【税理士試験】1ヵ月前~本試験当日、合格者はどうしてた?(第5回:ストレスを意識的に減らすことが大事)


 はじめて受験する人、再挑戦する人、あと1科目で官報合格を果たす人、仕事や学校と両立している人など、税理士試験にチャレンジする方はさまざま。
 本試験を約1ヵ月後に控えたいま、自信のある方もいれば、焦る気持ちがどうしても出てしまい、勉強に集中できていない方も多いのではないでしょうか。
 そこで、税理士受験生の皆さんが少しでも気持ちを落ち着かせることができるよう、先輩合格者の方々に本試験前の過ごし方を伺いました。
 7月12日より5日間にわたって、タイプの違う方々にお話しいただきます。ぜひ、参考にしてみてください!(編集部)

先輩合格者を紹介!

木村 勇貴(きむら・ゆうき)

1994年、福島県いわき市生まれ。2016年3月に千葉商科大学を卒業し、同大学院に進学。2018年3月に千葉商科大学大学院を修了し、2020年8月税理士登録。最終科目とした固定資産税は、フルタイムで働きながら受験。執筆実績として、「新型コロナウイルス関連制度―法人税及び所得税を中心として―」(「会計教育研究vol.7」 2021年3月)がある。         

※ 本記事では、固定資産税に合格した年のことを記載。    

Q1 本試験1ヵ月前はどうしてた?

 勉強時間は平日5~6時間(スキマ時間込み)、休日10~15時間ほど確保していました。平日の勉強の時間帯は、5:30~6:30と21:00~25:30です。

 仕事をしながらの受験だったので勉強時間の確保は少々大変でしたが、次のような工夫をしていました。

① 睡眠時間を少し削る
② 移動時間等のスキマ時間を利用する
③ 食事ははすべて外食か買うようにして、作る時間や食器洗いの時間を削る

 また、勉強を続けるコツとして、仕事と勉強以外で自分にストレスをかけないこと、またストレスを解消することを意識していました。

 私は食べることが好きで、好きなものを我慢するとストレスがたまるので、直前期の5月頃からは好きなものを躊躇なく食べ、嫌いな食べ物は一切食べませんでした。

 その結果、8月には3kgほど増量していましたが、ストレスをためずに勉強することができたと思います。そのほかにも、週1~2回ほど散歩して、行きつけのお店に軽く飲みにいっていたことも息抜きになりました。

 使用していた教材は、資格の大原のテキストや問題集、理論サブノート、答練などです。また、会計人コース「税理士試験 理論問題 でる順予想号」(7月臨時増刊号)も使っていました。

 ミニ税法ということもあって問題も少ないため、計算は応用総合問題と答練、過去問を4~5回転ほど解き、その際は問題の趣旨を可能なかぎり意識していました。

 理論もボリュームが少ないため、A~C論点をまんべんなく暗記し、内容の理解も心がけました。加えて、応用問題と模試の問題を解いていました。その際の解き方としては、各問の理論の柱(タイトル)だけを書き出すだけです。本文は、模試と本試験以外では一切書きませんでした。ただし、漢字の練習はしたほうがいいかもしれません。

Q2 本試験1週間前はどうしてた?

 この時期は、模試の全体の結果(受験生全体の各問題の正答率など)を分析していました。各問題の全体の正答率を見て、難しい論点と簡単な論点を把握します。もちろんすべて覚えることが前提ですが、本試験の内容によっては、「どこを中心に書いて、どこを削っていいのか」といった戦術は必要となります。多くの受験生が書けない箇所を、本試験であえて書く必要はないのです。

 使用していた教材は1ヵ月前と同様で、勉強時間は12~16時間ほどでした。計算が4~6時間ほど、理論が8~10時間です。幸いにも有給休暇を取得できたため、このように勉強時間が確保できました。

 計算は苦手なところを中心に、「解き方」を重視して解いていました。得意な部分はテキストの例題で電卓を叩き、「解き方」を忘れないようにしていました。理論は、2日に分けて理論サブノートを暗唱していました。

 また、この時期から寝る時間も意識して変えていきました。固定資産税は9時に開始する科目です。24時30分には寝て、6時30分には起きるようにしていました。

Q3 本試験前日はどうしてた?

 計算はテキストに一通り目を通し、簡単に電卓を叩いていました。理論はA~B論点だけ理論サブノートを口に出していました。それ以上の勉強はしていません。

 また、前日にはホテルに宿泊しました。当時は千葉県に住んでおり、試験会場は東京都内の大学だったので、当日に向かうこともできたと思います。ただ、「電車が遅延したらどうしよう」とか「場所がわからなかったらどうしよう」と心配するのが嫌で、夏の満員電車で体力も消耗したくなかったので前泊しました。

 当時の心境としては、限られた時間のなかでも、「これ以上やれることはない」「それでも落ちたら仕方ない」と思えるくらい順調に課題をこなすことができていたので、試験内容に関する心配事はありませんでした。

Q4 本試験当日はどうしてた?

 筆記用具を除いて必ず持ち歩いていたのは、ハンディファンとタオル、飲み物、グミです。暑さ対策のために、また好きなものを食べてストレスを緩和するためです。

 当日は、予定通りに進めることができ、点もとれたかと思います。こう思えたのは、模試の各問題の正答率を分析したことが本当に大きかったです。

 試験開始後、問題を一読したときの感想は次のとおりです。

理論1=範囲は広そう、けれど書けそう。
理論2=模試でほぼ同じ問題が出た。今は書けるが全体の正答率が悪かった。
計 算=とても簡単。

 計算は65分で解ける内容でしたが、85分かけて絶対に50点を狙いにいきました。範囲が広そうな理論1は30分かけ、可能なかぎり解きました。理論2は最後の5分を使い、白紙を避ければいいくらいの感覚です。

 一度見たことがある理論は、成績上位の受験生は回答できるかと思いますが、大半の受験生はそこまで覚える余裕はないと思います。私は、それよりも計算ミスを避けることが重要と考え、計算に時間をかけました。

 「合格のために解く必要があるか」。これを判断基準にして、ある程度の大胆なやり方を選んだのも、合格につながったのではないかと思っています。

 フルタイムで働きながら税理士試験に合格された木村先生。
 直前期だからこそストレスをためない生活を送ることが大事ですよね。
 模試の各問題の正答率を分析することは、相対評価である税理士試験では必須の対策かもしれません。
 受験生の皆さん、本試験までの残りの期間を精一杯駆け抜けてください!(編集部)


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