財務諸表論(財務会計)の理論がニガ手な受験生にオススメの新刊:藤井秀樹著『入門財務会計(第4版)』のご紹介


なぜ多くの受験生が財務諸表論(財務会計)の理論がニガ手なのか?

財務諸表論(財務会計)の理論がニガ手という税理士・会計士受験生は多いと思います。

なぜでしょうか?

まずは、本試験の出題のポイントをみてみましょう。

令和元年税理士試験「財務諸表論」〔第二問〕
問1 歴史的原価会計の基礎概念である実現主義、費用収益対応の原則、取得原価主義および費用(原価)配分の原則に関する基礎的理解を問う問題である。また、その他有価証券の会計処理に関する基礎的な考え方を理解しているかどうかを問う問題である。

これをみてもわかるように、問1では基礎的な概念をおさえたうえで、その他有価証券の評価差額についての考え方が問われています。

このように財務諸表論(財務会計)の理論では基礎概念の理解を問う問題が多数出題されていますが、一般的なテキストは「基礎概念」→「B/S項目」→「P/L項目」・・・と配列され、どうしても個々のB/SやP/L等の論点(会計基準等)に目がいってしまいがち。

これでは「木を見て森を見ず」となりかねず、また試験委員の出題の意図にこたえられないことから、なかなか得点がUPしないのだと思われます。

そこでオススメなのがこちらの新刊!

『入門財務会計(第4版)』


藤井秀樹著
A5判、上製、332頁
定価:3,740円(税込)

目 次

第1章 会計とは何か
1 取引 
2 記録 
3 報告 
4 会計の意味の変化 
5 会計の領域 

第2章 会計の機能
1 会計情報の利用者と利用目的 
2 説明機能 
3 利害調整機能 
4 情報提供機能 
5 経済的機能に関する検討の小括 
6 マクロ的経済機能とミクロ的経済機能 
7 ミクロ的経済機能の基礎理論 
8 意思決定支援機能 
9 契約支援機能 

第3章 会計のルール
1 承認が必要なルールと不要なルール 
2 複数の代替的ルールを選択的に利用する可能性 
3 ルールの選択が経済的影響を持つ可能性 
4 社会的ルールの必要性 
5 GAAPと会計ルールの設定プロセス 
6 帰納的アプローチから演繹的アプローチへ 
7 2つのアプローチの性質とIFRSへの対応 
8 デュー・プロセス 
9 会計の目的依存性 

第4章 会計の制度性
1 法制度と会計 
2 企業会計に対する法律の支持 
3 慣習としての会計ルール 

第5章 会計の基礎概念
1 会計公準 
2 企業会計原則 
3 概念フレームワーク 

第6章 会計の仕組み
1 貸借対照表と損益計算書の関係 
2 例題による財務諸表の作成 
3 利益決定の前提 

第7章 利益計算の考え方
1 会計におけるストックとフロー 
2 財産法と損益法 
3 資本維持と利益計算 
4 静態論と動態論 

第8章 発生主義会計
1 現金主義会計と発生主義会計 
2 発生主義の原則 
3 収益の認識基準 
4 費用の認識基準 

第9章 配分と評価
1 配分の基本的な考え方 
2 費用配分の原則 
3 有形固定資産の減価償却 
4 棚卸資産原価の配分方法 
5 評価の考え方と処理手続き 
6 例題による財務諸表の作成 
7 キャッシュ・フロー計算書 

第10章 資産負債アプローチと収益費用アプローチ
1 基本的な論理構成 
2 2つの会計観の相違 
3 包括利益と純利益 
4 純資産と株主資本 

第11章 資産・負債の認識と測定
1 基準設定に対する資産負債アプローチの作用 
2 有価証券の時価評価 
3 割引現在価値の考え方 
4 リース会計 
5 退職給付会計 
6 資産除去債務会計 
7 3つの会計基準の異同関係 

第12章 純資産の会計
1 純資産の部の表示区分と構成項目 
2 株主資本の区分の考え方 
3 株主資本以外の各項目の考え方 

『入門財務会計(第4版)』の大きな特徴

ご覧いただいておわかりのように、従来型のテキストと異なる体系により解説されています。

つまり、従来のテキストの縦割りの構成について、横串をさして体系的に解説しているというイメージですね。

コンセプトは、次のとおりです。

① 単純化
会計の仕組みと考え方を最も深いところで支えているエッセンスを掘り起こし、それをわかりやすくかつ正確に解説していること。

② 比較
ある考え方の特徴は、その対極にある考え方と比較することにより浮き彫りになることから、多くの論点について比較を通して解説していること(比較は、特にある均衡から他の均衡に制度が移行するときに、移行の意味を理解するのに有効な方法であるため)。

この「単純化」は目次をみるとわかるように基礎的な考え方といえますし、比較も過去問をみればおわかりのように本試験では頻繁に出題されている視点ですね。

上記の令和元年税理士試験「財務諸表論」〔第二問〕の出題のポイントにもズバリ応えられると思われます。

もちろん、本書のみで合格点がとれるわけではありませんが、財務諸表論(財務会計)の理論はただ覚えるだけで面白くないなぁと感じている受験生の皆さんはぜひ手に取っていただきたい書籍です。

理論の体系について理解が進み、また奥深さが感じられて、勉強が面白くなってくると思いますよ!

面白くなってくれば、きっと得点力もUPするハズです。

なお、書名は「入門」とありますが、レベルはかなり高めです。コアな部分を解説していることから「入門」ということでご理解ください。

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●以下の連載もぜひご覧ください。
【『財務会計講義』を読もう!】プロローグ:なぜ理論が苦手なのか?

【『財務会計講義』を読もう!】第1回:時価(洗い替え方式・切放し方式)

【『財務会計講義』を読もう!】第2回:自己株式


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