会計人なら知っておきたい! 会計“外”のコト⑦~労働者と使用者


 会計人が実務で困ることの一つに、労働者と使用者の間の、雇用や労働時間についての取り決めがあります。労働者は従業員など、使用者は経営者などを指す用語です。私も働き始めたとき、上司と相手先の経営者が36協定について話しており、内容がわからずに困ったことがあります。簿記や税理士試験、会計士試験では直接学習しませんが、個人事業主や会社経営者の関心がある事項です。

 使用者が労働者を雇用するさいに必要なのが雇用契約です。雇用契約は「従業員が労働すること」と「経営者が報酬を与えること」の取り決めで、口頭でもよいですが、雇用契約書という書面にし、同じ書面を2通作成して双方で所持するのが一般的です。

 もっと詳細な労働時間や賃金など、労働条件についての取り決めが就業規則で、労働者が労働するさいには就業規則を守らなければいけません。就業規則は10人以上の従業員を使用している場合には個人事業でも法人でも作成し、労働基準監督署へ届出をする義務があります。ただ、10人未満であっても、何かしらの規則や合意をすることがあります。

 さらに、使用者と労働組合または労働者の過半数を代表する者の間で取り決める労使協定もあります。労使協定の中でも有名なのが36協定サブロク協定)で、労働基準法36条で規定されているためこのように呼ばれていますが、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」という名称です。1日8時間、週40時間という法定労働時間を超えて労働させる場合などは36協定を締結し労働基準監督署に提出する必要があります。就業規則の作成義務がない10人未満の会社であっても、法定労働時間を超えて労働させる場合には36協定の提出義務があります。

本稿は、『会計人コース』2020年3月号に掲載したコラムです。

よせだあつこ(willsi株式会社取締役/公認会計士)
監査法人トーマツを経てwillsi株式会社を設立。簿記学習アプリ「パブロフ簿記」はシリーズ累計30万ダウンロードの大ヒット。著書に「パブロフくんと学ぶITパスポート」「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級」などがある。監査法人や自身の会社での実務経験から,わかりやすい解説・合格できる解法を受験生へ伝えている。


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