気まぐれ並木道⑪ ~本試験までの勉強


プロローグ

「およそみじめなものは、将来のことを不安に思って、不幸にならない前に不幸になっている心である。
(およそ2,000年前の哲学者セネカの名言)

執筆している時期は、4月7日にコビット19による緊急事態宣言が発令された以後のことである。学校も緊急事態宣言の影響を受け休校となり、筆者の予定された生活も変わってしまった。テレビ、新聞、ネット…、すべてコロナ、コロナで気が病んでいる頃でもある。

地球誕生からおよそ46億年、地球は5回の危機に直面した。その最も有名な生物の大量絶滅は、6,500万年前の白亜紀の終わりに発生した。このときは恐竜やアンモナイトを含む76%の生物が死に絶えた。コロナの影響で心が病んでいると脳みその奥底にあったそんな記憶まで掘り起こされた。そんなとき思い出したのが冒頭のセネカの名言である。

現時点では、税理士試験は予定通り実施されることが示されている(第70回 税理士試験:2020年8月18日~20日)。

状況がめまぐるしく変化する中、今後予定が変更されることはあり得るが、予定されている本試験に向けて、全力で勉強することが最善の受験生活であろう。

7月号が発売される6月初旬には、事態が好転していることを祈る。

試験まで2ヵ月あまりの勉強法

当初、オリンピックが予定されていたため税理士試験は、平年より2週間遅れの8月18日から実施される。コロナショックにより筆者同様に心が病んでいた人は、2週間の遅れに救われるはずである。

この時期は、ほとんどの論点の学習が終了しているはずである。また、そのようにこれから受験勉強をしなければならない。

また、この時期からは、試験日まで具体的に限られた勉強時間が測定できる。日々、刻一刻と残り時間が少なくなる。そんなとき多くを望むと「膨大な復習量」に圧倒されて、かえって勉強量が減少するものである。そんなときに『会計人コース』(少し宣伝となるが7月臨時増刊号は最良の情報であり、全頁がヤマに徹しているから)などから情報を読み取るとよい。また、ストックされた問題から重要論点または記憶から抜けた論点を発見して復習の優先順位を決定するのである。つまり、問題の絞込みをして自信と確信のある有効な勉強をする時期なのである。

試験のヤマとそのトリセツ

試験までの残り期間が短くなると過去に学習した論点に埋もれて無為に時間が経過していくものである。そんな時、ヤマといわれる論点を解こう。ヤマといわれる論点でも他の論点との因果関係がある。したがって、ヤマといわれる論点だけでも十分に全体論点に対する有意義な受験勉強となっているはずである。

この時期の留意点は、凝った勉強、ハマッタ論点学習にのめり込まないことである。「どこまでやれば十分なのか」「出題頻度の低い、または程度の高すぎる問題」に時間を掛けすぎていないかを念頭に入れておかなければならない。受験勉強は、1論点の研究ではない。合格点をとれば十分なのである。

本稿は、『会計人コース』2020年7月号に掲載したコラムです。
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<著者>
並木秀明(千葉経済大学短期大学部教授・LEC講師)
中央大学商学部会計学科卒業。千葉経済大学短期大学部教授。東京リーガルマインド講師。企業研修講師((株)伊勢丹・ (株)JTB・経済産業省など)。青山学院大学専門職大学院会計プロフェッション研究科元助手。主な著書に『簿記論の集中講義30』、『財務諸表の集中講義30』、『日商簿記3級をゆっくりていねいに学ぶ本』(中央経済社)、『世界一わかりやすい財務諸表の授業』『まんが財務諸表入門7』(サンマーク出版)などがある。


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