【気まぐれ並木道】第9回:タイムマシン


並木秀明

いつの時代も、誰にでも、人に平等さを与えてきたのは「時」だと思う。

誰に対しても、1分1秒は1分1秒であった。しかしながら、人それぞれに1分1秒がある。長いと思う1分1秒もあれば、短いと思う1分1秒もある。

無心没頭の時、時過ぎるは早かった。

もう「5月なのか、時の過ぎるのは早いものである」と感じる人。それが受験生であれば、それは「良き時」だと思う。

5月号付録(宣伝)

5月は、ゴールデン・ウイークがある。ゴールデン・ウイークは、受験勉強で無理して頑張れる時期である。本付録は、筆者と同じ大学内の小野先生と打ち合わせて書き上げたものである。2人の執筆時の思いは、「この時期の定番論点と2020年重要論点」の復習と確認をしてもらうことが目的である。本付録でヤル気が生じ、ゴールデン・ウイークに勉強時間が増加して、合格の可能性が高まれば幸いである。

タイムマシン

かたい話はこのくらいにして話題を変える。私は、15歳から「読んだ本」をすべて記録している。大学ノートに〔19××年8月17日「タイムマシンの作り方」広瀬正P256・◎〕、こんな調子で記録を残していった。読み終わった日、作品名、作者、ページの順で記録し、感動のレベルを×、△、○、◎で表現している。◎はもう一度読みたい作品であるが、整理の悪い私は読みたいときに読みたい本が見つからない。再度、同じ本を買ってしまう。そんな思いで記録したノートである。SF,推理小説、恋愛小説、漫画……、自分史であるこのノートも5冊目に突入した。

炎天下の猛烈に暑い夏、海水浴も興味がなくなりプールにもいかない、そんな年齢になった。大好きだったもうすぐ訪れる夏も年齢とともに暑いだけの季節になった。そんな毎年迎える夏にも、夢がある。冷房のたっぷり効いた部屋で「面白いことがわかっている」本に浸り、現実逃避をするのである。そんなとき、思いついたのが広瀬正の作品集であった。記録ノートを開いてみると6作品がある。しかしながら、…本がない、探したがみつからない。昭和52年に初版で発売された全集を大切に保管していたはずなのだが。この原稿の行間には、180分の探した時間が費やされていることは書かないとわかってもらえないから書いておく。それほど面白かった記憶が体に染み付いている。タイムマシンがあれば探せるが、今はそのタイムマシンの作り方も忘れてしまった。

もう一つの過去

広瀬正の作品集に『エロス~もう一つの過去』という長編がある。もし、あのとき、別のことをしていたら…。「過去」とは全く違う展開の、ありえたはずの「もう一つの過去」の姿が浮かび上がる。そんなパラレルワールドをSFでありながら、少しもSFを感じない筆力で書かれた作品だった記憶がある。

いまは、過去となる。3ヵ月後に「良き過去」になることを目指したいものである。

<執筆者紹介>
並木 秀明
(なみき・ひであき)
千葉経済大学短期大学部教授
中央大学商学部会計学科卒業。千葉経済大学短期大学部教授。東京リーガルマインド講師。企業研修講師((株)伊勢丹、(株)JTB、経済産業省など)。青山学院大学専門職大学院会計プロフェッション研究科元助手。主な著書に『はじめての会計基準〈第2版〉』『日商簿記3級をゆっくりていねいに学ぶ本』『簿記論の集中講義30』『財務諸表論の集中講義30』(いずれも中央経済社)、『世界一わかりやすい財務諸表の授業』(サンマーク出版) などがある。

※ 本稿は、『会計人コース』2020年5月号に掲載した記事を編集部で再編成したものです。


記事一覧
第1回:恋と愛と会計人コース
第2回:生きていくために必要な力
第3回:筆記具蒐集
第4回:勉強の成果
第5回:合格発表から年末年始
第6回:覚える、忘れる、思い出す
第7回:海外旅行でのエピソード
第8回:出会いがもたらしたもの
第9回:タイムマシン
第10回:季節の変わり目
第11回:本試験までの勉強
最終回:試験日までの最終アドバイス


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