのランキング上位常連。
著書に『社労士試験 この勉強法がすごい!』(中央経済社)がある。

フジハラ

税理士・社会保険労務士・1級FP技能士・CFP認定者

大阪府出身。一般企業に経理職として勤務するなか、簿記学習の影響から2011年に税理士試験に初挑戦。2012年に税理士を目指したいという決意が固まり、一般企業を退職し会計事務所に転職。会計事務所に勤務しながら2016年に税理士試験に合格。その後も仕事と育児の環境のなか、試験攻略に重点を置いた勉強方法により、2018年にFP1級とCFP、2021年に社会保険労務士試験にそれぞれ合格。2009年よりブログ「日々是精進 ~フジハラ修練記~」で各種試験の学習記録や勉強法を発信中。2022年8月に「税務とお金と労務の専門家」を体現するためフジハラ税理士社労士事務所を開業。


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