【簿・財】間違えてはいけない重要論点 最終チェック20問 ⑨減価償却の処理(2.減価償却方法の変更)


平井 孝道
(株式会社M-Cass 代表取締役)

 税理士試験(簿記論・財務諸表論)まで毎日(土日祝日を除く)出題!
 
 専門学校や大学で、簿記検定講座(3級~1級)や税理士講座(簿記論)、公認会計士講座(財務会計論・管理会計論)など15年を超える指導経験をもつ平井孝道先生に、実際の本試験の問題を改題のうえ、頻出の典型論点を20題作成していただきました。

問 題

 次の仕訳を示しなさい。

 有形固定資産の内訳は次のとおりである。減価償却方法は定額法で、残存価額はゼロとしている。

(勘定科目)工具器具備品 (用途)事務所 (取得原価)52,200,000円 (耐用年数)5年 (経過年数)2年

 工具器具備品の減価償却方法について、正当な理由により当期末から定率法(償却率0.500)にかえて定額法を採用する(当該会計方針の変更は会計上の見積の変更と区別することが困難な場合に該当する)。なお、記帳方法は直接法によること。

解答

(借)減価償却費 4,350,000 (貸)工具器具備品 4,350,000

 正当な理由による減価償却方法の変更は、会計上の見積もりの変更と同様に取り扱います。

・1年目:52,200,000円×0.500=26,100,000円

・2年目:(52,200,000円-26,100,000円)×0.500=13,050,000円

・{52,200,000円-(26,100,000円+13,050,000円)}÷残存耐用年数3年=4,350,000円

【執筆者紹介】
平井 孝道(ひらい・たかみち)
株式会社M-Cass  代表取締役
日商簿記検定1級合格、税理士試験2科目合格、公認会計士試験合格。専門学校や大学で、簿記検定講座(3級~1級)や税理士講座(簿記論)、公認会計士講座(財務会計論・管理会計論)などの15年を超える指導キャリアをもつ。

※ 本記事は、会計人コース2020年8月号収録「簿・財 間違えてはいけない重要論点 最終チェック20問」を編集部で再構成したものです。


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